219◇開発業務
219◇開発業務
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「マーティン、その功績であの鍛造機と送風機を作ったと言ったな。しかも今後増産して我が領に職人の数だけ揃えてくれるということだったが、その費用は本当に材料代だけで良いのか?後で何か我が領に国軍から請求されたりはしないのか?」
「ご心配には及びません。中将とは既に次の構想に向けて走り出しており、そこも私の案が中心になって進む予定です。なので国軍は私に対して常に敬意を払って接してくれていますし、材料費だけというのも中将の承認で保証されています。」
まぁ情報局にとっては安いもんだろな。
材料費だけ負担させれば新たに開発した物が優先的に作れる権利が手に入るのだ。
もちろん物自体の権利は発案者の俺が持っているので使用料は払って貰うが、軍機に関わる物なら囲い込みも自在だもんな。
「なるほどな。あの鍛造機が入ってから魔道銃の製作効率が格段に上がって体力的にも楽になったとガーソンが言っていたぞ。結果的に我が領にも貢献しているという事だな。」
「まぁそうですね。海賊襲来というイレギュラーがありましたが、これも40ミル砲という新兵器を作るきっかけになりましたし。これを使う事で今後は私の出す武器に頼らずに海賊を討伐可能になりますので、大手を振って王都に報告出来ますね。」
そのシナリオの叩き台を作るのは俺なんだけどね。
さて、今後の事をどう言おうかな。
中将に全国航空連絡&郵便網の話はしたがまだ構想段階だし、なによりそれに使う3座機の貨物版をどうするかが決まっていない。
地方の滑走路整備の問題もあるし、一番重要な国内法で航空法を新設するという難題も全くの手つかずだろう。
この場では将来的なふんわりとした構想とだけ話しておこう。
「さて、王都では魔道エアクラフトを使って新たな構想が出ています。長距離を短時間で飛べるという特性を生かし、王都と各領都間を頻繁に往復する定期便ですね。国軍が主体でこれを運用する事により、地方の状況把握が迅速に出来る様になり、隣国による侵攻や今回の様な海賊などの攻撃、他国の破壊工作、自然災害などの情報が王都にすぐに伝わり、応援や救援が即座に出来る様になります。また、この定期便の余剰能力を使って、一般の郵便が割増料金は要りますが、ほぼ伝書鳩便並みの速度でやりとり出来る様になります。また、伝書鳩便と違って確実に届き、送れる量も各段に増えるという事が大きなメリットですね。」
「それは素晴らしい構想ですね。いつ頃実現するのでしょうか?」
気が早いな。
マークは軍部の情勢がかなり気になる様だ。
「まだ構想段階なので解決しないとならない事が多々あります。まぁ実稼動するのは数年後でしょうね。」
それを聞いた皆はがっかりした表情をした。
親父殿が一番がっかりしているな。
領主として伝書鳩便に限界を感じているのだろう。
出来る事なら俺に毎週飛んで帰って来て欲しいんだろうな。
可能だけどやらないぞ。
面倒だし疲れるし。
まぁ特例とテストケースとして王都-ランバート領間の定期便は考えているから近いうちに飛ぶだろう。
この場では言わないが、こうご期待だな。
「それ以外にも色々な構想が進んでいます。地上を走る馬車に代わる馬を使わない乗り物や、海の上をオールも帆も使わずに高速に進む船など。いずれも私の原案で動いていますので、王都に帰ったら情報局や魔法団に取っ捕まるでしょうが。」
魔法団ののじゃエルフ団長が俺を監禁するかもしれないな。
あれだけ焚き付けておいたので積もる話が山ほどあるだろう。
まぁ中将を盾にして何とか凌ごう。
「今のところこれくらいですね。私自身の構想段階の物はかなりありますが、まだ誰にも言える段階ではないので省略します。何年か後には実現しているかもしれませんが、状況によっては不可能な場合もありますので。」
「我々の不満に思っている事や、市井からの困っている箇所などはお伝えしても良いのでしょうか?」
ハンスが要望を出して来る。
こういう事はハンスくらいの立場じゃないと言いにくいんだろうな。
「勿論だよ。どんな事でもいいので、紙に書いて説明も添えておいてくれれば目を通して検討はするよ。僕自身が思いつかなかった事も色々あると思うからね。」
予め質問の内容のテンプレートみたいなのを作っておこう。
今こうやっていて、こういう不便なことがあって、こうなると楽になって、楽になる方法を知りたい、など。
現状と不満と希望と手段だな。
「さて、質問はありますでしょうか。」
「その海の上をオールや帆を使わずに進める船なんですが、これはいつ頃実現するご予定でしょうか?これからシラハマの港町に海賊対策をしてくださると思いますが、それに組み込んでいただくと大変助かるのですが。」
やっぱりその希望が出たな。
今までのオールと帆だけではあまりにも遅くて敵対者が居た場合に逃げ切れなかったりするからな。
救助に向かう場合も時間がかかると襲われた後で逃亡されたりするしな。
「これはここでは作れませんので、王都に帰ってから軍部と相談して早急に作る様にします。まず先日拿捕した海賊船を綺麗に清掃して、それに積める様に考えます。これが出来れば大きな海上戦力になるでしょうね。船首に40ミル砲を積んでもいいですし。」
両舷側に大砲を並べるとホントに物語の海賊船みたいになるな。
まぁ40mmなんで砲と呼べるほど威力は無いが。
それからしばらく話し合っていた様だが、今すぐには質問や要望は思いつかない様なので、質問は紙に書いてもらう事にした。
「では今回はこれくらいにしたいと思います。質問や疑問はまずご自身で紙に書いてもらえますでしょうか。それから私か父上に渡していただければ確認して回答させてもらいます。」
ふぅ、一応主要メンバーには俺の秘密をある程度共有出来たんでこれからはあまり気を使わなくても良くなるな。




