第九部 第二章
設定時間間違えてました。すいません。
<疾風>さんが何かに気が付いたように、地面に這いつくばった。
「馬鹿なっ……」
その動揺は隠せない。
「ほう、冒険者のレジェンド殿は気が付いたらしいな。なるほど、神聖帝国の正規軍が動き出したか」
ヨハンネスが笑う。
「正規軍も連れてきているのか? 」
俺が驚いて突っ込んだ。
聞いてないよ、そんなの。
もう、戦争じゃん。
「万はいるな。最下層の近くに雪崩れ込み始めている。それが異様な地面の気配から分かった」
「は? 」
「「「「「え? 」」」」
<疾風>さんの言葉からヨハンネスが間抜けな言葉を漏らしたので、一斉に<ワールドハイドゥ>の面子がヨハンネスを見た。
「馬鹿な。正規軍も1000名ほど精兵を集めて外に見張らせると聞いていたが、万はあり得ない」
「この<疾風>がクンラート・パウエル・ローデヴェイクのような追跡型の特別な傭兵だったのは知られた話だろうが」
「お、おい。クンラートを連れて来い」
慌ててヨハンネスが騒ぐと、奥からぼんやりした顔のクンラート・パウエル・ローデヴェイクが現れた。
まだ、スキルコミニュケーターがかかっているようだ。
それをヨハンネスが頬を何度も引っ叩く。
血が出るほど叩き続けていた。
「精神コントロールを解くのって、そうやってするんだ」
俺が驚いて聞いた。
「はあああ? 自分の能力の把握とかどうなってんだ? 精神コントロールをかけるのと同時に解くのも大事な事だろうが」
「ほったらかしにとしいたら、長い時は1日くらいしたら普通に戻るし……」
「えええええええ? それだけの能力を検証もせずに使っているのか? もしもの時にどうするのか? 何を考えているんだ? 」
などとヨハンネスに怒鳴られる。
なぜ、俺が怒鳴られるのか良く分からんので、ちょっとムカつく。
「いや、お前、自分の能力くらい把握しろよ! 」
ヨハンネスがそう叫びながらクンラート・パウエル・ローデヴェイクを引っ叩くのを辞めた。
口が切れて血がにじんでいるからかもしれない。
それだけの痛みを与えたという事だ。
「ううむ。え? 何で叩かれてんだ? え? 」
驚いたようにクンラートが唇の血を拭って、ヨハンネスを睨む。
「お前は<アチアチカップルのアニサキス>の精神コントロールを受けて、奴にコントロールされていたんだ」
「はあ? 」
「だから、今まで頭がぼんやりしているだろう? 」
「そ、それでか。えええええ? <アチアチカップルのアニサキス>って心を読むとか、そういうスキルじゃないのか? 」
「精神コントロールが出来るようだ」
「マジか」
そうゾッとしたような顔でクンラートが俺を見た。
あれぇ?
こんなしょぼいスキルが、あんな歴戦の勇士で名だたる傭兵をゾッとした顔にさせるの?
「そんなに恐れないでも……」
「恐れて当り前だろ? お前、自分のスキルを何だと思っている? あの神聖帝国の初代皇帝も精神コントロールのスキルだけで帝国を作ったんだぞ? 」
「げぇぇぇぇぇぇぇ! 」
ヨハンネスに言われて、自分がビビった。
「薬剤を使わずに、それが出来るようだから、恐らく神聖帝国の初代皇帝と同じレベルだと思うぞ」
ヨハンネスの言葉に<ワールドハイドゥ>の連中が後ずさりする。
え、そんなに俺のスキルコミニュケーターが怖いの?
真面目に俺が途方に暮れた。




