209◇40mm砲量産試作3
209◇40mm砲量産試作3
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試作40mm砲を試射し、量産試作の3門の製作指示をしたその日は準備で終わった。
実際の作業は明日からで、2日に1門のペースで作れそうだとガーソンが言う。
まぁ試作時みたいな突貫工事ではなく、ある程度精度と耐久性を持たせて欲しいので了承する。
試作40mm砲の台座は多少砲撃の衝撃で接合部の金具が曲がっていたしな。
作業日程を確認出来たので、屋敷に戻って父親に報告する。
部屋に入るなり「炭焼きの匂いがするな」と言われる。
まぁ木炭の粉をおもいっきり被ったのと同じだからな。
「今日一杯40ミル砲の試射をしていましたので、その発射の煙が服に染み付いてその匂いだと思います。申しわけありません。少しでも早く報告したいと思い、着替えずに来てしまいました。」
「いや、責めている訳ではない。気にするな。それよりもその新兵器の説明をしてくれぬか。」
まずポケットに入れていた魔道銃の16mm弾を出してテーブルの上に置く。
「現在、生産しています魔道銃の弾丸はこの指でつまめるくらいの物になります。」
次に俺はポケットから紙に包んだ40mm砲弾を取り出す。
テーブルの上に置き、紙を広げる。
「今回試作に成功した物はこちらの弾丸を撃ち出すものになります。」
直径にして2.5倍、重量は15倍もある。
父親は両方を手に取って40mm砲弾の重さに思わず落としそうになる。
まぁたったの4cmの直径で380gもあるとは思わないだろうしな。
ちなみに卓球の球が直径40mm、ゴルフのボールが直径43mmだ。
それくらいの木の玉は40g前後となるので、その10倍近い重量は想像出来なかったに違いない。
「おおう、こんなに重いのか。本当にこれを撃ち出せるのか?」
「はい、今日はそれを60発くらい試射して来ました。そして、撃ち出す物は40ミル砲と名付けました。文字どおり、直径40ミルキロムの砲弾を撃ち出すからですね。」
それから河原の射場で撃った内容を説明する。
100mからの命中率、近距離からの威力確認、再装填までの時間、発射時の音量など。
200mは試していないのでこの時は言わない。
量産試作の3門が出来たら試してみよう。
色々チューンナップしないと200mでは当たらないだろうしな。
「すごい威力だな。まぁこの重い塊が勢いよく飛んでぶつかるのだ。海賊船くらいなら一撃で沈められるな。」
「あ、いえ、海賊船でもこの砲弾は20発くらいは当てないと沈められません。それほど海賊船は頑丈に作られていますので。」
そうなんだよな。
200mレンジではかなり散らばると思うから、喫水線下にきっちり当てられるのは10発に1発も無いだろう。
その他も半分以上は船にも当たらないと思うし。
だから数が要るんだよ。
つくづくバレットM95のインチキさ加減が分かる。
まぁあれでも沈めるには30発くらいは要るんだけど。
それからシラハマの港町の防衛用の40ミル砲の運用方法を説明する。
まず3門を作ってシラハマの灯台の崖下に倉庫を作って配備する。
これは3門は既にガーソンに発注済みだと報告する。
倉庫の方は現地の大工に発注する必要はあるが。
40ミル砲自体の扱い方は以下となる。
配備後に敵襲来の連絡があった時は担当者は宿から灯台下まで走り、倉庫から海岸近くまで出して砲撃する。
海賊船との距離は150mくらいになるので十分に威力はある。
40ミル砲は1門あたり3人で操作する。
弾込めと台座の操作に領兵2人。
照準合わせと発射に護衛1人。
護衛は照準合わせと発射に責任を持つ。
3門あるので領兵6人、護衛3人が必要になる。
この9人は常にシラハマの港に一番近い宿に宿泊し、緊急時にはすぐに灯台下の倉庫まで走る。
これを交代制で回すので2組なら領兵12人と護衛6人、3組なら領兵18人と護衛9人を訓練する必要がある。
交代は1週間毎に行い、担当以外は領都で通常業務をする。
上記以外にも常に海上を監視する人員が必要な事も説明し、現在暫定で領兵がやっている見回りを正式業務とする。
現在の配置は領兵20人がシラハマに常駐し、6人が3交代で24時間港湾を監視している。
2人は予備とし、病気や怪我の時の補填、又は領都に至急報告が必要な時に動かす人員とする。
今もこの方法で監視しているが、ずっとこの20人がシラハマ勤務というのも不満や不都合が出るだろうから領都の領兵との交代もして欲しいと伝える。
この様な事を紙に書きながら父親に説明すると分かってくれた。
まぁ本当は俺は武器開発にだけ専念したいんですがどうしてもこの世界の人は危機感が足りない。
なので俺が人事にまで口を突っ込む羽目になるんですけどね。
父親は実射が見たいと言うので明日試作砲を撃つのでその時に一緒に行きましょうと言う。
朝食後にすぐに行くというのでザンド、デビッド、ハンスにも連絡しておく。
もうじき夕食だが、炭臭いらしいのでアンナに手伝ってもらって風呂に入る。
シャワーだけでもいいんだけどやはり元日本人としては湯船は必須だな。




