幕間① 竜の巫女クロハ
「くふふ、おもしろいことになってるわね? ユウタはどうするの?」
「……クロハはなんかご機嫌だね? 俺が困っているところを見るのが楽しい?」
ここは俺の夢の中だ。今神社の建物の中におり、一人の少女と話している。
長い白髪に巫女服。顔立ちはミホとそっくりだが、背中からはカラスのような黒い翼が生えている。
彼女の名はクロハ。ミホと体を共有している、もう一人の存在だ。ミホが学校に行ってる間は紙の依代で別行動しているが、こうして夢の中で俺と話すこともある。
「……私の説明どうも。でも、誰に説明してるの?」
「クロハさん? そういうのやめて」
「? いいわよ。次からはスルーするわ」
「……いや、そういうことじゃ……まぁいいや」
「まぁでも、ユウタは誰を選ぼうと、そう変わらないと思うわよ?」
「えっ?」
「……そうね。例えば賢者を選んだとすると、皇女様たちが『独占するな』とか、守護者が『こっちにも来てくれないと協力しない』とか言い出すでしょうね?」
「はっ?」
「ミホも黙ってないでしょうね。普段は絶対に使わない巫女の権限を使って、あんたを神殿に監禁。最悪の場合、竜陣営VS人類という、アースガルズ史上最大の危機になるかもね」
「はっはっは! 何を言ってるんだ? そんなわけ……ないよね?」
「……というのが最悪の想定だから、まぁ十分あり得るんだけど」
「クロハさん、笑わないでください」
「大丈夫よ。もしそうなったら、ミホとユウタを連れて別世界に行くから」
「それは安心……していいのか?」
「私からしたら、あなたとミホがいれば問題ないわよ?」
「……クロハはブレないね」
「そうかしら? 少し前まではミホがいれば十分だったけど、最近はユウタもいないとだめになったから、少しブレたわよ。くふふ……」




