第九部 第三章
これだけの面子にビビられてびっくり。
そうかぁ、初代皇帝もそれで神聖帝国作ったんだ。
逆に地味に暮らそうとしている俺からしたら、迷惑な話だな。
「ソンナオソロシイヤツダッタノカ」
などとリリーが騒いている。
「いや、ベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下ほどでは無いだろう? 」
「マアソウダガ……」
などリリーが話す。
「そう言えばベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下が自らリリーをボコボコにしたのもお前への精神コントロールを解くためだったんだ」
などと納得した。
「ンナワケナイワ、ワタシハスデニボーットシテイタノカラ、モトニモドッテイタカラナ」
などとベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下から結婚を目指されている俺からするとゾッとする事実が確定した。
そうか、やはりそう言う性格ではあるのか。
和貴が俺を刺していたとはいえ、タイガースープレックスで殺した話だったが、あの口ぶりからだと和貴がどうなるか知っていたはずだし。
などと言い合いをしていたら、ヨハンネスはそれどころで無い感じだった。
「クンラートっ! 地下の階層に万も神聖帝国は動いているのか? 」
「はああ? 1000とか言ってたろ。単なる小競り合いだと聞いたから、俺は仕方なしにワッセナー商会の件で参加したんだ。そうでなければ、あんな怖い女王に反旗を翻すような事に関わり合いになるわけが……あぁぁあああああああぁあぁああああああぁあああ! 」
などと俺の心臓に悪い事を言いながら、目の前の出入り口が塞がった19号ダンジョンを見て叫び出す。
「うるさいぞ」
「馬鹿っ! お前はなんてことをしたんだ。俺達、皆殺しじゃないかっ! 」
「黙れっ! それよりも神聖帝国の兵士がどれだけ入ってきているか教えろ! 」
クンラートも必死だがヨハンネスも必死だ。
ヨハンネスに押される形でクンラートが頭を地につけて音を察知し始めた。
なんか、<疾風>さんも聞き耳スキルと言っていたが、ダサいので殆どがその名前を口の中で言って外には聞こえないようにすると聞いたが本当だったんだ。
「おいおいおい、万以上いるぞ? 正気か? 俺たちを逃がしてくれるのか? 19号ダンジョンを破壊した以上は俺たちは二度とギルドキングダムには戻ってこれないぞ。あの女王陛下は一度敵に回ったら絶対に許さない」
<ワールドハイドゥ>の連中がそれで凄いショックを受けた顔をしていたが、それ以上にショックを受ける俺。
やはり、逃げれないのか……。
「ナンデオマエガクラクナルンダ」
「いや、先々の人生を考えて、いろいろと重たく考えていたから……」
「ハハハハハハハ、シンパイスルナ。コンカイハアマゾネスガゼンブウゴイテイル。コレハオマエノドウテイヲマモルトキイライノコトダゾ」
「は? 」
「え? 」
「本当だったのか? あの噂は。寵臣のアチアチカップルのアニサキスの童貞を守るために全軍を動かしたとか言う噂だが……」
ヨハンネスが動揺していた。
そして、それ以上に俺が動揺していた。
「ドウテイガバレテモキニスルナァ! 」
などとバンバンとリリーが俺の肩を叩いているが、そっちじゃない。
いや、多少はあるかもしれないが……。
「それってギルドキングダム全軍がすでに動いているって事じゃん」
俺の言葉にヨハンネスの顔がさっと暗くなる。
「全軍とは? 」
<疾風>さんが聞いてきた。
「多分、俺達、囮だ! ゼス皇帝を誘い出して殺すために罠をかけたんだ! アマゾネスが全部動いているとかは、先に言えよ! ベアトリクス・フォン・アレクスト女王陛下の事だ、ギルドキングダムの全軍全力で来るぞ! 」
俺の言葉で全員が真っ青になった。




