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第四部 第二章

 それにしても、俺がギルドキングダムの主人公ポジションか?


 確か、主人公が女王陛下と結婚できた理由があったな。


 確か、光の属性を持つのだ。


 つまり、主人公は自分の剣に光の力を乗せる事であらゆるものを斬れる奇跡の力を持っている。


 だから、勇者として覚醒して、ただの冒険者から勇者となる事で、女王陛下と結婚できる存在となるのだ。


 身分は子供のいない大貴族の家に養子で入るのだが、それは請われた形だった。


 と言う事は、俺は主人公として光の属性を持つことになる。


 そんなものあったっけ?


 今のところスキルコミニュケーターしか持ってないんだけどな。


 それと、その勇者としての能力で、この世界のラスボスの神聖帝国のゼス皇帝を倒すのだ。


 それは女王陛下との共同作戦にはなるが……。


 まあ、それは、まだまだ先の事だが。


 などと考え込んでいたら、ほっとした表情のアリアーネ嬢がこちらに来た。


 なんだろう?


「えーと、あれは私の方から言っておきます」


 そうアリアーネ嬢が俺を見た途端にちらと護衛の近衛を見て話した。


 あまりに異臭がするので、最初に気になったのだろう。


 人が少ないとは言え、ギルドキングダムの国家が誇る中央冒険者ギルドの喫茶店であの姿は問題がある。


「ああ、絶対に俺は手は出さないからと言っといてよ。そういう趣味は無いし。」


 俺が困り果てたように話す。


「それにしても、まさか、あんな理由とは……」


 そうアリアーネ嬢が咳払いをして小声で呟いた。


「いや、俺も驚いたよ。別の世界に転生していたし、別の人生をやり直しているつもりだったから」


 声は小さいけど、俺も本音で答えた。


『声を小さく。監視されてます。あの近衛なんて目じゃないものが』


 そうアリアーネ嬢がさらさらと持っていた書類に別の説明をしながらそうやって走り書きをした。


 俺が驚いたあまりに、慌ててスキルコミニュケーターを発動させた。


 そうしたら、驚くことに喫茶店のメイドさんも、そこらにいるお客様もベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下のスパイだった。


 しかも、凄腕の暗殺能力があるらしい連中だ。


 表に出ていない特殊な部隊らしい。


 恐ろしや。


 近衛は囮か。


 あれが監視してますよってあからさまにやる事で、こちらの油断を誘っていたようだ。


 というか、誘ってるんじゃなくて、それだけ用心深いのか。


 ぞっとした。


 進藤結衣(しんどうゆい)って、そんなに恐ろしい性格だったっけ? 


 ここまで執着されるとか。


 そして、その怪物だった少女に知らんうちに、そういう方向性を与えてしまったのが俺が前世で刺されて死んだ事だという事で……。


 まずいな、本当に何とかしないといけない。


「で、ですね。今日の依頼ですが……」


「え? 今、話し合いが終わったばかりで、依頼? 」


 俺がうんざりした顔で呟いた。


 家でぐっすり寝たいのに。


 しかも、依頼系の話は冒険者の色恋だとか人間関係の揉め事とか碌なものが無いからだ。


「それと、後でここに連れてきますが、ベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下のご命令でダンジョンとかに入るのに、近衛が付いていくわけにはいきませんから、<疾風>さんがゴールドサポーターのサポーターとして貴方につきます」


「は? 」


 俺があまりの話に唖然とした。


 いや、それってあからさまじゃね? 


 そう考えて、そうか、<疾風>さんも真実を知ったからベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下の監視対象になったんだと理解してぞっとした。

 


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