154◇鍛造機増産
154◇鍛造機増産
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屋敷に帰った俺は早速父親に報告する。
「父上、ガーソンの工房に行って鍛造機の稼働状況を見てきました。職人の体力温存と効率向上にかなり役立っていますので追加しようと思います。私の方で采配させてもらって問題ないでしょいか?」
「おお、早速効果が出ているのだな。うむ、お前の好きな様にやってくれ。支払いはどうするのだ?」
「その点についても私におまかせください。私が自分のために手配するという建前にすれば材料費だけで軍部工場に発注できますので、工場の他の工程の様子を見ながら追加発注をかけます。」
「おおすまんな。もし予想外の事が起こったらすぐに言うんだぞ。出来る手助けは何でもするからな。」
まぁそれがこの領を富ますことになるんだから少々の手間と援助は惜しまないか。
早速自室に帰って叔父宛に伝書鳩便を書く。
鳩の足に巻きつける紙なのでかなり書きにくい。
まぁそれでも書く内容は短いので問題はない。
以下を国軍情報局のロナルド・モーガン中将に申請されたし。
追加注文内容
ストライカーハンマー鍛造機:9台
魔道送風機:7台
理由
ランバート領に持ち帰った2台の鍛造機の働きを確認出来たため。
鍛治職人全員に使わせる数量としての追加必要数。
注:
2台ずつ、または3台ずつ毎の分納にし、軍部工場の稼働状態に影響の出ない範囲で製作希望。
その単位でランバート領領主邸宛に送付願いたし。
全てマーティン・ランバートの個人使用用途とし、使用材料をリスト化してその都度申請すること。
この情報は王都学園魔石部のエドモンドと工作部のモーリスにも共有のこと。
うん、これでいいだろ。
叔父上にもあらましは話してあるのでわかると思う。
まぁエドモンドとモーリスに話が行けば全部やってくれると思うが。
執事のセバスチャンに言って叔父宅宛の鳩便に乗せてもらう。
確実を期すため同じ文章で2枚書き、2羽で送ってもらった。
伝書鳩は所詮動物だ。
帰巣本能で飛んで行くが、小型の鳥なので途中で猛禽類に捕食される場合もあるし、そもそも個体差で帰る巣を発見出来ない場合もある。
一刻も早い軍運用による定期航空連絡網と余剰貨物利用の民間航空郵便事業を始めて欲しいものだ。
うん?
テストケースとして、まず王都とランバート領との間に定期便を飛ばしてもらうのはどうだろう?
既に俺が飛んだ実績もあるし、魔道銃の納品にも使える。
1丁5kgくらいなんで、10丁でも50kg程度だ。
弾薬と合わせても60kg程度なので全く問題ない。
毎日飛ぶことを考慮すれば5丁でも1丁でもいいしな。
約500kmあるが、3座機なら5時間足らずで飛べる。
最初は安全のために2人搭乗で運用し、荷室は80kg程度までとする。
2人搭乗なら交代で操縦すれば休憩無しで飛べるしな。
軍の定期連絡に10kg使ったとしても70kgは余剰になるので、この時点でも民間郵便に使わせる事に問題はない。
うん、王都に帰ったら早速中将を焚き付けよう。
まずは試験運用のテストパイロットを俺とデビッドで引き受けると言えば断りはしまい。
飛行ルートも前回の帰省飛行でだいたい分かっているし、何より飛行経験が一番豊富だ。
滑走路も王都側は軍部工場の裏の空き地、ランバート領側も練兵場がそのまま使える。
将来的には専用の滑走路が必要になるが、テスト運用なら現状で問題ない。
スカイコンドルの6人にも同時に3座機3機に搭乗させ、編隊飛行で訓練すれば早々に俺の手を離れるだろう。
情報局だけでなく、国軍にも航空部隊を作るべきだな。
何せ全国に飛ばすと情報局だけでは人員が足りまい。
各地の駐屯地も国軍の管轄なので、滑走路を作るにしても管制塔を維持するにしても国軍の人員を使う必要がある。
うーん、これなら3座機の生産は10機程度で一旦停止し、もっと大型の機体を考えるべきか。
しかし大型化すると維持費が格段に増えるので定期連絡便には過剰となる。
ならば4座機程度に抑えて、2人乗りと200kgのペイロードで合計400kgの積載能力で設計すれば良いな。
さて、そろそろカイト翼をどうするかだが、まだしばらくはこの形状で行きたい。
固定翼は木製でも金属製でも作れるが、メンテナンスや破損時の修理を考えるとまだ旗布張りのカイト翼の方が簡単だ。
この国の工業力を考えるとまだ固定翼は時期尚早だな。
うん、カイトプレーンになって擬似固定翼になっているので複葉機化しよう。
幅も狭く出来るし、製作も分業出来るので生産効率も上がる。
何より冗長化になるので大型飛行生物に衝突した場合でもいきなり翼全損はしないだろう。
そうなると抗力の位置が上がるので、魔道ジェットエンジンの取り付け位置を上に上げる必要があるな。
まぁこれは適当なパイロンを考えておこう。




