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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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221◇砲撃隊訓練

221◇砲撃隊訓練

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早速俺と護衛の3人とハンスで砲兵18人を引き連れて河原の射場に行く。

的を4個並べ、まず100mの地点まで行って4門を横に並べる。


「まず僕が撃ってみせるから皆は見ていて。あ、その前にこの耳栓をしておいて。」


18人とマークにタクティカル耳栓を渡す。

俺達も着ける。

ちょっと聞こえにくくなるが、会話は普通に出来るな。


「ではザンドとデビッドが弾込めと掃除の領兵の役で、僕が発射と指揮の護衛の役をするよ。用意開始!」


ザンドとデビッドは作業をしながら今やっている事の説明を言う。

まず試作40mm砲の砲身にザンドが槊杖を突っ込んでその長さで内部が空である事を確認する。

これは二重装填事故を防ぐ為だ。

前装砲なので詰めようと思えばいくらでも詰めれるしな。

そのまま撃てば砲身が破裂して大事故になる。

魔道銃でも同様の確認作業はさせている。


次にデビッドが発火魔石粉を定量包んだ燃えやすい薄手の木綿袋包みを砲口から入れ、槊杖でそっと奥まで押し込む。

これは前世の大口径砲でも使われていた「薬嚢」という物で、弾頭と火薬を分離して装填する為のパッケージだ。

こうする事で爆発量に見合った発火魔石粉量を正確に使う事が出来るので弾道が一定となり、命中率が上がる。

魔道銃の方でも採用する事は出来るが、発射薬を定量注げるフラスコも作ったのでそこまですることもあるまいと未採用だ。

次に分厚いフェルトを入れ、奥で突き固める。

これは砲弾の後ろで爆発の圧力を受け止めて砲弾と砲身の隙間から漏れるのを防止するパッキンの様なものだ。

薬嚢の圧縮した後の押さえでもある。

最後に40mm砲弾を入れて軽く押さえておき、準備は完了した。


新たに付けられた照準器の照門を起こし、前回の砲撃でだいたい掴んでいた狙いを思い出しながら勘で照準を合わせる。

これも新たに付けられた魔道銃の撃発機構と同じハンマーを起こして発火魔法陣の板を取り付ける。

トリガーには細い紐を付けて後ろの方に引き出してある。

セーフティ代わりの火蓋を切って、全員が40mm砲の斜め後ろ3mで盾の陰に隠れて紐を引く。

大きな砲撃音が響き、砲口から爆炎と大量の煙を吐く。

それから僅かな間を空けて的の手前の地面に着弾した土煙が上がる。


「次弾装填!急げ!」


ザンドがクリーニングロッドを突っ込んで軽く汚れをこさぎ、デビッドが砲口を下にして何回かロッドを往復して黒い粉末を掻き出す。

操作担当人数が居る砲撃の時は毎回これをやった方が命中率が落ちにくいと感じたのだ。

次弾装填を行っている間、俺は着弾位置から砲身の仰角を調整する

照門の位置をロックボタンを押しながら上に1ノッチ上げる。

上下調整ネジを回し、砲口が少し上がって照準が的に合う位置にする。

左右の向きや砲身の傾きも微調整し、発射準備をする。


参考までに、40mm砲の撃発機構は火縄銃とほぼ同じだ。

ハンマーがあり、トリガーがあり、火蓋がある。

本来火蓋は火縄銃のハンマーが誤って落ちたり、ハンマー先端の火鋏から火縄が外れたりして火皿に触れて意図せぬ発射をしない様に火皿を覆うセーフティカバーだ。

発射寸前まで火蓋は被せておき、構えてトリガーを引く寸前に火蓋を外す事を「火蓋を切る」と言う。

魔道銃では火皿は使わないが、魔道線が出ている所を覆う様に動く部品を火蓋と呼んでいた。

構造も動きも目的も同じなのでこれでいいのだ。

他の人は語源も知らぬまま「ヒブータ」などと発音していたが。


照準が合い、火蓋を切ってトリガーの紐を引く。

轟音と共に的の4時6点の位置に穴が開くのが見えた。

4時とは時計の短針の向きで、右方向の少し下になる。

6点は中心が10点、的の縁が1点の間の等間隔同心円の円周の位置だ。

このベクトル系表現で的の命中箇所を表現する。

そしてさすがに40mmだ。

弾痕が大きいので遠くからでも弾痕がよく分かるな。


続けて3発撃ち、全て的の中に命中した。

この結果を踏まえて18人にはこれと同じ事が出来る様に訓練すると言う。

俺とザンド、デビッドの3人で1チームずつ手取り足取り教えていく。

3チームが2組あるので6回それを繰り返し、3周する頃にはある程度当たる様になった。

そのまま砲3門に対して2組が交互に撃ち、各砲20発撃ってだいたい満足する結果となった。

俺も同時に20発撃ち、ほぼ全てが命中した。


的を新しい物に交換し、今度は200m地点まで下がる。

3人で1門を押して100m移動する。

結構重いが、250kgと言えばリッターバイクと同じ程度だ。

砂利道相当の河原では少し条件が違うが、3人も居れば何とかなるのも分かった。

これで海岸の格納庫から海岸まで出すのも問題無いだろう。


撃つ前にまず砲身のクリーニングをする。

20発も撃つとそれなりにクリーニングロッドが通りにくくなるので命中精度にも影響するだろうからだ。

魔法兵がウォーターカッターで砲身内面の滓をこさぎ落とし、ハードクリーンで超音波洗浄で滓を浮かせて洗い流す。

尾栓を外すクリーニングは最後にやろう。


200m地点ではまず俺が前回の調整を思い出しながら撃ってみる。

微調整しながら3発目で的に当たった。

そこで散布界の中心を求めるべくそのままの照準で6発撃つ。

6発のばらけた中心を的の中心に合わせて再度6発撃つ。

だいたい全弾命中する様になった。


これと同じ事を6チームに3チームずつ交互にさせる。

これも30発撃つ頃には半分くらいは的に当たる様になった。

各砲の癖もあるだろうから担当は固定し、照準器の照門の位置や左右のわずかな振れも記録させる。

これで100mと200mの照準合わせと装填訓練が終わった事にする。


最後に尾栓を外して徹底的な砲身内部のクリーニングをし、魔法ドライヤーで温風を送って完全に乾かす。

尾栓を元通りにし、閂を入れてくさびを撃ち込んで終了とした。


各馬車の後ろに連結して護衛詰所まで持って帰る。

各砲には番号を書いた紙を貼り、各チームにも番号を振る。

1A、2A、3Aが同時に行動する。

1B、2B、3Bが同時に行動する。

Aの組とBの組は1週間毎にシラハマの港町の常駐を交代する。

交代はシラハマで行い、領都との往復は馬車を交互に使う。


うん、これでとりあえず何とかなったかな。

シラハマで砲を格納する小屋はマークに指揮を取ってもらって作ってもらおう。

ハンスを付けておけば現地の一番いい場所も分かるだろうしな。

発火魔石の供給もあるのでハンスも重要なメンバーだし。


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