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第八百八十七話

 生徒会の役職というものは様々だが、基本的に『生徒会長』『副会長』『庶務』『会計』『書記』『広報』である。


 生徒会長はフォルノス。

 副会長は林道国枝。

 会計は相模牧人。


 この三人が生徒会執行部の中でトップスリーの実力のため、最も多忙な牧人はともかく、実力的な意味でもかなり認知されている。

 というわけで、残りの役職だが……。


 庶務 冨里弘明(とみさとひろあき)

 書記 漆原祐樹(うるしばらゆうき)

 広報 香原翔一(こうはらしょういち)


 この三人がその席に座っている。

 誰?と思った方はすでに忘れてしまったのかもしれないが、発言を最初にやったのは雫が編入してきたとき。名前が出てきたのはエイミーが転校してきたときという古参キャラである。古参=忘却と定義してもほぼ問題ないため、忘れていても別にいいけどね。

 一応解説しておけば、冨里弘明は体格がいいスポーツ刈り。漆原祐樹は身長が低い茶髪の弟系。香原翔一は無個性の極みのような外見をしている。


「……なあ、お前たちっていつから生徒会所属なんだ?」


 フォルノスは三人に聞いた。


「大体、今年度の二学期頃かな。会長は知らないと思うけど、いろいろバトルロイヤルとかで派閥を作ってるときにも僕たちは混ざってたんだよね」

「『生徒会派閥』がバトルロイヤルで結成されたという話は聞いていたが、そのころから活動していたわけか」

「そういうこった。基本的に三人でダンジョンに潜ってるんだよ」

「ほう。ちなみに使う武器は?」

「ころころ変わるが、基本的には弘明が重量型、祐樹は銃、俺は直剣で遊撃だ」

「ほう……なんていうか、普通だな」

「「「アンタの属性が濃いだけだよ」」」


 キャラというよりは『神祖の派閥のリーダー』と『秀星がいる学校の生徒会長』という点で属性がやたら渋滞している。


「で、実力の方はどうなんだ?」

「ん?天窓学園とのイベントの話か?」

「ああ。実力は知っておいて損はないだろう。とりあえず、お互いに『生徒会長』『副会長』『庶務』『会計』『書記』『広報』が集まることになってる。役職の中で二人以上いる場合はリーダーが出てくるということになっているんだ。外部から戦力を一時的に呼ぶということはできないルールになっているからな。お前たちの強さを把握しておくことは必要だ」

「……俺らってどれくらい強いんだろうな」

「三人よったら国枝二人分ってところかな」

「そんなもんかね?」


 さすがにフォルノスは別格というかそもそも人間の枠で測っていい存在ではないので仕方がない。


「ふーむ……なるほど」


 フォルノスは考える。

 おそらくミーシェが参戦するとして……一体何の役職が務まるのかいまいち不明だが……それはともかく、おそらく入ってくるだろう。

 さすがにミーシェとの戦いは自分がやる必要があるし、他の誰かが入ってくる余地はない。


「あと、確か向こうの生徒会長って彼女いたよな。副会長になってたはず」

「ああ。秀星の妹だろ?」

「……え、アイツって妹居たの?」

「姉も妹もいるぞ」

「……知らんかった。で、その妹の実力は?」

「国枝が1.5人分くらいかな」

「ふーむ……そういえば、牧人はどれくらいの実力なんだ?」

「大体国枝2人分だな。国枝の方がスペックは上だけど、戦闘技術に関しては牧人が強いぞ」

「なるほど」


 それは要するに、その妹さんに勝とうと思えば牧人をぶつける必要があるということだ。


「……で、あちらの生徒会長の実力は?」

「国枝が……百万人分ってところかな」

「計算から外そうか」


 漠然としすぎていてなんの参考にもならなかった。


「とりあえず、会長が向こうの生徒会長を抑えるということで……」

「いや、無理だ」

「え?」

「私の同族……ミーシェと言うんだが、むこうの生徒会に入るようでな。私が最初からそいつと戦うことになる。向こうは私を一直線に狙ってくるだろう。要するに、私以外の五人で、残る向こうの五人を相手にするようなものだ」

「……」

「……一応聞いておくが、向こうの生徒会の残る三人はどの程度だ?」

「国枝の4分の1ってところだな」

「そうか……ていうか、なんでそんなに戦闘力に差があるんだ?」

「というより、こっちが脳筋なんだよ」

「生徒会執行部に必要なのは適切な運営能力だからな。戦闘力は二の次だ。流石に魔戦士学校の生徒会長は強さが求められるようなルールになってるけど、他の役員はそうでもないぞ」


 まあ、お互いに神祖を抱えている時点でいろいろおかしいことになるのだが、それはそれ。


「言いたいことはわかった。となると、牧人には元魔王の妹さんと残りの雑魚を片付けてもらう必要があるな。で、お前たち三人と国枝で魔王を抑えて、私がミーシェを倒したあとでこちらに合流してその元魔王を叩きのめすということになるだろう」

「雑……」

「ていうか、なんで牧人は元魔王と戦わないんですか?」

「策でどうにかなるようなスペックじゃないからな。より真理に近い国枝を当てて、魔王としての耐性をうまくくぐり抜ける必要がある」


 実力的には国枝よりも牧人のほうが上だが、それは常識が通用する場合の話だ。

 スペックという意味では牧人よりも国枝のほうが高く、最高出力も国枝のほうが高い。

 魔戦士に常識的に求められる範囲では牧人のほうが強いということなのである。


「まあとりあえず、大雑把だが方針はわかった。あとは国枝と相談して作戦を詰めておくか。ちょっと牧人から文句言われそうだけど」

「最近。国枝がプログラムを作って牧人の仕事が減ったからな。多分会長と牧人の一対一の話し合いだと何も聞いてくれねえぞ。国枝は誘っておいたほうが良い」

「……」


 少なくとも人望がほぼないことがわかった。

 この点に関して言えば、昔の話ではあるが魔王として君臨して運営していた基樹のほうが上だろう。

 支持率アップはまだまだ遠い話である。


(とりあえず君たち。勝手に人を単位にするのをやめてくれないかな?)


 四人が話している扉の奥で、国枝は内心で呟いた。

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[一言] 国枝に同情w
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