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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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218/238

218◇偵察業務

218◇偵察業務

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「それから暫くは隣国軍に動きは無かったのですが、少し経って駐屯地から伝書鳩便で越境して来たとの連絡がありました。越境して来た主力部隊以外にも領民からの不審者発見情報で国境付近に敵遊撃部隊が複数潜んでいる事も分かったんですね。そこで私とデビッドは情報局に呼び出され、既に情報局の飛行隊が現地を飛んでいるんですが敵が見つからないらしいんで、そこを何とか索敵して欲しいと言われたんですよ。それで国軍の魔法兵で探索魔法に優れている者を少し訓練して、地上の人間の魔力を明確に探知出来る様にしたんですよね。昼間に飛ぶとすぐに敵に見つかるので夜間飛行ですね。これで500サブキロムくらいの高度でエンジン出力を絞ればかなり静かに飛べて、地上の敵兵に気ずかれずに地図に記入していけるんです。」


「夜間で全く目印が見えないのにどうやって飛んでいたんですか?」


ハンスがごもっともな質問をする。

でもハンスなら分かると思うんだけどな。

まぁじらしても意味ないのでさっさと答えを言おう。


「それは地図に領民と家畜の登録情報を書き込んで貰ったんだよ。あと、地面に居る鳥や虫の魔力も薄ら見える様に訓練してそれの密度や配置パターンで位置と高度を的確に報告出来るまでに魔法兵を訓練したんだよね。これで地図に書いたパターンに無い魔力集団があったら敵兵と分かるでしょ?」


「すごいですね。私も探知魔法はある程度使えますが、到底そんな真似は出来ませんね。」


「うん、魔法兵でもその人は若いんだけどすごい能力の持ち主で、国軍の通常業務でも引っ張りだこみたいだったね。」


そうなんだよ。

リンダ軍曹に匹敵する魔法兵はまだ見つかっていないんで、他の魔法兵は訓練して精度を上げるしか無いんだよな。

やっぱり魔道具のパッシブソナーは必要だな。

そこまで行かなくとも魔力増幅器があればいいかな。

そうだ、ゴーグル型かヘルメット型にして、ある程度指向性を持たせた状態で向いた方向の魔力を増幅出来る様にすれば良いか。

前世の暗視ゴーグルや赤外線熱検知ゴーグルみたいなもんだな。

王都に帰ったら早速団長に聞いてみよう。


「話しを続けると、その探知能力に優れた魔法兵を後ろに乗せて、国境沿いをある程度の幅で端から端まで塗りつぶすように飛んで探知してもらったところ、数日間で5箇所くらいの敵潜伏部隊の所在を確認出来たんだよ。その場所は見つけたらすぐに駐屯地の司令官に伝え、翌朝討伐隊が向かって片っ端から殲滅して行ったよ。人数を報告してその数倍の人数で行ったので確実に殲滅出来たみたいだね。」


「その潜伏していた敵の人数ってどれくらいなんですか?」


「1箇所当たり多い所で20人、少ない所で10人くらいだね。潜伏していた部隊は敵側の何らかの合図で敵主力部隊の攻撃に合わせて背後から国軍の弱い所を襲撃して崩すつもりだったみたいだね。それを予めあらかた潰しておいたんで残った数組はたやくすく各個撃破出来たみたい。それもあって、敵の主力部隊も無事撃退出来たんだよ。」


「国軍の人数はどれくらいだったんですか?」


「国軍側はだいたい500人くらいだったそうだ。だけど潜んでいた敵の部隊は合計すると100人に近い人数だったので、これが一斉に背後から国軍を襲うとたぶん規律が破綻して総崩れになり、負けてただろうね。」


「マーティン様はそれを救った訳ですね。ものすごい功績じゃないですか!」


「うん、後で詳しい報告をして情報部の中将には大いに褒められたけどね。あ、ちゃんと報酬に相当するものは貰っているよ。今後は軍部工場の資材を自由に使って新たな魔道エアクラフトを好きに開発出来る権利を貰ったんだ。それ以外の物も有用なら作っても良いと言われ、僕が個人的用途に使うこと限定で、国軍に材料の実費だけ払えば持って帰ってもいいことになったんだ。今回持って帰った鍛造機2台と送風機4台がまさにそれだね。」


「マーティンよ、そんな経緯があったのだな。だが国境での功績に対してそんな報酬で不満は無いのか?」


「いえ、これ以上私の名前が有名になってしまうとまともに街中を歩けなくなってしまいますし、何より我が国に潜伏している敵の諜報員に誘拐される可能性もあります。そこで功績は情報局が請け負ってくれる事になりまして、報酬として軍部工場の自由裁量権を貰ったんですよ。あ、これ凄い事ですからね。予算は使い放題で、軍部工場の機材と人員を私が好きに指示出来るって事ですから。」


「なるほどな。金銭的な物を貰っても今のお前ならあまりありがたく無いという訳か。それよりも作りたい物を好きに作れる環境を手に入れたという事の方がよっぽど重要という訳だな。」


「そのとおりです!今でも次から次へと新しいアイデアが湧いて来ていますので、それを指示するだけで具現化出来る環境というのは私にとってこれ以上無い報酬なんですよ!」


あれ、全員引いてるな。

やっぱり理解してくれないか。

普通は金銭や名誉や領地だもんな。

それを工場の使用権だなんて形の無い物を貰って喜んでいるんだ。

まぁ学者が王宮図書館を自由に閲覧出来る権利を貰ったら小躍りして喜ぶのと似ているかなと言ったら、更に引いてたな。


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