213◇戦果偽装作戦
213◇戦果偽装作戦
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さて、疲れた表情の親父殿と一緒にダイニングに行き、昼食を食べる。
座ると同時に妹に炭臭いと言われる。
午前中の試射でちょっと疲れていたし、昼からもガーソン工房に行くからこのままでカンベンしてもらう。
昼食後に先ほどの3人とガーソン工房に行く。
とりあえず試作砲のメンテをしておかないとな。
ガーソン工房は昼休みであちこちで弟子達が飯を食ったりしゃべったりしていた。
「ガーソン、今日の試射はこれくらいにしておくよ。父上もこれがどの様な物かは分かったみたいで、一応満足してくれたみたい。」
「あっしも自分が作っている物がどんなもんかを見られたので満足しました。あれは作るのは出来ますが、使うのは無理ですね。」
まぁ戦争の道具だし。
武器職人や武器商人の人が実戦をしないのと同じかな。
工房の片隅を借りて試作砲のメンテをする。
棒でこそぎ取って、高圧水流で削って、超音波で引き剥がす。
すっかりメンテルーチンになったな。
最後にウィンドにファイアを少し混ぜて温風にして乾かす。
すぐ撃つのなら拭くだけで良いが、撃たずに保管するのなら十分乾かしておかないと錆びるしな。
ガーソンに3門が仕上がった後に、試作砲の照準器も作ってくれる様に言う。
仕様は3門と同じにする。
王都に持って行くのにまともな照準器が付いていないと格好悪いしな。
3門が出来たら河原に4門並べて一斉に照準器合わせと訓練をしよう。
一旦屋敷に戻り、護衛詰所に行ってマークを呼び出す。
詰所のテーブルに紙を広げて今回の海賊討伐の経緯と今後の対策を話す。
全部は覚えられないだろうから要点を書きながら説明する。
「今回の海賊退治は実質僕の出す魔強銃と魔長銃だけで片を付けたんだけど、これが対外的に非常にまずいのは理解してくれていると思う。それで今ガーソンの工房でそれに変わる武器を作って貰ってるんだ。」
「マーティン様、それは我々も十分に理解しています。以前の上位魔獣の討伐の時も何とか誤魔化して無理矢理収めさせました。あれは自然からの脅威で、我が領にしか発生しない物なので如何様にも言えるというのが大きかったですね。しかし今回の海賊は相手が人で、海岸沿いならどこでも発生する可能性がある。しかも海賊も複数あると想定され、今回討伐した後にその座を狙って縄張りを奪いに来るかもしれません。それを今後はマーティン様抜きで何とかしないと他国との貿易に差し障りが出ますね。」
「そうなんだよ。だから海賊船を直接沈められる新しい武器が必要なんで、それ用に今回新たに作ったのが40ミル砲というわけなんだ。まず今回僕たちがやった事を簡単に説明するね...
俺が出した魔強銃で海岸から200サブキロムの距離から撃って最初に2隻、次に3隻全て沈めて全員捕縛した。
3隻沈めた後に中型漁船をチャーターして護衛10人に魔長銃を持たせて海賊拠点を急襲し、全員捕縛して海賊は壊滅した。
拠点にあった残り1隻の海賊船も曳航して持って帰ったので、海賊拠点は現在無人である。
という事なんだけど、これをそのまま報告する訳にはいかないから色々小細工をするんだけどね。」
「小細工とは、具体的にはどの様にするのでしょう?」
「今回のこれを40ミル砲と魔道銃だけでやったことにしたいんだよ。これは父上の意向でもある。まず僕が報告書の下書きを作る事になってるんで、これから実際に40ミル砲と魔道銃だけで今回と同じ事が出来る様に装備と人員を配置するよ。実際に配備して実力が伴えばそれでやった事にしても嘘にはならないよね?今回これを出来るだけ早くシラハマの港町に持って行きたいんだ。」
とりあえず40ミル砲は3門とし、これを練兵場の向こうの河原の射場で試射と砲撃訓練をする。
1門につき護衛1人、領兵2人でチームを組んでもらい、砲の装填は領兵2人で、照準と発射は護衛が責任を持ってする。
この3人チームを2チーム構成して貰い、こちらで訓練する。
人員は護衛部隊から6人、領兵から12人を割り当ててもらう。
領兵は1門につき魔法兵を1人割り当ててもらいたいので全部で魔法兵は6人必要になる。
理由は発射音の減音の為のウィンドエバキュレーター発動と、砲撃後の砲の清掃に魔法が必要な為。
護衛は魔法が使える必要無し。
その代わり照準と射撃に全て責任を負う事とする。
河原の射場での訓練後、シラハマの港町に派遣する場合は2チームを1週間毎に交代する様にする。
「という具合に人を配置したいんだよ。マークに人選をお願い出来ないかな。領兵の分もやって欲しいんだ。」
「承知しました。40ミル砲が3門あれば次に海賊が攻めて来ても海岸から砲撃すれば撃沈出来るという訳ですね。魔道銃はどうします?」
「魔道銃も領兵に訓練を付けて5人程度シラハマに送り込んで欲しいんだよ。交代制にするなら訓練は10人かな。どっちみち領兵には全員魔道銃を使える様にさせるつもりだったんで、それが早まるだけだね。」
「それでしたら使える魔道銃は護衛の方で持っている5丁だけなんで、これを譲る形にしても良いでしょうか?」
「仕方ないね。とにかく今はシラハマの港町に実際に使える戦力を持たせる事が最優先なのでそれもお願い。」
うん、これでマークに丸投げした。
40mm砲の訓練は俺がするが、ザンドとデビッド、ハンスも照準を含めて扱える様になってもらおう。
試作砲を王都に持って行った時にザンドとデビッドにやって貰わないといけないしな。




