↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者と書いて悪者と読め!!  作者: ALFA
第一章
PR
8/13

親友と書いて味方と読めるか?


 学校から帰ってきてすぐ、悠姫がヴォルフラムに聞いた。


「ねぇ、ヴォルフラム。何で結界効かなかったの?…あれ?でも声は聞こえなかったのか…?ん?どういう事?」

「あいつは多分、人間ではない。だから吾輩の姿が見えたのだ。声が聞こえなかったのはおそらく…」


 ヴォルフラムが言いよどむ。


「ん?」

「…おそらく、あいつが嘘をついているからだ。声は聞こえていたはずだが、それを隠した」

「んー、ヴォルフラムの言いたいことは分かったけど、水樹が人間じゃないなんてあるわけないって」


 悠姫は軽く笑い飛ばす。そんなこと、あるはずが無いと。





「だが、あれから他の〝クラス〟?とやらに行ってみたが、誰も吾輩には気付かなかったぞ」



 否定をしようとするが言葉が出てこない。悠姫をまっすぐに見据える緑の混じった琥珀色の瞳には、嘘も冗談も言っている様子はない。


 悠姫には分かっている。ヴォルフラムは、見た目は猫でも、魔王なのだ。麻野川悠姫を魔族だと言い放った、その同じ舌が水樹を人間でないと言ったのだ。きっと悠姫が知らないものを知っていて、経験していて、そこから分かるものがあるのだ。そして、悠姫がいくら否定しようと、所詮小娘の戯言、無意味な言葉にしかならないのだ。


「水樹は、人間ではないとしたら、何?あなたの敵?味方?」

「そんなこと、吾輩は知らない。あいつがどう考えているかなど、知る由もない」

「………」


 




 窓から見える月はきれいなまん丸だった。きれいな月は月光を放ち、それは部屋の窓から差し込むが部屋の電気に打ち消される。だから、窓に背を向けている悠姫は、窓に人影があることに気付かなかった。








「こんばんわ、ゆっきー」


 その明るい声は、今まで何度となく聞いてきたものだった。悠姫は驚きで声を出せない。ヴォルフラムはただ睨んでいるだけだった。




「ありゃ、驚きで声も出ない感じ?いーよ、さすがのゆっきーもこんなこと信じられないもんね?普通だよ、その反応。あ、ちなみに、敵か味方かで言ったら、味方の方だと思うよ?ゆっきーがどうとるかにもよるけどね」


 クスクスと悪戯っぽい笑みを見せる。それは学校でも聞いたことがある、とても可愛い声だ。



「え、な、み、水樹?何してんのそんなとこで?ッていうかどうやってそこまで…」

「どうやってって、瞬間移動?みたいな?何してるって、ゆっきーとお話しに来たんだよ」



 普通に言ってのける水樹。しかし悠姫には良く理解ができない。







 ――――――――水樹って、何者?魔族なの?





「そ、魔族だよ?でも、魔王の味方じゃない。ゆっきーの味方」



 悠姫が驚きで何もできないでいると、横からヴォルフラムが口を挟む。


「お前、何のつもりだ?魔王の前で、魔王の味方ではないと言うのは?」

「そのまんまだけど?私たちは『勇者』の味方であって、『魔王』の味方じゃないもん」

「…反乱者か。何故こちらにいる?」

「分かってるでしょ?ゆっきーがいるから」

「へ?私?」



 突然自分の名が会話に入ったことに、ただただ驚くことしかできなかった。

 

 












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。