167◇偽サバイバル
167◇偽サバイバル
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その日の夕食では俺が丸3日間留守にしていた事を母親に聞かれた。
俺は予め考えていた護衛とのサバイバル訓練を川向こうの山の中でしていたと言う。
何も持たずに着の身着のままで山中に入り、道具や食料は全て現地調達して3日間過ごすというものだ。
まぁこの世界は魔法があるので前世に比べてだいぶヌルいんだけど。
水は出せるは火は点けれるわライトで灯りは出せるわで、基本的な苦労箇所が全スルーだ。
それでも貴族の子弟にとっては過酷なものに映るだろう。
兄が決してやりたがらない部類の行動だ。
案の定、兄がバカにしてくる。
「そんな役にも立たない事をして何の意味がある?護衛が居るなら護衛にさせればいいだろう。なぜお前自身が地面を這いずり回る必要がある?」
ごもっとも。
確かに俺たちの立場なら指示する方で、決して実行する側ではないんだな。
でも、現場を知っておくことで初めて出来る的確な判断ってのもあると思うんだよな。
前世でも現場をロクに知らない上司の指示で間違った方向に突っ走るなんて事も結構あったしな。
権力を持った無能ほど厄介なものはないな。
な。
「いやー、何事もチャレンジですよ。隣国の気配も怪しいですし、ウチは魔の森を挟んでお隣さんですし。もし帰省途中の護衛2人だけ連れているところを盗賊や潜伏兵10人に囲まれたらどうします?たとえ護衛が命懸けで逃がしてくれてもそこから先は一人ですよね。兄上はそこから泥水を啜ってでも帰り着く自信はおありで?」
うわー、兄が思いっきり嫌な顔をしている。
自分がそうなった時の状況を思わず想像してしまったんだろうな。
あ、すっと真顔になった。
これは思考放棄したな。
「マイケルよ。隣国との小競り合いがあるのは本当だ。先月も数百人規模で国境を超えて侵攻して来たしな。幸い国軍の戦力に押し負けて撤退した様だが、いつ再度侵攻して来ないとも限らない。生き残る方法を学ぶのも貴族の心得のひとつだな。」
うーん、兄をあまり煽らないでいただきたい。
もしその気になったら面倒だし。
「ご意見拝聴しました。学園に帰りましたらその手の研究をしている所があると思いますので訪ねてみます。」
うーん、まぁ一時凌ぎの返事だろうな。
親父殿もそんなに本気で言ったわけでもなさそうだ。
軽く頷いて食事に戻ったし。
食後に護衛詰所に行く。
「マーク、今回はお疲れ様。とりあえず預かっていた魔長銃3丁を返すよ。弾倉も3本ずつ。魔強銃もケースごと返すね。」
護衛の銃器保管庫から持ち出した分なので89式を3丁とバレットM95を1丁を元に戻すだけだな。
一応シリアル番号で管理してもらっている。
俺のも一応記録してあるが、俺が好き勝手召喚出来るので時折更新が必要だ。
今のところ第三者に渡った形跡は無いので安心である。
まぁ弾薬が無いとただの棒なのでさほど脅威にはならないが。
「今現在不足している物はないかな?」
「そうですね、できましたら魔長銃の弾薬をもう少し備蓄したいと思いまして。全員の訓練分を考慮しますと少しでも多く確保しておきたいと思います。」
まぁそうだろうな。
もし俺に何かあったら今の1丁あたり数百発分で在庫が尽きる。
そしたらせっかくの大戦力の89式がただの棒になってしまう。
魔道銃は情報局の発注分に引っ張られてこっちの在庫を増やしにくい状態だしな。
まぁそれもモーリスに発注してあるストハン鍛造機と送風機の量産が進めばかなり生産量がアップして改善するだろう。
「ではこちらにいる間に毎日一定量出す事にするよ。」
5.56mm弾は実包100発で使用魔力量160だ。
現在の俺の魔力量は3000を少し超えたくらいなので、2000使用したとしたら1200発分だな。
少し余裕をみてキリの良い1日1000発にしよう。
これなら使用魔力量1600なのでかなり余裕がある。
こちらにはあと10日ほど居るので1万発といったところだろうな。
今回はこれで満足してもらうとして、その次をどうするかだよな。
うん、王都でも1日1000発を出し続けて叔父宅地下室のガンロッカーに備蓄し、2ヶ月に1回くらいは複座機か3座機で持って帰ろう。
鍛造機を多数導入した経過を定期的に見守る必要もあるもんな。
1000発を2ヶ月60日分で60000発。
1発12gなので合計720kg。
50発入り紙箱1200箱分という結構とんでもない分量になる。
まぁガレージを使い慣れて来たんでこの程度は余裕だな。
マーク達には知られてるんで無問題だし。




