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第五部 第八章

 という訳で昨日は寝た。


 思っていた以上に疲れていたらしく……当たり前だが……寝たおかげで頭が良く働くようになった。


 訓練場の情報が欲しいので、情報屋に会う事にした。


 元々、サポーターにはある程度は活動費が貰える。


 特にゴールドサポーターでテンフィンガーの俺は沢山貰っている。


 何しろ、死ぬ可能性も高い仕事だからだ。


 だから、自分でもやばいと思った時は、まずは情報屋で下調べをする。

 

 こういうのは大事だ。


 自分のスキルコミニュケーターが便利ではあるが、裏を返すと初見で相手に使えない場合には全くの情報なしで戦う事になる。


 そう言うのは自分が別に強いわけではなく、インチキで勝ってきたとちゃんと自覚している俺にとっては絶対に厳禁である。


 あくまでインチキだけの存在だと骨身にしみて考えることが大事だ。


 同僚で自分に自信を持っている奴は辞めるか死んでいく職場である。


 早く、アーリーリタイアするつもりだったから、この職も続けていたのに、リタイヤがベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下の為に無理になってしまった。


 ならば、逆に命を大事にしないと。


 今回忠告してくれたアリアーネ嬢にしても、俺が死ぬだけでなく怪我しても処刑されるだろうし。


 いや、暴君だよな。


 などと洗面器に水を汲んできて歯を磨く。


 塩を中心にした磨き粉で、軍にも支給されている奴だ。


 水は井戸になるので、汲み置きで大きな清潔な壺に入れてひしゃくで汲む。


 まあ、塩素が入って無いから、煮沸は絶対にする。


 日本で塩素が水道に使われるまで、乳幼児が万単位で年間に亡くなっていて、10万代になった事もあるそうだから、井戸水で生活する以上、煮沸は必須である。


 まあ、ロシアとの戦争に毒ガスとして使われるはずだった塩素ガスを簡単に持ち運びができるように大日本帝国が開発した塩素水が戦争が無くなったので余ってて、国民を救うと言う現実は皮肉だが。


 それにしても、どうするかな? 


 まずは情報屋に会ってからだな。


 とにかく対戦形式の訓練場ってのが面倒くさいな。


 出入りするところの情報を掴んで、外で後をつけた方が良いかもしれない。


 俺はとにかく目立つから。


 目立つと言うか、妙に変なタイミングで声がかかるからなぁ。


 覗きに行ったら対戦をって絶対に言われそう。


 で、妙な気配を感じて、入り口を見た。


「んん? 」


 それで首を傾げる。


 そうしたら、官舎のドアをノックされた。


 誰だ? 


 と思いつつも、多分、あの人だろうと思う。


 それでドアを開けたら、やはり<疾風>さんがいた。


 なんか、食い物を買って来てくれている。


「ど、どうしたんですか? 」


「いや、一応、護衛役だし。昔の冒険者仲間にいろいろと聞いたら、相当厄介な話だと言う事を聞いてだな……」


「ん? ゼス皇帝ですか? 」


「いやいや、<ワールハイドゥ>だよ。あの護衛の<祈り(ゲベード)>もそうだが、結構やばい世界のがいるらしい」


「ええ? 」


 顔が歪む。


 でも、確かに、その可能性はある。


 ワッセナー商会はデカいけど、いろんなとこにチョッカイを出すので、結果としてそういう人材が多いのだと聞いたことがある。


 面倒くさい事になったなと。


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