表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

その6

「お客様・・・」あの男がおれに声をかけてきた。

 おれはいつの間にか、自分の世界に入り込んでしまったようだ。


「分かった」と、おれは言った。「でも、差し当たり家を建てる予定はない。でも、この窓は面白い。今、おれが住んでいる家、築ウン十年の家だけれど取り付けはできないのか?」

「勿論、可能です」と、男は言った。

「どれくらい掛かるのだ?」と、おれ。

「お部屋はインターネットが出来ますか?」

「それくらい出来る」と、おれはムットして言った。

「それでしたらこの窓が約三十万程度・・・。

 それから、当然、お部屋の改築が必要になります。お家の状態にも寄りますが、古い日本家屋となりますと二十万程度は必要かと?!

 計五十万円は必要になります!」

「五十万・・・」おれはオウム返しに言った。無職のおれにはとても無理な金額だ。そんな金を使ったら、一回も使わないうちの飢え死にする事になる。

 おれは思わず肩を竦めた。

 それでもおれは言った。「考えておこう」

「すみません」と、男が言った。「お所と、お名前を書いて貰えませんか?」

 おれは再び肩を竦めた。でも、男が差し出したボールペンを素直に受け取った。

 おれは気が小さくて、結局、人のいいなりになってしまう・・・。

 それで、昔から損ばかりしている・・・。



 それでも、おれは適当に住所を書き(警察が不審者の聞き込みにくることがあるかも知れない。なにせ、このモデル・ハウスはおれの獲物の棲家から五百メートルしか離れていないのだ)、モデル・ハウスを出た。(嘘の住所・名前を書く客なんて、いくらでもいると思う。)

 

 兎に角、殺人を成功させる(捕まらない)ためには目撃者をつくらないことだ!


 モデル・ハウスを出ると雨はやんでいたが、あたりはうす暗くなっていた。

 おれは今日の人殺しは諦めており、おれのボロ屋に向かった。


 おれは、楽しみは後に残すタイプなのだ。


 それにしても、あの“バーチャル・ウインドウ”が酷く気になった。

 今のおれの状況ではとても買えない事は分かり切っているが、酷く気になった!

 何故だろう?

 酷く気になった・・・。

 そう言えば、あの男何か大事な事を言っていたような気がするが、おれは別の事を考えていて聞いていなかった!

 

 あの時、あの男は何を言っていたのだろう?思い出せない・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