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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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215/230

215◇危機管理講習

215◇危機管理講習

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次の日の午後、マークから呼び出しがあった。

護衛詰所に行くと、マークと6人の護衛が集まっていた。


「マーティン様、護衛の中からシラハマへの1週間毎の赴任の希望をしたところ、10人が手を上げました。その中から射撃の適性がある6人を選んでここに連れてきております。」


「ありがとう。ではその6人に昨日説明した任務内容を説明してくれるかな。」


もう面倒なんで丸投げ出来るところは片っ端から投げよう。

本来俺は学園の生徒なんだぞ。

いつまでもこっちに居ると思うな!


「承知しました。領兵の方もこちらでやっておいて構わないでしょうか。」


「父上にはその件も話してあるけど、念のため領兵に対する指示書を貰っておいて。」


「そうですね。領軍との要らぬ軋轢を生む前に命令系統をしっかり指示していただくと助かります。」


うんうん、マークも分かって来た様だな。

ハンスも自立方向に動き始めているから何とかなるかな。

あ、でもガーソンに直接指示する者が居ないな。

うーん、これはマークとハンスの合議で決めてもらおう。

今までは俺が全て決めていたが、これからは自主的に動いてくれないと突発事項が発生した時に対応出来ない。

今回の海賊騒ぎも最初の2隻はそこに居合わせた偶然だけど、次の3隻襲来の対処から拠点襲撃まで全て俺が仕切ったしな。

まぁバレットM95と89式ありきの作戦だけど、モノは既に護衛に渡しているのだからやろうと思えば自分達だけで出来るはずだ。


ぶっちゃけ、全員に危機感が足らないのが一番の原因だな。

今まで100年以上太平の世を過ごしていたのだろうから分からんでもないが、実際に隣国からの越境攻撃もあったし、上位魔獣も出たし、海賊もちゃんと出た。

ついでに帰省途中に盗賊団も出たし。

これ、全て俺が居なかったら今頃どうなってたか分からんぞ。

うーん、どうしたもんか。


とりあえず、親父殿とマーク、ミラー、ザンド、魔法組3人、ハンスには危機管理講習をやるか。

この8人にはこの国の現状をしっかり把握して貰わないと先が思いやられる。

この際だから俺が王都でやって来た事もこの8人に全て話して共有してもらおう。



マークと話し終わってすぐに親父殿の部屋を訪問した。

メイドには出て行ってもらって膝をつき合わせて話す。


「父上、どうもこの領内の上層部の人たちは危機感が足らない様です。失礼を承知で言わせていただければ父上もです。」


「そんなにか。それはお前が自分自身だけで解決して我々に言っていない事もあるのではないか?」


「そのとおりです。私が王都で色々やって来た事は新聞記事に少し足したくらいしか言っていませんでした。それは領内に要らぬ緊張感を与えない様にと思っての事でしたが、こう立て続けに危機が訪れるとそうも言っておられないと思いまして。」


「では具体的にどうする?お前の今までに感じた事を全て話してくれるのか?」


「はい、その様に思っています。ただ、文書にするとどこから漏れるか分かりませんし、口頭だけにさせていただきたいと思います。ついてはマーク、ミラー、ザンド、魔法組の3人、ハンスの7人に父上と私の9人で意思統一の会合を持ちたいと思いますがよろしいでしょうか。」


「うむ。それは是非やってくれ。そうだな、明日の午前中はどうだ。場所はここの談話室で良かろう。」


「はい、それでお願いします。時間は午前10時とし、先程の7人には私の方から伝えておきます。」


うん、親父殿の了承が出たので一歩前進だな。



次の日の午前10時、昨日連絡しておいた7人と親父殿と俺が談話室に集まった。

メイドが2人全員にお茶を出して退席する。

談話室の前には誰も近づかない様に言っておいたので漏れることはないだろう。


「お集まりいただきましてありがとうございます。この集まりは私が王都でやって来た事、今まで言わなかった事、これからのこの領でみなさんにやって欲しい事を順番に言いたいと思います。」


「皆の者、マーティンは1年半前に馬車の事故で記憶を失っている事になっているが、実は異世界の別な人格と入れ替わっている。但しマーティンのこれまでの12年間の言語学習の結果はそのまま引き継いでいるので、会話は最初から普通に出来ていた。しかし、会話以外のこれまでのマーティンとしての記憶はまるで無いとの事なので、最初の数ヶ月でこちらの風習や学習すべき事は家庭教師と共に非常に頑張って馴染んでくれた。今ではここに居るマーティンは本当にマーティンだと思っている。皆も同じ様に接してほしい。」


マークやザンド、デビッドは既に感付いていた様だが、他の人は少し驚いていた。

おいおい、それくらいの事じゃないとあれだけの実績はどう説明するんだよ。

ただの地方領主の次男坊がいきなりスキルで見たこともない強力な銃器を出したり、魔道銃の開発や王都での空飛ぶ機械の開発などが出来るわけないだろう。

まぁこの機会に納得してくれたら今後やりやすくなるから親父殿のこの説明はありがたい。


「今、父上から言われた様に、私の記憶は異世界の男のものです。銃や空飛ぶ機械に関する知識もそちらで得たものです。スキルに関してはなぜ使える様になったかは私自身にも分かりませんが、徐々にランクが上がって出せる物も増えている様です。皆さんが大好きなカップに入ったスープパスタもこれで出せる様になりました。」


同時にカ○ヌをテーブルの上に召喚すると、ちょっと笑いが起きる。

続けて缶詰も2個とペットボトル水も出す。


「これだけで飢えずに済むんですがね。」


更に笑いが起きる。

よし、掴みはOKだな。

これで異世界から来たという違和感は薄れただろう。


「ではこれから私の居た世界と、私がこれまでこちらでやって来た事をお話しします。」


俺は皆を見渡して自分の居た世界の事や、王都でやって来た事を語り出した。


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