225◇リボルバー2
225◇リボルバー2
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これではあまりにも威力が無いので発射薬の量を増やしてみる。
3gから6gにして再度6発詰める。
この銃の構造は銃身の束を鉄のコップで覆っている形なので、たとえ銃身が裂けても鉄コップが受け止めて射手に被害は無い。
なので思い切ってそのまま撃ってみる。
発射音は耳栓無しでは耐えられないくらいになり、反動も前世のリボルバーの38スペシャルくらいになる。
今度はアースシールド板が2枚割れて3枚目が割れずに止まった。
弾速はもう目視では追えないくらいになっている。
確か9mm弾もこれくらの威力だったな。
あれ?
なんで音速を超える9mm弾と同じ威力なんだ?
まぁ弾速を計る測定器が無いのでこれで良しとしよう。
ちょっと怖いので発射薬を5gに落として再度テストする。
今度はアースシールド板が2枚割れたところで止まる。
まぁこれくらいの威力で十分だろう。
これ以上強くすると耐久性が心配になるしな。
その後は5gで撃ちまくる。
ザンドとデビッドにもフェイスシールドを貸して撃たせてみる。
有効射程距離はやはり5mだな。
俺は何とか10mでも直径1mの的に当てられるが、2人は5mでもたまに外していた。
速射してみるが、ある程度慣れると秒間1発程度は撃てる。
狙いを付けても2秒に1発は撃てるので十分だな。
これを両腰のホルスターに入れてぶら下げてガンマンスタイルで護衛する。
2人に聞いてみると、それはちょっと...と言っていた。
まぁ2丁で3kg超えだ。
それに彼らは9mm拳銃に慣れてるもんな。
それと比べるとあんまりだそうだ。
150発くらい撃ったところで分解してみる。
以前にスキルランク3で出した「KLX250整備用工具部材」を放り込んでおいたストレージから取り出し、テーブルの前に椅子も3脚出して皆で座る。
ラジオペンチとマイナスドライバーで殆ど分解出来た。
さすがにこのクラスの小型機構になるとM5くらいのネジを使っており、街の時計屋から仕入れたと言っていたな。
タップは無いので熱した真鍮の受け穴にむりやり鉄ネジをねじ込んで雌ネジにしているのだそうだ。
ナットの存在を聞いたが、汎用品は無いので必要なら自作するらしい。
雄ネジは鉄丸棒を根気よくタガネで削れば作れるのである程度の在庫はあるそうだ。
まぁ魔道銃の尾栓も似たようなもんだしな。
Eリングもどきを抜いて分解した6本の銃身を並べてみると、ほんの僅か尾栓の近くが膨らんでいた。
100発も撃つと徐々に材質が負けるのだろう。
いくら鍛造と言っても限度があるしな。
まぁ程度問題だけど尾栓近く以外は膨らんでいないので良しとする。
真ん中辺りまで膨らんだら弾丸の加速時にガス漏れするので使用不可にしよう。
尾栓に通しているミスリル銅線もハンマーの当たる所が潰れて薄くなっていた。
ここも別なミスリル銅の板で覆う必要があるな。
ハンマーの方は最初からミスリル銅板なので問題無いのだし。
フレームのサイドプレートを外すとトリガーとハンマーの機構が見える。
シリンダーの後端は波打った様に6箇所の凸凹が付けられ、フレーム側のバネ押しプランジャーと当たって定位置に回って止まる様だ。
トリガーとハンマーのリバウンド機構とシリンダー位置とのインターロック機構も見える。
まるでパズルみたいな動きをしているな。
よく思いついたものだ。
更に火蓋と連動のセーフティ機構もある。
これなら放っておいてもダブルアクションや、シリンダーハンドとストップの組み合わせによる連動回転に進化するのも時間の問題かな。
機構の潤滑オイルはガーソンが時計屋から金属に使う菜種油を買っていたので、それを小瓶に小分けしてもらっている。
それをピンセットの先を閉じて隙間に貯めて各部に少しずつ差していく。
小さい板バネを飛ばさない様に慎重に組み立ててようやく元に戻した。
サイドプレートを閉じてネジ止めし、空撃ち動作をさせてみる。
うん、インターロックもセーフティもカンペキだ。
シリンダーから外した銃身は6本とも尾栓を抜いて内面を確認する。
だいぶ滓が付いていたので工具箱の半丸スクレーパーで削って綺麗にする。
尾栓付近が少し膨らんでいるが、内面は亀裂もなく綺麗なものだった。
尾栓のネジにパッキン代わりの油を付けた薄い布を巻き、銃身にねじ込む。
銃身には銃口付近の対角線上に2箇所出っ張りが付けてあり、そこに万力等を掛けて尾栓を工具で締める様だ。
さすがに万力まではKLX工具箱に入っていなかったので、バイスグリップで銃口付近を掴んでモンキーレンチで尾栓を締める。
続いてシリンダーに銃身を6本差し込んで尾栓の出っ張りの溝にEリングもどきを入れて固定する。
シリンダーユニットをフレームから出ているセンターロッドに差し込み、ロッドの先端の溝にEリングもどきを入れて完成だ。
昼近くになったのでいったん帰る。
途中でガーソン工房に寄って感想を言う。
「ガーソン、あの機構はすごいね。あれは言ってなかったんだけど独自に思いついて入れてくれたんだよね?」
「はい、あの機構に興味があったんで自分で撃つつもりで色々触っていると不満が出やして。それで1日余分にもらって色々組み込んでみたんでさぁ。どうでした?」
「うん、全く不満は無いよ。あれで一応完成としたいね。ついてはこの「6連魔道拳銃」をあと3丁作ってくれないかな?それと弾丸を作る鋳型の工具も。」
「では図面を起こしてやすので承認のサインをいただけやすか?」
「あ、図面があるならちょっとだけ。尾栓の後ろのミスリル銅線の上にミスリル銅の板で覆いを付けてくれないかな。150発ほど撃ったらだんだん潰れてきていつか当たらなくなりそうなんだ。ここだね。」
俺は現物の状態を見せる。
ガーソンは見た瞬間に分かった様で、ちょっと顔をしかめて図面に書き込んでいた。
自分ではカンペキと思ってたんだろうな。
俺がその図面の承認欄にサインを書き、正式発注となった。
40mm砲の方も口頭だけだったので改めて図面にサインする。
これでガーソンもタダ働きでない事が確認出来たのでちょっと安堵の表情になっていたな。
そういやガーソンに払う金額はいくらにしよう?
まぁ40mm砲は魔道銃の2倍、6連魔道拳銃は魔道銃の1.5倍にしとくか。
現在情報局に販売している魔道銃は20丁まとめて1丁8万シエク(80万円)。
親父殿は単純にガーソンが提示した仕入れ値の2倍と言ってたから仕入れ値は4万シエク。
40mm砲はそれの2倍だから仕入れは8万シエク。
6連魔道拳銃は1.5倍だから6万シエク。
以上をガーソンに提示すると即座に了承した。
なんでもストハン鍛造機と送風機が入る前の魔道銃の仕切り値からの値付けだからだそうだ。
鍛造機類は無償貸与されて今後もその台数が増えるのを考えているんだろうな。
ガーソンがそこを言いにくそうに言うと、俺はそれはそれでいいと言う。
情報局にも売り値は変えないので全く問題無いしな。
最後に別紙に名目を書いて工房からの購入金額を入れ、それぞれがサインする。
2枚作って紙の端を重ねて割り印的なサインをして契約完了だ。




