181◇尋問・仕分け
181◇尋問・仕分け
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俺の父親への報告後に護衛隊長のマークが呼ばれた。
護衛部隊10人を引き連れて練兵場まで行き、練兵場付属の監獄に海賊40人を収容する準備をする様に兵長に指示せよと命じられる。
指示書も書かれ、領主直命なので最優先で実行されるはずだ。
国内法に詳しい文官と、領内の警察組織に近い守備隊からも数人ずつ派遣される。
海賊だからといきなり全員縛り首とはせずに、国内法に照らし合わせて個別に罪状を決めて処するらしい。
まぁ海賊があの40人だけだとは思えないので、本拠地の自白と掃討する場合の海路案内をさせるつもりもあるとか。
それを聞いて本拠地を掃討する場合を想像する。
今回と同じ様にやれば出来るって?
いやいや父上、いくら12.7mmが強力でも数で攻められたら普通に負けまっせ。
え、こっちも数を揃えればいいだろって?
まぁそれはそうなんですがね。
俺が頑張ってバレットM95を20セットくらい揃えれば、完全なアウトレンジから大型船でも一気に殲滅は可能ですが。
相手は所詮は木造船なので、喫水線下に大量に12.7mm弾を撃ち込めば容易に沈没するでしょうし。
ただそれをやっちゃうと必ずどこかからか情報が漏れて、12.7mmの出所を問い詰められると思うんですよ。
戦果がそれを物語っているのであまり誤魔化しも効かないと思うし。
え?
敵は死人に口無しって?
いやいや、情報が漏れるなら味方からっしょ。
20人も居れば必ずトリガーハッピーになって中二病的万能感を発揮する輩は出るでしょうし。
そういう奴が暴走するなり逃亡するなりしたらヤバいことになりますねぇ。
それを防ぐ為に40mm魔道砲ですよ。
鋳造で作れるので沿岸から砲撃するにしても、船上から砲撃するにしても多数揃えればそれだけで驚異の脅威になるし。
口径も40mm前後が製作の容易さと木造船に対する効果のバランスがいいと思うんですよね。
これを数を揃えて沿岸と岬に並べれば海賊船はもはや脅威では無くなりますね。
前装式の再装填の遅さも10門も並べて順番に発射すれば殆ど問題無いでしょうし。
あ、まぁ今の魔道銃でも海賊船に対して一定の効果はあると思うんですよ。
ただ、射程距離と貫通力が足らないんですよ。
銃身の長さもせいぜい1m程度ですし、口径もせいぜい16mm程度なんで。
下手したら木造船の舷側を抜けないなんてこともあるかと。
それが40mm砲になれば砲身1.5mで口径も2倍以上、弾の重量は8倍以上になりますし。
これだけの重量物なら木造船の舷側など簡単に貫通出来ると思うんですよね。
砲弾は単なる鉛の塊なんで爆発はしないんですが、40mm程度なら炸薬弾より重量による貫通力の方が効果が大きいかと。
貫通力を求めるなら鉄で34mmくらいの球を作り、それに3mm厚くらいで鉛を均一に巻き付けるのがいいでしょうね。
岩や石材に当たっても鉛の様に全体が潰れず、内部の鉄球が変形せずに貫通力を発揮しますし。
何より鉛の皮が潰れる間に相手に運動エネルギーを伝えきって、尚且つ表面で弾かないので効果抜群かと。
鉄主体にすると砲弾の重量は減りますが、初速が向上するので飛距離が増しますし、当たった時の衝撃力も強くなるはず。
後装砲?
後装銃もまだなのにこの世界には早すぎます。
まずは短期間で作れてすぐに効力を発揮する前装式を物にしてからですね。
海賊は待ってくれないので。
うーん、暇だと妄想がはかどるな。
その日の午後4時頃にやっと海賊陸送団が到着した。
護衛10人と文官、守備隊の領主直命団が待ち受ける。
まず40人を一旦監獄に入れる。
全部で10部屋あるので、5人ずつ8部屋に押し込む。
縄と解かれて一人ずつ番号札を付けられて蹴り込まれていた。
その後、番号順に一人ずつ牢から出され、監獄の外の小屋に入れられて尋問される。
外の小屋まで移動するのは尋問の声が牢内に聞こえない様にして口裏を合わせるのを防止する為らしい。
一人当たり5分程度で尋問は終わるらしく、40人全員が終わるのに3時間ちょいで完了とのこと。
尋問が本当に5分で済むとは思えないが、疑わしきは罰する方針なので特に問題は無いらしい。
尋問の結果、海賊間のチクリも大幅に考慮して罪状が決定した。
誰でも自分だけは助かりたいので他人の罪状を大げさに言うらしい。
今までの襲撃の時の残忍性で15人が縛り首、12人が鉱山強制労働、残りの13人は監視付きで木造船造船の船大工としての労働が科せられた。
まぁ強制労働組は顔に入れ墨が彫られるし、船大工組も腕に入れ墨が彫られるので逃げてもすぐに捕まるのだとか。
海賊船に対抗するなら現在離島からバナナを運んで来る中型船があるだろうと思ったが、あれは非常に脆い構造らしい。
幅も広く、速度も遅いので戦闘船としては使い様が無いとのこと。
あれの代わりに海賊の船大工を使って似たような軍船を作れれば海賊に対抗出来る様になるだろう。
そうなったら冒険者協会も海洋部門を設けるのかな?
いや、それは領軍として軍用の資金を投入して作るべきだな。
うん。
我が領の海軍の創設だな。
海賊船がベースだけど。
そうのんきに考えていると、父親がいきなり相談して来た。
「マーティン、海賊に尋問しての結果だが、拠点の島が分かった。そこにはまだ海賊船が4隻あり、残党も60人程度居るそうだ。」
「え、父上、それを私に話してどうしろと?」
「それだけ残っていたらまた襲撃しに来るだろう。今度は仕返しとばかりにもっと過激に襲って来るかもしれない。」
「・・・どうしましょ?」
「やってくれぬか?今を逃すと更なる被害が出るやもしれぬ。相手の人数からして、全員で攻めて来られたらシラハマの街は終わりだ。」
「・・分かりました。敵拠点の情報と海図と、我々の全戦力の一覧と拠点分布図をいただけますでしょうか。」
「おお、やってくれるか。どうやるかの方針が決まったら一度私に説明してくれないか。マークと共に前もって理解したい。」
うへー、ゴキブリの巣退治を引き受けちゃったよ。
どうしようかな?
色々な手は考えられるが、いかに俺が前に出ずに済ますかが焦点だな。




