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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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212/231

212◇40mm砲練度向上2

212◇40mm砲練度向上2

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砲身内部を洗浄する為に尾栓の閂のくさびを外し、閂を抜いて尾栓を工具で外す。

先に砲口から水をたっぷり流し込み、ガーソンから貰った堅い木のクリーニングロッド?を砲口から突っ込んで砲身内面の煤をガリガリとこそぎ取る。

最初は尾栓まで通らなかったが、何回か突くとかろうじて通った。

今度は尾栓側からロッドを差し込む。

この尾栓のネジの内径はガーソンに無理を言って40mmよりも大きくしてある。

それで完全に40mm径で貫通しているのだ。

なので尾栓側からでも同じツールで掃除出来て便利なのである。


クリーニングロッドは木製なのであまりガリガリやるとロッドの方が痛んでくる。

そこでハンスのウォーターカッター洗浄の出番だ。

これで更に煤が削れて下になっている口からボロボロと黒い欠片が出て来る。

砲口を上にして砲口から噴射して洗い、尾栓側を上にして尾栓側から噴射して洗う。

特に尾栓のネジ周辺からはごっそりと煤の黒いリングが剥がれ落ちた。


最後に尾栓を閉じてデビッドのハードクリーンで超音波洗浄をする。

これを5回ほど繰り返し、そこそこ砲身内部の地肌が出て来たので良しとする。

現場ではこの程度の洗浄が限界だろうからな。

領兵に魔法兵を1組当たり3人以上入れておく必要があるだろう。

発射時にウィンドエバキュレーターも発動させたいしな。


「綺麗になったところで、再度撃っていこうか。誰か的を替えてきてくれない?」


俺が新品の的を2個出すとデビッドが両手に持って小走りで替えに行った。

まぁ役職という面では一番下っ端相当なので仕方ないんだろうな。

ハンスは本来魔術治療師なので別格だし。


的が新品になったので右の的から狙っていく。

散布界の中心が的の中心になる様に照準器をバックストップの目印に合わせ、狙いは動かさずに20発撃ってみる。

撃つと反動で砲全体があとすざりするので狙いを毎回合わせ直すのが面倒だ。

そのうち砲身に駐退機でも付けよう。

スライドレール4本で砲身だけが前後する様にし、反動は板バネとワイヤーの組み合わせで抑える。

ダンパーとして馬車のサスに使うフリクションタイプを付けておけば暴れはしまい。

うまく働けば素早く連射出来るようになる。


砲撃結果は10発までは的を中心に1.2mくらい、20発撃ち終えると1.5mくらいにばらけていた。

そのまま左の的に狙いを移し、同様に20発撃ってみる。

10発までは1.7mくらい、20発で2mくらいに散布する様になった。

やはり砲身内の汚れが如実に命中率に影響するな。

でも200mで2mの集弾率なら、ライフリング無しの丸砲弾でなら上等の部類だろう。

海賊船の横っ腹に直径2mの範囲で弾痕が開けられる事になる。

喫水線を狙えば半分は水面下の船体に当たるという事だから悪くはない。

砲弾の重量があるので100mに比べてさほど威力も落ちまいし。

さすがに50cm四方の縦方向に10枚重なった土板を200mから撃って当たる気はしないので試さない。

第一、ゆるい放物線を描くので真っ直ぐ当たらないだろうな。

そのうちシラハマで仕留めた海賊船相手に試してみよう。


そう言えば父親とガーソンの事をすっかり忘れていた。

あわてて声をかける。


「父上、200サブキロムの距離から撃っても実用的な命中率になりました。これなら海賊船に対して有効な打撃を与えられると思います。」


「ああ、そうだな。これはすごいものだ。だが私にはどう扱ってよいか分からぬ。マーティンに一任するからシラハマの防衛体制を整えてはくれぬか?」


あれ、元気が無い。

ガンガン撃ってると音に麻痺しちゃって思考能力が落ちてるみたいだな。

これはこれ以上付き合ってもらうとちょっとネガティブになりかねない。

今日はこれで引き上げる事にする。


「父上、今日の訓練はこれくらいにしておこうと思います。次は今ガーソンに作らせている3門が仕上がったらそれに対応する兵員と共にここで訓練したいと思います。」


「うむ、分かった。後の事は任せるぞ。」


父親はそう行って馬車に乗り込んで座ってしまった。

ガーソンはさほど疲れた様子は見せていない。

まぁ一日中鉄をガンガン打っている中で働いているので、40mm砲の音くらいでは何とも思わないのかも。


俺達は素早く40m砲を馬車の後ろに括り、周辺部材を俺のストレージに放り込んで来た道を引き返す。

途中で2個の的も回収する。

今日の200mでの収穫だな。


途中でガーソン工房で試作40mm砲を外し、ガーソンに預けて後でまた来ると告げて屋敷に戻る。

親父殿は耳栓を取り忘れていた様で、紐を引っ張って耳から抜けると驚いた様な顔をしていた。


「父上、今日は40ミル砲の訓練に同席していただきありがとうございました。この様な取り扱い方で遠方の敵を倒す武器で、魔道銃以上の威力があります。これを国軍情報局のロナルド・モーガン中将に紹介したいと思います。これによって今まで海賊を下していた理由が付けられます。先ほど撃った試作機を王都に持って行き、国軍に公開したいと思いますがよろしいでしょうか?」


「うむ。そうしてくれ。海賊の撃退に関する報告書も書かねばならぬのでまずお前が下書きをしてくれぬか。もちろん、先ほどの40ミル砲を使った対処方法で頼む。」


「承知しました。まず3門の40ミル砲をシラハマに既に持ち込んでおり、それで対応したという事にして下書きを作成します。数日中には書き上げてお持ちしたいと思います。」


「うむ、頼むぞ。我が領の未来がかかっているので慎重にな。」


それはもちろん。

何せ俺がスキルで出す銃器の隠蔽なのだ。

俺がしないでどうする?


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