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アースガルズ・ガール  作者: カサノクロドミ
第3章・禁書庫と皇女様
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禁書庫と皇女様⑧

「さて、シアさん。ようこそ、禁書庫もとい『漫画収蔵庫』へ」


「まんが?」


「そう、扉に『漫画収蔵庫』って書かれていたからね。ここに並んでる本は、全部漫画だろうね」


螺旋階段に沿って本棚が並んでいて、上を見上げるとどこまでも続いているようにも見えた。


「……どれどれ。……やはり異世界語は読めないですね」


「あぁそうか、読めないよな……」


「……ユウタ?」


「さっきオレが割に合わない的な事言ったの覚えてるよな?」


「もちろんです。」


「とりあえず、オレが読んで聞かせてみようか?」


「うん?」


ユウタとシアは隣り合って座り、ユウタが本を読み始めた。


「じゃあ、まずこれ。『勇者の冒険譚』。死んだ青年は異世界でチートをもらって成長し、魔王を倒して王様になる話だ」


「なるほど、漫画はこう読むのですね。内容はまあ、都合よくできてますね」


「読者が気持ちよく読めるようにする配慮だね。次は『爆裂サッカー』。サッカーっていうスポーツを、演出過多で描いたものだね。向こうの世界には魔法がないから、ボールが燃えるなんてありえないんだけど、そういうものとして見るんだよ」


「……それでユウタは何が言いたいです?」


「今見た漫画から国を良くするヒントは得られそうかい?」


「……」


シアは黙ってしまった。しかし間をおいて言葉を紡いだ。


「……でも、ユウタ。漫画は時間を忘れて見入ってしまうほど面白かったです」


「いいところに目をつけたね。そう、漫画はすべてがそうとは限らないけど、基本的には娯楽なのさ」


「……この世界とは本の概念が違う?」


「漫画もこの世界に落とし込めば、娯楽の一部として認知されるかもだけど、それって、異世界文化の侵略だよね?」


「!」


「おそらくここはオレの先人のコレクションで、亜空間にあるんだと思う。ミハル様たちが危険性を感じて、禁書として管理してるんだろうね。それじゃあ禁書の件はこれで……シア?」


シアはユウタの腕を掴んだ。


「……まだ終わってないです。私はユウタの秘密を知ったです。それなのに成果なしじゃ終われないです」


「なら時間がある時にまた来て少しずつ読もうか?」


「ユウタ?」


「許可証はオレが持ってるし、いつでも入れる。今日は帰ろう?」


「分かりましたです。毎日でも連れてくです。」


「オレの都合のいい時な!」


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