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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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180/277

180◇先発報告

180◇先発報告

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支部長に先発すると言い残し、俺の馬車は発進した。

今回はちょっと早足で馬を駆けさせる。

と言っても時速にして18kmまでは行っていないと思うが。

それでも荷馬車の平均である時速10km前後にくらべて倍近く速い。

まぁそれ以上は道の粗さが原因で乗り心地が急に悪化するし、馬も連続で走らせると疲労が大きくなる。


途中の道の駅っぽい所でトイレ休憩と店で買った饅頭の様なスイーツとお茶で一服し、馬に水を飲ませる。

20分ほど休んだので馬も多少は回復した様だ。


続けて走り、昼前には領都に到着した。

馬車はザンドとアンナに任せ、俺はデビッドと共に父親の執務室に行く。

直接ドアをノックし、返事があったのでドアを開ける。

普段はメイドにドアを開けさせるのだが、いきなりドアが開いて俺とデビッドが入って来たので少し驚いていた。


「どうした、そんなに慌てて。まだ休暇は残っているはずではないのか?」


「父上、緊急事態が発生し、それに対応しましたので報告の為に急遽戻って来ました。」


「何が起こった?お前が絡んでいるということは通常なら現地で対処不可能だったということか?」


「そうなります。たまたま私達がシラハマの街のレストランで食事をし終わった時に街で騒ぎがありまして、冒険者協会に聞いてみると荷物を満載した外国の大型船が出航した直後に海賊に襲われつつあるということでした。」


「なに!海賊だと!半年毎くらいに襲って来るいまいましい奴らだ。外国船は武装にばらつきがあって兵力の低い場合は海賊の餌食になる場合がある。逆に兵力が高い場合は寄せ付けずにそのまま外洋に出て逃げ切る場合もある。いずれも外国船自身の自己防衛としているので、こちらはあまり手出してはしていないのだがな。」


「それでも冒険者が20人ほど小舟4隻に分乗して対応しようとしていました。海賊船は中型が2隻で合計40人くらいだったので、たとえ冒険者達が海賊と戦っても勝ち目は無かったと思います。」


「そうだ。あれは本気で戦いに出ている訳ではない。一応港町として最低限の対策をしているという見せかけだな。攻撃はするが、相手の船の方が大きいので通用しないのだ。」


そうだったんだ。

てっきり玉砕覚悟で地域の為に命を張る勇者とばかり思っていたが、フリだったんだ。

明らかに不利なのにこぞって出て行ったから凄い地元愛だと思っていたが、ポーズだったとは。

まぁ今回は撃滅した海賊の回収と捕縛と移送にしっかり役にたってくれたので、無駄な戦力ではなかったってことだな。


「それで、今回お前は何をしたのだ?」


「はい。私の独断ですが、海賊船を半壊させて全員捕虜にしました。」


「お前は何を言っているのだ?どうやってそんな事を?」


「今から詳しくご説明します。到着した当日の昼過ぎに中央通りのレストランで昼食を摂りました。食べ終わって店を出たところでパンパンという発火魔石が破裂した様な音が聞こえて来たので冒険者協会に聞きに行ってもらったところ、出航する大型の外国船を中型の海賊船2隻が襲うところでした。それから私たちは...

外国船は大型だが武装が貧弱で襲われたら拿捕されると思った。

外国船と海賊船が接触するのにはまだ少し時間があったので、そこに近い岬の先端の崖にザンドとデビットと共に走った。

そこからなら接触地点から200サブキロム(m)程度の距離だったので魔強銃が使えると思い、念のためにストレージに入れておいた一式を取り出して構えた。

2隻の海賊船の舳先には発火魔石を詰めた瓶の様な物を投射する投石器の様な物があり、それで威嚇の為に爆発する瓶を発射していた。

投石器の射程は30サブキロム程度なので外国船には届かず、威嚇だけの様に見えた。

私はまず海賊船2隻の舳先の投石器を魔強銃で狙い、数発で瓶を爆発させて無力化した。

次に2隻の舳先より下の海に浸かっている部分を魔強銃を30発ずつくらい連射することで穴だらけにし、そこから大量の海水が流れ込んで海賊船は速度が落ちて舳先が下向きに傾き、ついには木造の船体がぎりぎり浮かんでいる程度まで沈んで停止した。

その後は20人の冒険者が4隻の小舟で出ていたので、彼らが海賊約40人をロープに掴まらせて海岸まで引っ張って来て、一人ずつ捕縛して一晩冒険者協会の横の馬止めの隅に押し込んでいた。

冒険者協会の支部長が海賊を尋問し、全員の名前と役割を書いた資料にした。

海賊は全員縛られたまま荷馬車に乗せられてこの領都に移送中である。

今日中には到着すると思われるので監獄などの受け入れ準備をお願いしたい。

...ということです。」


「ううむ、今まで如何ともしがたかった海賊をそうも簡単に下すとは。しかも海賊を殺していないのだな?」


「いえ、確実に全員生きているかどうかは分かりません。少なくとも私は当てていないのでその後の沈没の過程や冒険者からの扱いで死亡した者が居るかもしれません。これが支部長が作成した海賊の聞き取り結果ということです。」


俺は懐から封書を取り出し、父親に渡した。

封印を切って内容を読む。

俺も気になったので横から見せてもらう。

きっちり40人、怪我人は居るが死亡者はゼロだそうだ。

てっきり舳先の発火魔石瓶の爆発で何人か死んだかと思っていたが、全員生きていた。

まぁ所詮海賊なのでかなりの割合で縛り首だろうが。


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