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陰キャな俺の初恋相手の妹が、学年一の美少女になっていた。それでも、俺からしたらそれだけだ。  作者: 白浜 海


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計画のズレ

どうも! 白浜 海です!

なんと本日で1000pvを達成してました!

投稿を始めて3日でこれだけ見てもらえて感激です!

本当にありがとうございます!!

 入学式の日から早くも3日が経過した。


 この3日間は健康診断や校内案内、部活動紹介といった学校生活を送る上での説明ばかりで授業もなく、午前中に帰れるゴールデンタイムが続いていた。


 だが、そんな天国のような日々も昨日で終わりだ。今日からは本格的に授業も始まり、6限までぎっしり詰まっている。それでも、明日が土曜日でお休みという日程は学校側のせめてもの優しさだろう。


「いやー、今日から授業だな。楽しみなような面倒くさいような感じ!」


「俺は授業自体は嫌いじゃないけどな。授業中なら人と喋らなくて済むし」


「会って数日だけど、俺、悠のことよく分かってきた気がする……」


 相変わらず後ろの席の智也とは会話を交わすが、俺がこの3日間で喋った人間は智也と彩花だけだ。


 その智也と彩花もクラスに仲の良い友達が何人かできたようで、俺と話す頻度は徐々に減ってきている。実に良い傾向だ。2人と話すのが嫌な訳ではないが、1人の時間を確保することも俺にとっては重要なのだ。


「なぁ、悠ってなんでそんなに人を避けるんだ?」


「別に避けてるわけじゃないぞ? 今だって智也と話してるだろ」


「それはまあそうなんだけどさ。でも悠から話しかけてくれたことってなくないか?」


「用件がないからな」


「用件がなくたって、雑談くらいしたいと思わないのか?」


「全く思わないと言えば嘘になるけど……誰かから話しかけてもらって軽く雑談するくらいで、俺は十分満足できる」


 本音を言えばそれすらも不要なのだが、俺を気遣って話しかけてくれる智也にそれを言うのは気が引けた。


 中学時代は俺に話しかける者などいなかったので、ずっと一人で本を読んで過ごしていた。高校ではスマホの持ち込みも解禁されたので、一人で過ごす時間はより充実したものになるだろう。


「なるほどな。なら安心しろよ! 俺がちゃんと話しかけてやるからな!」


「そりゃどうも」


 そう言いながら、智也は俺の肩をバシバシと叩いて笑う。


 こちらの意思を尊重しつつも、明るく接してくれるこの性格は素直にすごいと思う。大抵の人間なら『なんだよこいつ』『気取ってんな』と離れていくはずだ。人間が出来ているというのは、智也のような奴のことを言うのだろう。


 そんなことを考えていると予鈴のチャイムが鳴り、先生が入ってきた。


 今日の1限目は現代文の授業だった。初回ということもあり、先生の自己紹介や授業の説明が大半で、大した授業もせずに終了した。それからの数学、英語、古典も似たような流れで過ぎ去っていった。


 4限が終わると待ちに待った昼休みだ。


 周りの生徒達は席をくっつけてお弁当を食べたり、食堂へと向かったりしている。智也も俺に少し申し訳なさそうな顔をしつつ、クラスの男子数人と弁当を持って食堂へと向かっていった。


(智也も、そこまで気を使わなくていいのに……)


 もちろん俺には一緒に食べる相手などいないので、自席で一人で弁当を食べる。一番前の席ということもあり、ぼっちで食べていると少し目立ってしまうのだが……席替えまでの辛抱だ。周囲の視線をスルーし、スマホを触りながら黙々と弁当を口に運んでいると、LINEの通知が鳴った。


 俺のLINEには基本的に妹からしか連絡が来ないので「夕飯のお使い依頼か」と思いながら開くと、送信者は彩花だった。


『ねぇ、悠くんもこっち来る?』


 視線だけをチラリと彩花の方へ向けると、彼女は遠くから小さく手を振ってきた。


 見れば女子4人グループで机を囲んでお弁当を食べているようだ。そのアウェイすぎる状況に飛び込むのはさすがにメンタルが死ぬので、丁重にお断りさせていただく。


『遠慮しとく』


『だよね(笑)』


『すまんな』


『いいよ! 断られるのは分かってたしね!(笑)』


(分かってたなら何で誘ったんだよ)と思いつつスマホを閉じようとすると、追撃のメッセージが届いた。


『この前に一緒に遊びに行こって言ってくれたけど、いつにする? 私は明日か明後日でも全然大丈夫だよ!』


「……え?」


 確かにそんな話もした。彩花が不機嫌そうにしていた時に機嫌を直してもらうため、そんな約束をした。


 けれど……それはこの前、智也と3人でお昼ご飯を食べに行ったことで消化完了したものだと思っていたのだが……。


 どうやら彩花の中では、あれは『遊びに行った』ことにカウントされていなかったらしい。


 ここで「この前メシ行っただろ?」なんて返そうものなら、彩花が再び不機嫌モードに入るのは火を見るより明らかだ。となれば、俺の返信など最初から決まっているようなものだった。


『俺もどっちも空いてる』


『ほんとに!? それなら明日にしよ!』


『了解』


 それだけ送って、俺は今度こそスマホの電源を切った。そして鞄から文庫本を取り出す。


(まさか、明日も出かけることになるなんて……)


 俺の平和な引きこもり休日計画は、あっけなく打ち砕かれるのだった。


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