車椅子の少女と歌姫②
こうして、2人はひとまず自己紹介を終えた。
「……お兄さん、その制服ってポラリス魔法学園ですよね?」
「そうだよ。1年生だよ」
「私の姉が3年生なんですけど、知ってます? アスカって言うんですけど?」
「……うん、よく知ってるよ。出会った頃は『お前、私のサンドバッグにならないか?』とか『お前みたいな男はそうはいないよ。壊れなくていいよ。お前は。』とか言われて気に入られたよ……」
「お姉ちゃん!」
「でもあの人、スキンシップが激しくてさ、体のいろんなところが当たったりして、嬉しいんだ」
「……」
年下の少女から、物凄く哀れな生き物を見るような目を向けられた。
「……ところで、失礼な質問だけど、カエデちゃんは片手でリンゴを握り潰せたりするの?」
「本当に失礼ですね!私を何だと思ってるんです?」
「……だってアスカ先輩の妹さんなんでしょう?あの人、片手でリンゴどころか岩を粉々にするよね?」
「……確かにお姉ちゃんならしますけど、私は見ての通り、今は病気で体が弱っていて、リンゴを割るぐらいしかできませんね」
「えっ!素手でリンゴを割れるの?やっぱアスカ先輩の妹さんだわ」
「……お兄さん、少しこっちに来ませんか?」
「……えっ、何? 笑顔が怖いよ」
近づいて来たカエデに頭を掴まれた。
「最近試してなかったから、お兄さんで試しますね」
「……カエデちゃん、冗談だよね……ギャー、頭が―!」




