208◇40mm砲量産試作2
208◇40mm砲量産試作2
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早速ガーソンに3門作る様に指示する。
魔道銃で手一杯だとこれ以上の協力を拒むが、予め父親から貰っておいた全権委任状を見せると大人しくなった。
俺も無理難題を押し付けるのは分かっているのでちゃんとした理由を言う。
「ちょっと無理を言うけどこれはシラハマの港町の海賊対策の一環なんだ。一応あの勢力は全滅させたけど、その他にも海賊は居ると思うんだよね。そいつらが先日全滅させた海賊が居なくなった縄張りに侵入してシラハマの港町を襲わないとも限らないんだよ。そこでこの40ミル砲だ。」
「魔道銃では無理なんですかい?」
「そのままでは無理だねぇ。今までは僕とデビッドとハンスの合同魔法で魔道銃に特殊な弾を詰めて何とか対応していたけど、次回僕らが居なかったらそのまま攻め込まれるね。海賊船は鉄板で装甲しているし、舷側の板厚も厚いんで普通の魔道銃の弾では弾くんだよ。」
まぁ効果を思えばぎりぎり嘘は言っていない。
3人で魔道銃の弾丸に対してアースバレットの魔法を掛け、魔道銃の発射と同時に弾道に対して後押しする様に魔法を発動すれば弾速は1.5倍くらいに加速するんじゃないかな?
確信も自信も無いけど、希望的観測としてそれくらは出ると思う。
たぶん。
それなら海賊船の木製の舷側を抜く事も可能かもしれない。
但しそれには50m以内に接近し、同様の弾丸を立て続けに同じ箇所に20発以上撃ち込む必要があるだろう。
海岸からでも150m程度はあるので、中型の漁船に乗って迎撃に行く必要があるな。
不可能ではないが、かなりのリスクがある。
装填された魔道銃を持った護衛や領兵を中型漁船の舷側に20人以上並べ、俺たち3人が次々にその横に立ってアースバレットの加速魔法を掛けながら撃たせる。
撃ち終わった者はすぐさま再装填し、次の発射に備える。
これを何ターンか繰り返すと海賊船の水面下に穴を開けることは出来ると思う。
たぶん。
そんな面倒な事の代わりに魔法を使わなくても1発で有効打撃を敵に与えられるのが40mm砲なんだし。
「軍部に納める魔道銃はその分遅らせてもいいよ。理由は僕の方から向こうに責任者に説明しておくから心配は要らないよ。」
情報局の中将もこちらの理由を言えば分かってくれるだろう。
それよりも新たに40mm砲という絶大なる威力を持つ「おみやげ」が出来たんだ。
これを目の前にちらつかせれば大人しくなるだろう。
問題は魔法団の方だな。
魔法団でも独自に魔道砲を作って使っているらしいが、原理が魔道ジェットエンジンの高圧縮版らしい。
だがいくら圧力があると言っても所詮は空圧機器だ。
ひょっとしたら威力はこちらの40mm砲の方が上かもしれない。
まあ恐らくは魔法団のは榴弾砲だろ。
ある程度大きな口径の砲弾を山なりの弾道を描いて敵の頭上に落として爆発させる。
それに対して俺の40mm砲は直接弾だ。
魔道銃の超強力版という事で押し通す。
用途が違うのだ。
という事にして誤魔化そう。
間違ってもやり方によっては榴弾砲も簡単に作れるなんて言ってはいけない。
先ほどの試射で照準器の位置がおおよそ分かったのでそれに対する正式な照準器を図面に書き込む。
先ほどのは100mのだったが、200mのも推測で書き込む。
弾道のボアサイトからのドロップ率でおおよそ200mのドロップ度合いが分かるのだ。
照星は青銅製の砲口に巻き付けた鉄ベルトの上に直径1cmくらいの鉄球を3cmくらいのゲタを履かせて固定する。
照門は青銅製の砲身後部の太くなっている部分に巻き付けた鉄ベルト2本にまたがって固定した板の上に付ける。
距離尺は折りたたみ式で、起こすと右側にギザギザ状の刻みがあり、ここに引っかかる様な上下する照門が付けられている。
ボタンを押すとギザギザから解放され、離すとギザギザに爪が噛み合って高さが固定されるものだ。
刻みの横には標的までの距離が刻印されている。
見やすい様に白い塗料を文字の中に流し込む様に指定する。
うーん、これで一応は実用的に使える照準器になるだろうな。
威力や弾種が変わって初速が変わったら距離尺に刻んである数値を違う物に交換すれば良いしな。
俺の描いた図面の指示のとおりにガーソンが動き出す。
魔道銃を作っている10人の弟子のうち3人を工程から引き剥がし、魔道砲の工程に組み込む。
鍛造砲身そのものはガーソン自身が作るが、それに至る下準備は3人の弟子達がやるので作業を分担する。
鍛造砲身の材料になる鉄材の下準備、及び砲身保持具とトラニオンを作る担当。
鋳造の木型、砂型、鋳造るつぼや青銅材、ミスリル線、閂の担当。
台座や車輪、尾輪、ブレーキ、照準器の担当。
ガーソンの弟子3人は俺の図面を見てあっという間に分担を決め、すぐさま動き出す。
さすがに手慣れたものだな。
ストライクハンマー鍛造機を1台時間限定で魔道銃工程から借り、鍛造砲身の板金を叩いて作り出す。
材料の長さが足りないので魔道送風機付きの炉で真っ赤に炙って2枚を鍛造で繋げる。
厚さは魔道銃と同じなので材料は流用出来るのだ。
鋳造の木型も試作機の物をそのまま使う。
特に弱点も無かったので変える必要も無いしな。
砂型に埋めて突き固めている。
台座は木の角柱を切って組み合わせ、鉄板で接合部を補強していく。
車輪や尾輪を付け、ブレーキを追加していく。
照準器は細かい作業が要るので後回しだ。




