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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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179◇領都リターン

179◇領都リターン

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まだ日は暮れていなかったが、お土産も買ったことだし早々に別荘に戻った。

ニックとエミリーが出迎えてくれて風呂の用意が出来ていると言われる。

まぁ帰ってすぐに風呂だとアンナが休めないだろうから一旦各自部屋に戻って部屋着に着替える。

15分くらいするとアンナが着替えを持って俺の部屋に入って来た。


「今日はごちそうさまでした。あんな美味しい料理は食べたことがなかったです。」


「今後も俺達王都組で出かける時は食べたいと思ったら遠慮無く言ってくれてもいいよ。」


「そこまでは...あ、はい。お願いします!」


やっぱり食い意地が張っているな。

正直でよろしい。


それからアンナに手伝ってもらって魔道具で風呂の湯沸かしをした。

予め水は入っていたのでこれの用意が出来ているということなんだろうな。

魔道具だけで風呂の水張りをすると結構コストがかかるので、普通は井戸から汲んだり貴族用の水道から引くものだ。

湯沸かしは前世の焼け石風呂みたいなもので、熱を発するチェーンの付いたレンガくらいの発熱魔石を4個程度水を張ったバスタブに入れる。

ちょうと良い湯加減になったところで引き上げると発熱が止まり、内部の魔石の消費も止まる様に作られている。

1個でも熱いくらいの温度まで上がるのだが、貴族の風呂は時短のために4個同時に使うみたいだな。


さすがに転生して1年間アンナに風呂を手伝ってもらっているのでもう恥ずかしいという気持ちは無い。

手足と背中を洗ってもらい、最後に頭も洗ってもらう。

まぁ下半身の一部は自分で洗う事を強く主張して一度も洗わせていないが。


俺が風呂から上がった後の残り湯はアンナが体を拭うのに使い、更にその後に護衛2人も使うらしい。

まぁ貴族社会はそんなもんだろな。

湯が使えるだけまだマシな方だ。


その日は早々に休んだので次の日は夜明けくらいに目が覚める。

他の3人や管理人達ももう目覚めている様だ。


アンナに手伝ってもらって貴族用の服に着替える。

やっぱり窮屈だな。

一人で着替えるには少し難しい構造だし。


朝食の準備が出来たとアニーが言いに来たので5人でダイニングに行く。

ニックとエミリーが挨拶をし、全員で食卓に着いて同じ朝食を食べる。

まぁ一般的な貴族向けの朝食をちょっと簡略化した様なメニューなのはニックが気を回したのかもしれない。

メニューは海が近いし、魔道具の冷蔵庫もあるので焼き魚が出て来た。

うーん、これで白飯と海苔と醤油があれば言うこと無しなんだけどな。

残念ながら白パンとスクランブルエッグとサラダだ。


朝食後、すぐに出発する。

前日にニック達に言ってあるので馬車は別荘の玄関前に馬を付けて用意されていた。


「今回は海賊という突発事故みたいな事が起きたので急に領都に帰ることになったのは残念だけど、また長期休みの時には来ようと思うからその時はよろしくね。」


「はい、きちんとおもてなしも出来ずに申しわけありませんでしたが、またのお越しをお待ちしております。」


管理人の3人と挨拶をし、馬車に荷物を積んで出発する。

そのまま坂を下って冒険者協会の建物を目指す。

中央通りを進んで海竜亭を過ぎたところで道に大きな荷馬車が4台停まっていた。

数珠つなぎに縛られた海賊が10人ずつ乗せられている。

荷馬車の荷台には冒険者が2人御者席の後ろに乗って監視をし、御者席にも2人乗っている。

単騎の馬も2頭居るので、合計18人の冒険者が海賊を領都に移送する様だ。

まぁ倍の人数の海賊を移送するのだ。

これでも少ないのかもしれない。


支部長を見つけてザンドが声を掛ける。

俺の馬車と俺の服装を見て慌てて飛んでくる。


「マーティン様、昨日は失礼しました。ご指示どおり海賊から情報を聞き出し、名前と役割を書いた一覧と共に書類にしてあります。これを御領主様にお渡しいただけませんでしょうか。」


封をした封筒を渡してくる。

宛名は父親、差出人はシラハマ支部長の名前が書かれている。

俺はうなずいて受け取り、懐に仕舞う。


「了解した。必ず父上に渡そう。私も今から領都に出発するが、こちらの馬車の方が足が速いので先に着くと思う。そうすれば海賊どもの受け入れ準備も出来ると思うしな。」


「ありがとうございます。マーティン様のお働きでこの街の名誉は守られました。今までは外国船を拿捕されても手が出ませんでしたので、今後は対抗出来る様になると思うと感無量です。」


「うん、その件についても帰り次第、父上に進言しようと思う。即日は難しいが、1ヶ月まではかからないと思う。期待していてくれ。」


まぁぶっちゃけ俺の意見がそのまま通ると思うんですけどね。

物資も戦術も戦法も全て俺が仕切っているし。

ただ、12.7mmはこの世界にはまだ早すぎる。

魔道銃の拡大版を作って40mm口径くらいの魔道砲を作り、高精度な砲撃方法を確立しよう。

当然前装式で、点火も尾部のミスリル線を通して発火魔法陣で行う方式だ。

砲だから車輪を付けて運用するので、重量はあまり気にせずとも良いので鋳造で十分だし。

但し、不発時や誤装填時に排出出来る様にするため、尾部には20mmくらいのネジ穴を切って長いボルトで塞ぐ工夫をしよう。

タイトン系魔法で補強すれば前世の爆発事故の様なものは起きにくいと思うのでガチガチにしておこう。


砲撃精度を向上させる為に発火魔石は量を精密に計り、弾丸の形状と重量も高精度に揃える。

仰角を細かく測れる角度目盛りも付け、放物線を描く弾道も実測値で検証させれば海賊船に対してかなりの威力を発揮するだろう。

これならこちらのテクノロジーだけで作れるので秘密にする必要性も低くなるし、他領に販売して海賊対策とすることも出来る。

王宮魔法団がちょっかいを出して来る可能性はあるが、あそこの魔道砲とは原理が違うんだから文句を言われる筋合いは無いしな。


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