220◇捏造撃退ストーリー
220◇捏造撃退ストーリー
===========================
その後は今回の海賊襲来とその撃退についてのストーリーを皆で話し合う。
とりあえず俺一人の意見だけでなく、広い視野での確認が欲しいからだ。
俺だけが考えると独りよがりになって見る人が見れば矛盾点が多々あるだろうしな。
「まず、最初の私の帰省時の盗賊の襲撃撃退について確認したいと思います。あの時は私、ザンド、デビッドの3人で魔拳銃を使って10人の盗賊を退けました。この時に使ったのは魔法で金属礫を撃ち出す杖という事にして領境の衛兵には言ってあります。これはそのまま進めて、魔道銃の短い物を作って使った事にしたいと思います。一応図案はありますので、ガーソンに2丁くらい試作を作ってもらえばいいでしょう。」
ピストルに相当する物で、連発出来る魔道銃が要るんだよな。
これは前世のペッパーボックスタイプの6連発銃を参考にしよう。
前装式なんだが、6連装シリンダー兼バレルを持ったパーカッション拳銃だな。
シングルアクションやダブルアクションでシリンダーを連動回転させて撃つ物だが、そこまで再現する気は無いのでシリンダー回転は手動にしよう。
確実だし、何より壊れにくい。
発射位置でクリック感を出す構造にしておけば手探りでも扱えるだろうし。
発火魔法陣を内蔵したハンマーもトリガーを引き切った時にしかシリンダー後部のミスリル線に触れない様にセーフティーバーをトリガーに連動する様に入れて、トリガーを引き切っていない時はそれが噛み込んでハンマーが少し浮く様にする。
前世のリボルバー拳銃の安全機構のハンマーブロックみたいなもんだな。
トリガー自体はシンプルにする為にシングルアクションにするが、トリガーのトラベルを長くする事でハンマーブロックを動かせばいい。
これでシリンダーを手動で回転させた時に勝手に発射される事を防止出来るな。
口径は12mmと、魔道銃の16mmよりも小口径とし、携帯性と反動抑制に優れる様にする。
銃身長が15cm程度とあまり取れないが、10m程度の至近距離での使用なら威力も命中精度も問題無いだろう。
以上の様な事を紙に書いて説明する。
これならこちらの技術のみで作れ、魔道銃より威力は減るが6発まで連射出来る様になる。
2丁持って腰の両側に吊るしておけば12連発になるしな。
あの時の盗賊10人相手なら2人で何とか対応可能だ。
3門の40mm砲が出来上がったら早速ガーソンに作らせる事にする。
父親も承諾し、俺に任せると言ってくれた。
とりあえず名称は「6連魔道拳銃」とする。
「では盗賊10人を相手にした時の武器はこれを使った事にします。次に海賊船相手の攻撃ですが、現在ガーソンが製作中の40ミル砲を私が予めシラハマの港町に配備していた事にします。この武器は重量が250サブタンもあるので付属の車輪で転がして動かすしかないほど重いものですが、1発当たりの威力は魔道銃の15倍くらいあります。有効射程距離も200サブキロムはありますので、海岸から灯台前の海の通路を通る海賊船に対して十分命中させる事が可能です。これは試作の40ミル砲を使用してここの河原の射場で確認済みです。」
「うむ。40ミル砲の威力と命中精度は私も確認した。これならマーティンの出したあちらの銃器を使わずとも海賊船は沈められるだろうし、その後の拠点制圧も先ほど話していた6連発の小型魔道銃があれば容易だろうしな。」
「では盗賊と海賊への対処はその方向で行ったという事でお願いします。40ミル砲と6連魔道拳銃の試作品は王都に持って行き、「商業者新規商品保護登録」をして正式に軍部と魔法団にも認識させます。それで威力も理解出来るでしょうし、何よりランバート領で製作可能なので軍部より注文が来る可能性があります。まぁウチの生産能力の問題もありますが、鍛造機と送風機がガーソン工房の人数分揃えば何とかこなせると思います。」
結局俺一人で決めてしまった様なもんだが、新たな武器「6連銃」の発想が得られたので良しとする。
これを元に原案を作って親父殿に報告書を書いてもらおう。
さて、あれから4日経ったのでガーソンから40ミル砲の準備が出来たとの連絡が来た。
マークが護衛から6人、領兵から魔法兵6人を含む12人を選出して護衛詰所で待機していたので伝える。
「マーティン様。シラハマ港町へ赴任する18名、揃っておりますのでいつでも出発可能です。」
いや、まずここで訓練だよ。
現地で訓練する訳にもいかないし。
「ガーソンからも40ミル砲3門が完成したと連絡があったので、まず河原の射場で砲撃訓練をしよう。王都に持って行く1門も別にあるので、ザンドとデビッドにも訓練をして欲しいしね。」
という事で砲兵18人と俺とマーク、ザンド、デビッド、ハンスが馬車に分乗してまずガーソン工房に行く。
「ガーソン、出来たって?」
「はい、マーティン様のご要望どおりに仕上げましたぜ。これも量産するのですかい?」
「いや、この3門と試作の1門で一応止めておくよ。今までどおり魔道銃の量産に戻ってほしい。だけどその前に作って欲しいものがあるんだよね。」
「え、魔道銃だけではないんですかい?」
「いや、魔道銃の一種だよ。この図を見てほしい。」
俺は先日書き上げた「6連魔道拳銃」の図面を見せる。
内部の構造図と動作を示す図も見せ、動きを説明する。
なぜこれが必要なのかも言う。
「なるほど、これがあると海賊を殲滅した事の説明が簡単になるんでやすね。」
まぁちょっと違うけど、まぁいいだろう。
そういう事にしておく。
「そうなんだよ。王都に対する報告書を父上が書くんだけど、なるべく納得し易い様に持って行きたいんだよね。だからこれをまず1丁作ってみてくれないかな。」
「わかりやした。これもそのうち量産するんでやすか?」
「いや、それは分からない。とりあえず試作に成功したら追加で3丁お願いするけど、それ以降は軍部の判断次第だね。」
追加の3丁はシラハマの港町に行く砲兵の護衛3人に渡す。
同時に魔道銃も3丁渡し、領兵に持たせる。
これで40mm砲で対処しにくいところでも対応出来る様になるだろう。




