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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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211/231

211◇40mm砲練度向上1

211◇40mm砲練度向上1

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初弾を撃った後、馬車の方を振り返ると親父殿が尻餅をついていた。

よっぽど驚いたんだろうな。

ガーソンはそんな父親の背中を支えている。


40mm砲の発射は腹に響く。

ズドンという表現がぴったりだ。

音だけで無く、空気の振動も衝撃波として伝わって来る。

だから馬車の陰に隠れてろと言ったのに、身を乗り出して見ていたらしい。


「父上、大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」


耳栓をしているので大声で尋ねる。


「だっ大丈夫だ。気にするな。ちょっと油断していただけだ。」


親父殿は素早く立ち上がり、尻の土を払って取り繕う。

俺も気がつかないフリをして別な理由をでっち上げる。


「ここは河原なので丸いごろごろとした石が多いので私もたまに足を取られてこけるんですよ。靴によってはかなり歩きにくいのでなるべく靴底が山歩き用の物を履くようにしていますね。」


実際、俺は貴族用の小洒落た底が平らな靴が嫌いなので、いつも軽登山靴っぽい底の滑り止めのある物を履いている。

王都の靴屋で特注して見た目だけは貴族用のに寄せてあるが、中身は完全に軍靴だな。

そのまま魔の森でも縦断出来そうな造りをしている。


「そ、そうか。場所に応じた靴というのがあるのだな。以降気をつけよう。」


うん、これで親父殿が尻餅をついたのは靴のせいに出来たな。

決して驚いたからではない。


「今のは距離100サブキロムで撃ったものです。昨日狙いは合わせていましたので的には当たっているはずです。」


双眼鏡を出して確認し、親父殿にも見せる。

右の的の下の方に当たっていた。

発火魔石の量が微妙に足らなかったのかな?

こればっかりは自然石の発火魔石をどこまでコントロール出来るかにかかっているので、ハンスの腕の見せ所でもある。

そのうち定量的に威力を測定出来る様な器具を作り、威力をパーセント表示出来る様にしたい。

それを元に一定の初速を出せる様に発火魔石の使用量を割り出す換算表も作りたい。

威力が完全に均一化されれば少々距離が空いても弾道は一定になるので訓練で命中させる事が容易になる。

逆に初速が揃っていないと向きは合っていても着弾点が前後するのでまるで当たらなくなる。


「ほう、確かに当たっているな。この距離で最初から当てるとはたいしたものだ。」


そう、たいしたものにする為に色々やってるんですよ。

ガーソン作の均質な高精度砲身

ガーソンの弟子作の高精度鉛砲弾

ハンスの均質な発火魔石調合と正確な分量計測

俺のボアスコープを基準とした照準器調整

どれ一つ欠けてもまともに当たらなくなる。


「続けて撃ちますので、耳栓は絶対に外さない様にお願いします。」


今の間に3人がかりで再装填してくれていた。

今度は左の的をデビッドに撃ってもらう。

さきほどの親父殿の驚き具合を見ているので自発的にウィンドエバキュレーターを起動している。

ハンスも合わせて起動しているな。

とりあえず俺はしないでおこう。


3人に左右の的を交互に撃ってもらう。

毎回照準の付け直しになるので訓練になるな。

下が河原の丸小石なので左右に振る度に石が動いて上下の狙いまで外れる。

それを調整ネジで上下させて合わせるのも毎回しているな。


20発も撃つとだいたい左右の的の中心から直径50cmくらいの中に入りだした。

そこで今度は距離を200mにしてみる。

40mm砲を馬車の後ろに括って牽引し、河原の丸石に足を取られながら下がる。

親父殿は馬車に乗せ、俺が御者をして他の3人とガーソンは歩いていた。

気を使ったのかなと思ったが、まぁこの距離で領主と一緒に乗りたくはないわな。


200m地点の目印で馬車を停め、3人が40mm砲を外してセッティングする。

俺は馬車をそのまま20mほど下げて親父殿を降ろす。


「今から200サブキロム離れた所から砲撃する訓練をします。昨日は100サブキロムからしか撃っていませんでしたので最初は当たらないと思いますが、そこを当てる訓練なのでしばらくお待ちください。」


まぁ散布界からしたら単純に2倍になりそうだが、それよりも距離が離れると弾の精度と風が強く影響して来る。

発火魔石量も一段とシビアになるだろうな。

まず俺が狙いを付ける。

昨日の狙いが的中心から約1m下にドロップしていたのでその2倍として2mドロップする位置に上下の調整ネジで合わせる。

双眼鏡のスケールで的間の距離2mを換算してバックストップの模様で的の上2mの位置を確認し、そこに照準器を向ける。

左右は尾輪のブレーキを緩めながら足で軽く蹴って合わせる。

左右の車輪の接地状態が均一でなかったので左に傾いているのをアース系魔法で車輪の下に土を盛って合わせる。

傾いたまま撃つとその方向に逸れて飛ぶからだ。

再度縦横の照準を合わせ、発火魔法陣を置いて後ろに下がってロープを引いて発射する。


双眼鏡は3個出して3人に配布しているので弾着を見てもらっていた。

親父殿にも1個出して渡している。

俺も首に提げているな。

もうこのメンバーでは秘密も何も無いので日常の便利ツール扱いだ。


「弾着ー右的4時枠外拳3個!」


右側の的の時計の文字盤で4時方向の枠の外に当たったという事だ。

個々に違う表現をされると紛らわしいので、時計の短針の12分割で方向を、的の中心10点、枠1点の10段階と言ってもらう様にしている。

また、的から外れた場合は的枠からの距離を拳何個分かで大雑把に言ってもらっている。


次弾を装填してもらい、照準器を見ながら前弾の着弾位置から補正する。

再び発射すると今度は的の中に当たった。


「弾着ー右的9時6点!」


続けて10発ほど装填してもらって撃つ。

都度補正はするが、やはりかなりばらつく。

追加で10発撃ってある程度散布界の中心が分かって来た。

以降は弾痕の少ない左の的に向け、散布界中心で照準を合わせたまま20発ほど撃ってみる。

最初の10発は的を中心に1.5mくらいの範囲に散らばった。

次の10発は的を中心に2mくらいの範囲に広がった。

これは砲身内部の汚れの影響だろうな。


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