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勇者と書いて悪者と読め!!  作者: ALFA
第一章
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13/13

追憶と書いて懐古と読めるか?


 ヴォルフは、怒ってるかな。


 当然か。


 私は彼の言う〝反逆者〟なんだから。


 違う、って私が言うには、遅すぎたかな


 後悔が残るなぁ。






 そんな思いを抱いたまま、悠姫は一日を過ごしていた。あれからヴォルフラムと話すこともなかったが、彼はどうやら戦う準備を始めたらしい。まぁ、準備と言っても彼は魔王。ラディにかけられた術を解いて、元の姿に戻ることが出来れば戦うまでもなく、ヴォルフラムの圧勝だろう。



 いつかこうなるとは思っていた。


 小さい頃、ずっと仲良く三人(・・)で遊んでいた頃から。











 初めて三人で遊んだのは、十歳になるかならないかの時だった。



「ねぇ、人間の街(こんなとこ)まで来て良かったの?アルに怒られない?」


 見慣れない街中を二人で歩いていた時、そう言ったのはユーキアータだった。心配そうなユーキアータにこの脱走計画の首謀者、ヴォルフラムは言った。


「大丈夫だよ、お目付け役(アル)なんて。帰りたいのか?」

「そうじゃないけど…」


 ユーキアータは罪悪感と好奇心を秤にかけた。無論、ずっと城の中に閉じ込められていたユーキアータには、好奇心の方がずっと重かった。



 そうして向かったのは、人間の街で一番にぎわう市場だった。普段接している城の人たちとは違って、気軽に話しかけてきてくれた。


「おや、お嬢ちゃんたちどうしたの?お母さんは?」

「あら、可愛い子たちだね。ホレ、果物持っていきな」


 慣れないことだったから、少し緊張もしたが歩いていくうちにそれも忘れ、二人で色々なお店をまわった。そして色々なところでお土産を貰った。





「ねぇ、きみたちはどこから来たの?」


 市場を歩きまわって疲れて休憩していた時に、不意に声をかけられた。同い年くらいの少年で、金色の髪をしていた。市場では見かけたものの、こんなに近くで同年代の子供と接することがなかったので、話しかけられた時、驚きすぎて声が出なかった。


「……え?」


 そんなユーキアータたちの反応が不思議だったらしく、少年は首をかしげた。


「…どうしたの?」


 その声で、より社交的なユーキアータが我に返った。


「あ、えと、大丈夫。ちょっとビックリしただけ」

「そう?ならよかった。ぼくはラディ。ヨロシク」


 そう言って少年、ラディは手を差し出してきた。ユーキアータは一瞬躊躇ったが、その手に自分の手を重ね握手をする。


「わたしはユー…ユカ。こっちはウルフ。よろしくね」


 ユーキアータと言おうとして、言葉を止めた。魔族の王子と、その従兄妹となれば、人間に名前が知られていてもおかしくは無い。とっさに思いついた名前を使う。何のことは無い。以前飼っていた鳥の名前だった。





「ユカと、ウルフ?一緒に遊ばない?」 





 このラディの言葉から、全ては始まったのだ。


 あの忌々しい事件も。





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