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勇者と書いて悪者と読め!!  作者: ALFA
第一章
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12/13

敵対と書いて勇者と読めるか?


 ―――――何かが、おかしい気がする…


 ヴォルフラムは悠姫の家を出てから、ずっと同じ事を考えていた。近所を転々とし、色々な人間を見る。店を商っている者、会社に向かう者、学校に向かう者、買い物に出る者、全てがおかしい。


 確かにヴォルフラムにとっては慣れていない世界なので、本質は分からないが、それでも何かが違うと感じていた。


 ―――――何だ?アイツが絡んでいるのか?


 ヴォルフラムの言うアイツとは、『勇者』のことである。勇者とは魔王の敵である。











「勇者って、そんな人なの?」


「あぁ」


「でも勇者って普通、正義の味方でしょう?」


「じゃあ、魔王は悪か?」


「それは…」


「勇者だから善、魔王だから悪なんて簡単には言えない。だが実際に、力を持ちすぎる魔王は悪になりやすいし、その敵である勇者は善になりやすい。それが人間に変な先入観を与えた」


「だから、魔王に逆らう人間が増えた…?」


「そうだ。そして魔族の中にも反逆者が現れた」


「………」


「その結果、勇者は吾輩を猫の姿に封じ、魔界をも脅かしている」


「じゃあ、魔王と対立する者が勇者で、勇者の敵が魔王?善悪なんて関係ないの?」


「そうだ。今の勇者は完全に『悪』だ」











 悠姫に話したこと。嘘も偽りも無いが、彼女の、ユーキアータの記憶が戻ったのであれば、偽りと思われることもあると思う。無いとは言い切れない。彼女は――――――



 ―――――フン、バカバカしい。アイツが帰ってきたのなら、それまでだ。


 たとえ、それがヴォルフラムへの愛からじゃなくても、ユーキアータはヴォルフラムのところに戻ってきた。まだチャンスは、ある。何とか考え直させることも出来る。



 ―――――だから諦めないぞ、ラディ。






 ヴォルフラムは家に帰り、準備をし始める。猫の姿ゆえあまり準備は進まないが、それでも準備を始める。目の前に迫っているその時のために―――――

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