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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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189◇岬特訓3

189◇岬特訓3

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マークとの明日の打ち合わせが終わったので市場を離れ、俺達5人で89式を使ったCQB的トレーニングをする。

これは明後日からマーク達10人の護衛に教える予行演習みたいなものだな。

俺も前世のラスベガス郊外でやった民間CQBトレーニングを思い出しながらちょっと試行錯誤したいし。


5人で先ほどの灯台のある崖の下に行く。

地図で予めトレーニングに使えそうだと思った岩の凹凸があるのでそれを見に行く。

歩くと30分くらいかかるが、まぁ俺もこの世界産の体なので特に何とも思わない。

前世では30分も歩く事なんて殆ど無かったもんな。

通勤は電車で30分、駅からの歩きは自宅会社共に5分くらいだったので普段は僅かな距離しか歩かない。

たまの休みに大型ショッピングセンターや大型ホームセンターに行くと、知らぬ間にあちこち興味を引かれて自分でも意識せずに数時間連続で歩き回り、次の日にふくらはぎが痙り気味になるなんてこともあったな。


俺達は灯台の下の崖から海岸まで降りる細い道を通り、崖を見上げる平らな岩の塊の上に立つ。

海面から3mくらいの高さだな。

満潮でもぎりぎり水没しない様で、表面は乾いて海洋生物の付着も無い。

崖の方を振り返ると洞窟の様な窪みが何カ所かある。

入ってみると奥行きは浅く、5mも無かった。

ここで遮蔽物に隠れながら射撃をする方法をトレーニングする。


「では今からここで魔長銃を使った近い距離での戦闘訓練をするよ。魔長銃を出すから取りに来て。」


ストレージから89式を出しながらストックに貼られた名札を読む。

ハンスも自分で書いて貼っているな。

俺のは先日魔道ウィンドエバキュレーターを装着したからそれを見れば分かるし。

まあでも今回はそれは使わずに自前のウィンドエバキュレーターを発動して撃つとしよう。


海岸の平らな岩の上を歩いて20mくらい先に護衛倉庫から持って来た的を2個置く。

的の周辺は跳弾してこちらに跳ね返って来る様な角度の岩は無い。

的の向こうも海なので問題無いし、沖合に船の姿も無い。

元の位置に戻って4人に今から俺がする行動を見ておく様に言う。


まず89式のストックは伸ばしたままで実包を込めた30連マガジンを装着し、コッキングレバーを引いて初弾を装填する。

セーフティを外して人差し指はトリガーガードの外に出しておく。

背をかがめながら小走りで崖の洞窟の方に走り、洞窟の縁の壁から顔を少し出して的を確認し、素早く89式を構えて2発撃って引っ込む。

それをしゃがんだり立ち上がったりしながら5回ほど繰り返し、合計10発ほど発射した。


次に平らな岩の上に所々ある折りたたみテーブルくらいの高さの岩まで走り、その陰に隠れて横から顔を半分出して的の方を伺う。

89式を斜めに構えて岩に沿わせる様にして銃口を的に向け、色々な姿勢で的に2発づつ5回の合計10発発射する。


今度は隣にある伏せてぎりぎり隠れるくらいの低い岩まで走ってその後ろに腹ばいで寝そべる。

ここでも同じ様に的の方を伺って色々な箇所から2発づつ5回の10発を発射するとボルトオープン止まって弾が尽きた。

寝そべったままで腰のポーチから装填済みの30連マガジンを出して空のマガジンと交換し、ボルトリリースボタンを押して初弾装填する。


次にストックを折りたたみ、89式を腰だめに構えて洞窟まで走る。

走りながら的に向けてセミオートで連続10発ほど撃ち込む。

洞窟の壁に隠れながら目分量で両手で89式だけ突き出して的の方に10発撃ち込む。

ここまでして一段落として4人の方を振り返った。


「今やったのはこの魔長銃を使う世界で標準的な戦闘の方法だよ。出来るだけ自分の体を相手の視界に晒さずに物陰から射撃する。これによって相手からの飛び道具に当てられる危険性を最小限にし、自分からの一方的な攻撃を成功させるんだ。」


「かなり慎重に見えますが、そこまでしないとならないものでしょうか?」


「僕たちは人数が少ないんだ。一人でも欠けると全体の戦力は大きく下がる。慎重になってもなり過ぎと言う事はないと思うんだよね。」


相手はまだ銃器は持っていないが、弓矢や投げ矢はあるだろう。

ひょっとして直接投石やスリングを使った高威力の投石、魔法のファイアボール、ウォーターボルト、アースバレットなどを撃って来る可能性もある。

自分の体を相手の視界に晒したまま撃つのは大きなリスクがある事を強調する。

物陰に隠れてこそそこ撃つのは名誉を重んじる剣士に取っては納得し難い事かもしれないが、一人でもこちらの兵力が減れば大きな損失になると繰り返し強調して無理矢理理解させる。

理解というより強制だな。

何より相手の飛び道具を陰から先に潰せられればその後の展開が楽になる。

こちらも負傷するとその保護や搬送に人手が取られるので大きな損失になるし。


まず魔法組の3人から一人ずつ俺の真似をする。

次にハンスが同じ様にする。

その4人でローテーションしながら10周くらい回ったところで息が上がって来たので一休みする。

岩の上に座って定番のカ○リーメイトと缶コーヒーを出す。

俺はいい加減飽きて来ているんだが、他の4人は美味い美味いと言いながらがっついているな。

足りなさそうなのでもう1箱ずつ出して渡すと中の1袋を食べてもう1袋はポケットに仕舞っていた。

夜食にでもするのかな。


「だいぶ慣れて来たみたいだね。今度は的の方からアースバレットが飛んでくると想定してやってみてよ。」


前世のエアソフトガンならBB弾で直接撃ち合いが出来るんだけど、さすがに89式の実銃では無理だ。

的の後ろの岩陰から俺がアースバレットを撃つ事は出来るが、こんな岩場では跳弾しまくるのでどこから飛んで来るのか分かったものではない。

そのうち装甲板を貼ったゴーレムでも作って銃撃戦闘の相手をさせようかな。

相手からは魔道ジェットエンジンを応用した連射型グレネードランチャーでも作って、木製の模擬弾でも撃ち出せば雰囲気も出るな。

当たり判定も付けておけばこちらの射撃の成功率も分かるし。


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