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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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188/276

188◇岬特訓2

188◇岬特訓2

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サプレッサー付きの4丁のサイトインが完了後、4人は俺が狙った岩礁とその付近の岩礁を的とし、それぞれ少しずつ位置を変えて撃ち始めた。

岩礁の手前に4箇所横に並んで水しぶきが次々に上がる。

4人ともウィンドエバキュレーターを発動しているのでサプレッサーの効果に加えて更に減音しているな。

いずれも爆竹を1本バケツに入れて素早く地面に伏せた程度の音しかしていない。

試しに4人全員にウィンドエバキュレーター無しで順番に撃ってみてもらったところ、発射音は俺のサプ無し&魔道サプ有りM95とほぼ同じくらいだった。

かなりうるさいが、耳栓無しで何とかなるくらいだな。

このメンバーなら全員自前のウィンドエバキュレーターを併用するのがベストだろう。


訓練を見ていて静止目標に向けた命中率は十分なので午前中で訓練は終わりとし、今度は海賊船を模した移動目標を狙う事にする。

それには小舟2隻とロープと的を乗せる簡易台が要る。

ちょっと手間取るのでそれは後日とし、先に89式を使ったCQB的トレーニングをする。

この5人は全員ウィンドエバキュレーターを使えるので耳栓無しで実射訓練が出来るな。


とりあえず訓練途中のM95一式をガレージにそのまま収納する。

テーブルの上にM95が乗ったままケースと椅子ごと1人分ずつ収納する。

これを5回繰り返してあっという間に撤収が完了する。

ストレージでは小さいのでガレージを使って横着をしたら、ハンスが呆れた顔をして見ていたな。


その後昼時になったので、マーク達が昼食を食べているであろう市場の奥の方のフードコーナーに行く。

奥のフードコーナーは中央通りに近い小規模な方とは違ってかなり広く、市場全体の働いている人と観光客の両方を同時に満たせる広さがある。

簡単なテーブルと椅子は100席分近くはある様に見えるな。

護衛10人と領兵20人が同時に入っても余裕だろう。

それをコの字に取り囲む様に半分屋台、半分固定の店が並んでいる。

そろそろ昼時なので7割方席は埋まっていた。

見渡すと焼き物の屋台の前に護衛と領兵の集団が見える。

俺達5人もそこに行き、マークの近くに席を取る。


「やぁマーク、好みの店があるのかな?」


「あ、マーティン様。いえね、巡回している班以外で酒のつまみになる店を探していたんですよ。一応スケジュールを組んで担当直後の組は非番扱いで少量の飲酒を許可してましてね。まずかったですか?」


「いやいや、そこまで規制するつもりはないよ。まぁ飲み過ぎて正体無くしたり粗暴になったりしたらちょっと厳しくするけど、それはそちらの方の中で制限するんでしょ?」


「はい、それは普段から厳しくしています。領都に居る時も交代制に近い場合がありますので、それに準じていますね。」


「領兵の方は僕はよく知らないので、マークの方で面倒みてくれない?もちろん護衛の皆と同じ様な扱いでいいよ。」


「はい、今回は領主様の指示書により領兵は私の指揮下にありますのでそれは徹底させます。ご安心ください。」


まぁ俺も前世では仕事が終わったら時々仲間内で飲みに行っていたので分からんでもない。

だが俺の性分か、正体無くしたりリバースする事は無かったな。

潰れた仲間をタクシーに押し込んで家まで送った事は何回かあったが。


「それで食べる物は決まったの?」


「はい、予算枠を決めていますので皆その範囲内で好きな物を注文していますね。超えた場合は自腹にしていますので。」


「うん、ではそれでお願い。食べた後で相談があるので護衛は少し残ってもらっていいかな?」


マークにそう言い、俺は5人組の所に戻って魔法組の3人に適当に5人分買って来てくれと言って金を渡す。

デビッドは俺を1人には出来ないと言って残り、代わりにハンスと他の2人が買いに行った。

10分ほどして3人が大きなトレイに乗った料理を運んで来る。

ちょっと多すぎる様な気がしたが、食べきれなかったら隣の護衛達に頼もう。


内容は主に魚介類と肉と豆とパンだな。

野菜や根菜も少しはあるが、スープに煮込んであるので原型が分からない。

魚は焼き、煮付けが主で、タタキ風の物も少しある。

大きな2枚貝や巻き貝を焼いてタレを付けた物もあるな。

肉は串焼き一択だ。

赤っぽい香辛料がかかっていて結構辛い。

まぁ肉体労働をした後に食べると美味そうな物ばかりなので、少ししか動いていない俺はあまり食えなかった。

周りに比べて体格もまだ小さいというのもあるが。


4人はあっという間にテーブル上の料理を食べ尽くし、さっさと後片付けをする。

隣のテーブルのマーク達も同じくらいに終わっていた。

早速マークだけ呼んで俺達のテーブルに着かせる。


「マーク達にお願いしたい事があるんで残って貰ったんだよ。僕がこの前海賊船を灯台の下の崖から撃って沈めたと言ったでしょ。あれをここに居る魔法組の3人とハンスも出来る様にしたいんだよ。それには動いている船を撃つという現実に近い訓練が要るんだけど、海賊船を持ってくる訳にはいかないので冒険者協会が持っている小舟を2隻借りてそれでやろうと思って。」


