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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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202/230

202◇40mm砲1

202◇40mm砲1

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ガーソンが一時的にストハン鍛造機を弟子から借り、魔道砲に使う鉄板を鍛造で作る。

さすがに手慣れたものだな。

まず直径40mmの棒状の芯金を作る。

薄板を熱して巻いていき、ある程度の太さになったら寸法を計りながらおおよその形に仕上げる。

これを水で冷やして焼き入れし、少し炙って表面を焼き鈍しする。

この状態で多少反っているのでハンマーで叩いて修正する。

その後大型のヤスリで40mmになるまで削っていく。

木に40mmより僅かに大きめの丸穴を削って開け、それに通しているな。

回しながら光に透かしてみると真円になっていない箇所は光が漏れて見える。

これをだんだん均一になる様にして行き、最後に隙間に薄板を入れて均等になる様にして40mmの芯金は出来上がる。


次に芯金に巻き付けて銃身とする鉄板を鉄塊から打ち出す。

口径寸法が2.5倍になるのもきちんと見越して鉄板の大きさを決めている様だ。

銃身長としての寸法が足りない場合は長手方向に継ぎ足す事も鍛造でする。

2枚の端を重ねて叩いて元の厚さまで潰して一体化する。

端の余分な所をタガネで切り落とし、砲身となる鉄板は出来上がった。

巻き金も少し太めの物を魔道銃の数倍の量用意する。


その後は工匠ガーソンの独壇場だ。

大型のハンマーでガンガン叩いて成形していく。

魔道送風機付きのを2台横に並べ、同時に炙って加熱することで長い砲身を効率よく作っていく。

口径に対して板厚が薄いのでものすごく頼りなく見えるな。

筒に接合したところで巻金を巻き付けて接合していく。

時々芯金を抜き出して冷却している。

溶けてくっついたら元も子もないもんな。


およそ3時間で砲身の鍛造が完了した。

べらぼうな体力だな。

パワーアシストで体力を増強しているとはいえ、巨大なハンマーが音を立てて唸るのは迫力がある。

モノは口径が大きくなって芯金が太くなる事で、作業自体はやりやすくなった様だ。

同じ板厚の場合曲げ半径が大きい方が簡単に曲げられるしな。

芯金も太くなったことで熱容量も上がり、多少時間をかけてもくっ付かない様だ。


この後砲身内面の太さ確認と研磨をする。

砥石を円筒形に削って木の棒の先に取り付け、砲身の中を回転させながら通す事で均一に仕上げる。

砥石は太さを何段階か用意して徐々に指定の寸法にする。

焼き入れ前なので割りと容易に削れるな。


次に尾栓の製作と砲身後部のねじ切りをする。

尾栓は別途鉄塊を鍛造で叩き出し、タガネで雄ネジを刻んでいく。

それを部分的に熱した砲身尾部に差し込んで周囲から叩いて雌ネジを形成する。

ついでに発火魔法陣の魔力を伝達するミスリル線を入れる小穴も開けておく。


終わったら尾栓を抜いて砲身に焼き入れをする。

この後の青銅の鋳造行程で焼き鈍し相当となる事を考慮して少し強めに急冷する。

この時の寸法変化は曲がり以外は無視する。


この後は青銅の鋳造工程だ。

木を簡易旋盤で削って砲身の雄型を作る。

俺の図面のとおり、砲口は薄めで砲尾は厚めで作る。

砲尾には閂を挿す部分を旋盤から外して手作業で彫っていく。

閂も木の中子として別途作る。


これを砂型に埋めて2分割の鋳造型を作る。

鋳造型を2分割し、中心に先ほど作った鍛造の砲身を埋める。

この時、魔力伝達穴にミスリル線を通して青銅の板厚分外に出す。

砲口と砲尾には土で栓をして青銅が流れ込まない様にする。

ここはアース系魔法でちゃっちゃと埋めていたな。


鋳造型を合わせて固定し、湯を流し込む。

湯とは青銅を熱して溶けた物だ。

石英系のるつぼで溶かされた青銅を鋳造型の湯口から流し込む。

モノが大きいので湯口は3箇所用意され、弟子と共に一斉に流し込んでいるな。

流し終えたらこのまま放置して冷えるのを待つ。

砲身に関しては今日はここまでだ。


その間に40mm砲の台座を作る。

木製で所々鉄板で補強した様な構成としている。

これは割と簡単な様で、弟子2人と共にあっという間に作ってしまった。

車輪は領内で使う汎用の荷馬車用に作っている物を流用する。

尾輪も作用場内で使う小型の車輪があるのでそれを使う。

尾輪の横方向のブレーキはくさびの様な形状の木片をレバーを使って尾輪と台座の間に押し込んで効かせる様に作る。

最後に馬車で牽引する場合の金具を取り付けて砲身以外は完成した。

その場で気がついたので荷馬車用の主輪にもブレーキを付けてもらう。

斜面に設置する場合、主輪にもブレーキが無いと転がっていくもんな。

今日のところはここまでなのでガーソンと色々話す。


「ご協力ありがとう。こんなに速く出来るとは思わなかったよ。どっちかいうと魔道銃より簡単だったんじゃない?」


「そうですね。モノが大きくなった割りには板厚が同じなので曲げに関する苦労が減りましたね。鋳造に関しても青銅なら作り慣れているので砂型もるつぼのそのまま使えますし、木型も旋盤で削っただけで出来るので時間はかからなかったです。」


「あとは実際に撃ってみて威力と強度との兼ね合いを調べて改良だね。いきなり想定した威力が出るとは思っていないからこの後も何回か試作に付き合ってもらう事になるけど、その時はよろしくね。」


発火魔石はハンスの協力も必要だし、この後40mm砲弾の鋳型をどうするかの検討もある。

とりあえず弾は大きいので砂型で20個くらい作ってもらおう。

ヤスリで仕上げればそう手間でもないしな。

専用の鋳型挟みを作ってもらうのはその後でもいいな。


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