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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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214/230

214◇発火魔石増産

214◇発火魔石増産

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さて、マークに丸投げしたから後はガーソン工房から3門上がって来るのを待つだけだな。

そう言えば発火魔石はどうなんだろ。


「ハンス、発火魔石の供給状態はどうなってるの?」


「元々魔道銃用に大量に作る方法を模索していまして、今まではハンマーで砕いてすり鉢ですり潰していたので効率が悪かったんですよ。それで同じ様に粉を作っている小麦商にどうやっているのか聞きに行ったところ、水車を動力とした大きな石臼で小麦を挽いて小麦粉にしているという事を知りまして。それで古くて効率が落ちて使わなくなった水車臼が空いているという事で使わせてもらう事にしたんですよ。もちろん領主様には報告済みです。」


「なるほど。それでどれくらい効率が上がるの?」


「すり鉢でやっていた頃は1日で200ミルタン作るのが精一杯でした。木炭も粉にしないとならないのでそちらも似たような量で200ミルタンくらいになり、合わせて1日400ミルタンの発射薬製造になります。」


「それでも結構すごいね。400ミルタンあれば魔道銃が40発以上撃てる。あ、でも40ミル砲に使うとその15倍の量だからたったの3発か。」


「それが水車臼を使わせてもらう様になってから1日に5サブタンは発射薬として作れる様になりました。


参考までに重量の単位は以下の様になっている。

1サブキロム立方の水=1タン≒1t=1000kg

1タン=1000サブタン

1サブタン=1000ミルタン

1サブタン≒1kg

1ミルタン≒1g


魔道銃が1発あたり9g使うから9ミルタン。

40mm砲が1発あたり15倍の135g使うから135ミルタンになる。

5サブタンという事は40mm砲37発分という事だな。

小麦に比べて発火魔石は固いのでそれくらいなのは分かる。

それでもすり鉢で砕けるくらいだから石臼でも十分挽けるんだろうな。


「でも私の所で発火魔石を買い占めている様になっているので価格がだんだん上がっているんですよ。それに採掘がそろそろ追いつかなくなる様な事も採掘屋が言ってましたね。」


採掘屋は採掘された魔石を扱う商人で、採掘者は実際に魔の森に採掘に行く者達だ。

雇用関係は無いが、相互依存しているので関係は悪くはない。


「発火魔石は魔の森での採掘だったよね。常に護衛が要るからそれも含めると間に合わなくなるのか。うん、これは父上に言って介入してもらおう。今は護衛は冒険者にやってもらっているんだっけ?」


「そうですね。その様に言ってました。採掘者が居ても冒険者の護衛の手配が追いつかないと行けないと嘆いてました。」


「その護衛を領兵で肩代わりしよう。その代わり、採掘屋にはハンスに卸す時の単価をかなり勉強する様に圧をかけてもらうよ。」


「それならいいですね。あと、ずっと私が発火魔石の面倒を見るのは辛いので誰か専任を割り当てていただくと助かるのですが。」


確かに。

今までハンスに丸投げしていたが、元々ハンスは魔術治療師という本業がある。

たまたま最近怪我や病気をする者が少なかったので手が空いていてやってくれていただけだ。


「ハンスが仕入れている採掘屋なんだけど、小麦商とも同時に掛け合って発火魔石を粉にして納品してもらえないかな?」


「うーん、それは難しいですね。ご存じの様に発火魔石の粉末はその粒子の大きさで発火速度が大いに異なります。今は私の目分量とサンプルの発火の具合で調整していますが、それを外部の者に一律にやらせるのは厳しいかと。」


「でもそれをやらせないとハンスは永久に粉挽き職人から逃れられないよ。最初は失敗してもいいから、受け入れ検査を厳重にする事で徐々に品質を上げて行ってもらえばいいと思うよ。失敗分の損失は僕が引き受けるから心配しないで。」


「それならする事に異論はありません。早速採掘屋と小麦商に聞いてみます。もしもっと量産する事になれば水車臼を増やす事も考えないとならないかもしれません。そちらの方も聞いておきます。」


「うん、よろしく頼むよ。発火魔石粉の需要は王都の軍に魔道銃が普及しだしたら格段に増えるだろうからね。」


早速父親の部屋に行き、発火魔石の採掘状況を聞く。

発火魔石は魔の森の鉱山に産出し、採掘屋が冒険者を雇って新しい鉱山を見つけたら採掘権はその者の物になる。

掘って売るのも値付けも自由で、税金として3割納めれば掘る量に制限も無い。

採掘権を持って掘り進め、ある程度の規模の鉱山になると採掘者を募集して自分は採掘屋となって商いをする様になるとのことだ。

但し、需要がほぼ軍部に限られているのと、市場に出しても一部の冒険者が魔獣の罠に使うくらいでそれほど売れる物ではない。

しかも冒険者が使うにしても免許の様な物が必要になり、扱える者はかなり限られているとのことだ。

前世の危険物取扱者免状や火薬類保安責任者みたいなものだな。


軍部にしても敵陣焼夷戦で使うことを前提とした訓練で消費するだけなので、冒険者よりは使う量は多いが多数の採掘屋が存在出来るほどではないので、採掘屋の数は未だに少ないそうだ。

昨今、ハンスの所からかなり多くの発火魔石の発注をしているのだが、採掘者に付き添う護衛の冒険者不足で十分な量が確保出来ない。

そこで領兵を護衛として割安で採掘屋に同行させて、発火魔石の採掘量を増やす事は出来ないかという相談をした。

護衛が割安に雇えれば採掘者も増えると思うので供給が安定するとも言う。

父親はその話を聞くなり何やら書面を書き、メイドに執事を呼ばせてこれを兵長にと言って渡していた。


「今の話は私も少し前から考えていた事だった。ハンスの状況も今聞いたので早速領軍に指示書を出したぞ。」


「ありがとうございます。発火魔石の粉にする加工は今はハンスが本業の横でやっていますが、これも採掘屋の方に移管出来ないか、ハンス自身に聞いてもらっているところです。増産するとハンス一人では到底処理出来なくなりますし。」


「そうだな。今は魔法が専門という事でハンス1人にやらせていたが、外部業者に依託する事は賛成だ。しかし外部業者にやらせて品質は安定するのか?」


「その点はハンスも懸念していました。初期に何回か失敗はするでしょうが、その損失は私が肩代わりすることにしましたので、ハンスには受け入れ検査を十分にやって貰う事で外注化を進めて貰う事にしました。」


「うむ、それならこの件はお前とハンスに任す。進捗だけ報告してくれ。」


「分かりました。増産と品質が安定するまで逐次報告いたします。その後の私が王都学園に帰った後はハンスが全て仕切る様に言います。」


まぁハンスも本業がそんなに忙しい訳でもないので発火魔石責任者はぜひやってもらおう。

逆にハンス以外にやらせると品質の安定性が犠牲になって暴発事故とか起きそうだしな。


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