「私たちにその小舟に乗って的を運べということですか?」


「いやまぁそうなんだけど、的を置いた船に乗れとは言わないよ。2隻の船を100サブキロム(m)程度の長さのロープで結び、前の方の小舟に5人乗って4人でオールを漕いで1人が操船する。それに曳かれた後ろの方の小舟は無人で、高さ1サブキロム程度の台の上に的を置くんだよ。これならかなり離れているんでまず弾が当たる心配は要らないと思うんだよね。」


「なるほど。確かに100サブキロムも離せば200サブキロム離れた所から撃つ場合に誤射は考えられませんね。でも撃たれる方はあまり気持ちの良いものではありませんね。」


「なので、船を漕いでくれる人には特別賞与を出します。1人1日分で2000シエクでどうかな?護衛10人を2班に分けて交互に漕いでくれればいいから。」


1人2万円で5人で10万円だな。

護衛は全部で10人居て2チーム組めるので20万円になる。

俺達の5人のメンバーなら誤射は考えられないので安全性は万全だ。

ただ標的に先行して的を曳いて同じ所を通るという、心理的な忌避感に対する補償みたいなもんだな。

もちろん、そこそこの距離をオールを漕いで進まないとならないのでその労働対価でもある。


ふと横を見ると、マークの後ろに残りの護衛達が群がって俺達の話を聞いていた。

皆は俺が特別賞与と言った時にお互いに顔を見合わせてにやりと笑う。

その中の1人が「隊長!やりましょうよ!」と声を上げる。

それに吊られて全員が同意する様に頷いた。

うーん、やはり臨時収入は美味しいんだろうな。

マークもそれを聞いて了承した。


「今から冒険者協会に行って小舟を2隻借りて欲しいんだ。それとロープを長さ100サブキロム程度。後ろの小舟に乗せる的はこちらで用意するから気にしなくてもいいよ。借りる期間は明日全日にしといてくれたらいいから。費用はこれを預けておくんで足りなかったら言ってね。」


俺はマークに1000シエク銀貨を10枚渡す。

さすがにあの小舟2隻のレンタル1日で10万円もしないだろう。


「了解しました。今から冒険者協会に打診して明日一杯の確保をしておきます。」


「ところで小舟に乗って5人で協調してオールを漕いだ事ってあるの?」


「軍に所属していたときの渡河進行の訓練時に半日ほど漕いだ事があります。一応6人漕ぎの1人操舵でやったので今回のに近いかと。」


「それなら安心だけど、明日の朝から少し慣らし訓練をしといてくれないかな。午前中一杯を操船の訓練に好きに使ってもいいからね。その時はロープで繋がずに2隻同時に漕げばいいし。」


「明日はいつ頃から開始されますでしょうか?」


「マーク達は朝から小舟を借りて操船の訓練をして貰って、11頃にここで昼食を摂ってよ。僕らもその頃にここに来るから。食べ終わったらそのまま2隻の所に行ってロープで結び、後ろの方に的を乗せて固定するから。」


「了解です。小舟を走らせるルートはどの様にしましょうか?」


俺はシラハマ港付近の地図と海図を広げる。

マークも持っているので同じ物を広げる。


「灯台のある岬から南に向けて200サブキロム程度の距離のルートを通ってくれないかな。西はここら辺りで引き返して、東はこの辺で引き返すのを繰り返して欲しいんだ。」


「何回くらい往復すればよろしいでしょうか?」


「最初に3往復して班を変え、更に3往復して班を変えるというのを日が暮れるか、僕たちが合図をするまで繰り返して欲しいんだ。」


「合図はどの様なものでしょう?」


「僕がそれまでよりも大きな音で3回連続で撃ったら一旦停止してくれるかな。その時灯台の下で白い布を振っていたら終了の合図としよう。」


「わかりました。これからの事もありますので海洋訓練としても意識してやりましょう。」


「うん、よろしくね。」


さて、ストレージに入れて来たいつもの的を2枚出して、船の上に置いた折りたたみテーブルに固定するのを今のうちに作っておこう。

テーブルの足をアース魔法で小舟の船底に固定し、更にロープで舳先と船尾に括っておけば少々撃ち込んでも吹き飛びはしないだろう。


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