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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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198/238

198◇海賊壊滅

198◇海賊壊滅

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海賊の拠点に着いたのが午前11時くらいで、制圧完了したのがその30分後だ。

あっさりしたものだな。

これほどまでに現代銃器と戦法がそれ以前の文明に対して有効だとは思わなかった。

まぁ正面からぶつからずに長距離狙撃で海賊船を沈め、割と簡単に海賊の大半を捕縛出来た事が大きい。

これが真正面から突撃して来る大人数の海賊相手だったら双方に少なからず損耗は出ていただろう。

海賊側も突撃するなら弓矢に対抗すべく盾くらい持っているだろうし、重たい槍を投擲して来るかもしれない。

何より人数が4倍以上居るのだ。

しかもこちらは現代銃を持っているとはいえ、射撃技術は新兵のそれを脱していない。

突撃に相対すると焦って命中率も極端に下がるだろうし。

足を狙って無力化するなんて余裕も無いだろうから大虐殺になるだろう。

なのでアウトレンジから落ち着いて乗り物を破壊して移動の足を奪うのは安全で確実性が高いのだ。


今回、海賊拠点襲撃は陸上戦なので相手は武器を持って襲って来ただろうが、これもCQB的トレーニングと足を撃つ無力化策で何とかなった様だ。

まだまだ新兵同様とは言え、何もしていないよりかは遙かにましな動きが出来る。

更に複数人で連携して警戒を分散する事でかなりの余裕が生まれる。

これにより、今までのいずれの戦闘でも一人も殺しも殺されもしていないのはちょっとした自慢だ。

圧倒的な余裕が無ければこんな事は出来ないし。


帰りは漁船2隻で一回り大きい海賊船を曳航しているのでだいぶ船足は遅い。

海賊船に乗った漁師は、漁船の航路に沿って曳かれる様に操舵している。

しかし簡単な様で案外これが重要で、ずっと操作していないと舵は風や海流で容易にずれる。

前を行く漁船と進路がずれると多大なロスが出てまともに進めなくなるくらいだ。

しかも帆を張っていなくても船体に当たる横風でも船の向きは変わる。

それを最小のロスに抑える様に操舵するのは船体をただ真っ直ぐするだけでは足りない。

風の影響をいなす様にゆっくり航路を曲げ、曳航にかかる力を最小限にするにはかなりの年季が必要になるとのことだ。

漁船の船長が指名して海賊船の舵を握っている男はそういうベテラン操舵手だと説明された。

いや、それ自慢だろ。

鼻の横が膨らんでいるぞ。


海賊拠点からの帰りは4時間近くかかった。

風向きもあるのでかなり操船は苦労していたみたいだが。

しかも3連で繋がれているし。

それでも一度も破綻する事なくきちんと曳航されていた。

さすがは海の男達だ。


シラハマの港に近づき、灯台のある岬の前を通過する時に3隻の海賊船はまだそこにあった。

まぁ昨日の今日なので仕方はないだろう。

最初の2隻の時はその日の夕方には片付けられていたが、今回は3隻だし少し大きいし。

半沈没船という厄介なブツを2隻ならまだしも、合計5隻になるので置き場所の確保もあるんだろうな。


岬の前の航路は岸から400mくらい離れた所に湾を塞ぐ様に岩礁がある。

そのため、その中央を通過する様に通るから灯台下の崖から200mなのだ。

実に狙撃に向いている。


水深が深い所は幅100mはあるから大型船でもすれ違える。

今回の海賊船もスタガード状に編隊を組んで入って来た。

「先頭」- 「2番目:先頭の30m後ろの左20mにオフセット」 -「3番目:先頭の60m後ろの右20mにオフセット」

互い違い、千鳥配列などの意味だ。

横並びになると十分に幅を取らないと衝突する可能性がある。

縦並びになると十分に距離を取らないと衝突する可能性がある。

互い違いになるとかなり密集していても安全性が確保される。

お互いに斜め方向に距離を取る事で追突や側面衝突を防ぎやすいからだな。


こういう編隊を組んで入って来たので、割と狙いやすかった。

狙点をあまりずらさずに済むし、真横からでも重複していないので射線を通しやすい。

実にテンポ良く連射出来たな。


その半沈没した海賊船は漁師達の操船で灯台側の岸に寄せられていた。

それで俺達の船団は余裕を持って通過出来る。

港に着くと岸壁に集まっていた群衆から歓声が上がった。

シラハマの漁船が無傷の海賊船を拿捕して曳航しているのだ。

これほど爽快なものはない。


その日の夕方はシラハマ港の街をあげての宴会となった。

あれだけ悩まされていた海賊を全滅させられたのだ。

特に外国船にちょっかいを出されるとその国から苦情が来て、それを自国の王都に報告するとそこでも叱責される。

踏んだり蹴ったりなのだが海賊襲来の頻度がそれほど高くないので国も領も実戦可能な常駐軍は置いてくれなかったのだ。

後で海賊の合計が100人を超えている事が分かったので、下手に手出しをすると逆襲されてシラハマの港町が全滅する可能性もあったので中途半端な部隊配備をしなくて良かったとの意見もある。

それが今回の俺達5人と護衛10人の働きだけで海賊の息の根を止めたということで大騒ぎになっていた。

その中でも俺が領主の次男であることが知れると領主様万歳との掛け声も聞かれる様になる。

まぁ実際に俺が主導で今回の海賊退治をしたので正解なんだが。


市場のフードコーナーもホテルのレストランも海竜亭までもが門戸を開放して食べ放題としている。

さすがにあまり高いメニューは出していないが、量だけはあるので皆満足していた。

酒も飲み放題だが、護衛13人と領兵20人には一人コップ一杯と規制した。

ハンスは元々下戸だし、俺も飲めないので問題無い。

まぁ酔い潰れたところを別の野盗に襲われましたでは言い訳のしようもないので当然の処置だな。


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