第九百八十九話
「むう……やっぱり普段からしっかりした刀を振っていると、こういうおもちゃを振る時は感覚が全然違いますね」
椿はおもちゃの刀で、ふわふわ浮いている光の玉のようなものを叩き切っていた。
魔法を使って高い映像技術を発揮するに至ったアトラクションであり、光の玉をぶっ叩くときにわずかな反動が玩具に再現されるため、一応リアリティの追及は行われているといえる。
ただ、それを考慮するとしても、ほぼ物心ついた時から魔戦士というものを意識していた椿からすれば、あまり臨場感はない。
「むっ?あ、待ってください!ブッ叩いてやりますよ!」
光の玉を発見して追いかける椿。
……どうやら、臨場感は低いと思っているようだが、楽しいか楽しくないかで言えば楽しいらしい。
光の玉がふわふわ出現すると、それに向かって追いかけていく。
ちなみに難易度は一番高い設定であり、速度もそれ相応にあるのだが、椿の運動能力から逃げられるわけではない。
しっかり追いかけてブッ叩いていく。
「結構出てくる量は多いですし、速さもそこそこありますが、私の敵じゃないですね!」
むっはー!という雰囲気を放出しながらおもちゃの刀を振るう椿。
当然のようにボッコボコに光の玉を蹴散らしていく。
「むっ、次はあっちですね」
いろいろなステージが用意されている。
高低差があったり、障害物があったり、部屋の形式も縦長だったり正方形だったり。
そのため、どこかアスレチック風味な部分がある。
肘や膝にプロテクターを付けて遊ぶのだが、まあ椿には関係ない。
通常の人間の身体能力では椿は収まらないからね。
「あれ、この箱は何ですかね?」
途中で箱を発見する椿。
中を開けてみると、そこにはサブマシンガンが!
「おお、これは最強の武器ですね!」
大変喜んでいる椿。
……大丈夫なのだろうか。なんだかあまり大丈夫な感じがしないのだが、それは気のせいではあるまい。
「やっほーですうううううう!」
ズガガガガガガガガガガガガッ!と弾丸エフェクトをバラまいていく椿。
通常、このようなアイテムには弾薬に制限があるし、音もすごいので『連射し続ける』というのはなかなかの慣れが必要だが、椿にとっては『その程度』である。
「むふふ~!……あれ?弾が出なくなりましたね。もう弾切れですか……次の弾倉を手に入れますよ!」
どうやら刀を持ち込んだことにこだわりはないらしい。普段から自分が使っているカテゴリのはずなのだが……まあ、椿ならそうなるか(諦め)。
「むっふふ~!やっぱり朝イチの弾幕パーティーは最高ですね!」
どういう教育を受けているんだ……と、観客席でモニターで確認している生徒たちは思っているわけだが、誰だってそうなる。
……楽しそうで何より。としか言えないけどね。正直。




