第八百七十話
「……フォルノスのやつ。どんな感じで『活動』してるのかって思ったら、沖野宮高校のホームページからリンクを張って、それをタップするだけで見れるようになってるな」
「というか、この学校のホームページって掲示板のようなシステムが備わってるわけじゃないよね。どうやって張り付けたんだろう」
「まあ交渉して張り付けたか、実は気が付いていないだけでそういう機能が元からついているか……いずれにせよ、利用できるものは積極的に使ってるのは確かだな」
どのような結果になるのかは依然としてわからないものの、とりあえず選挙活動を行っているらしいフォルノス。
おそらく自撮りで自分の主張のようなものを撮影して、それをホームページに張り付けている。
学生専用ページに張り付けられているので学校外の者は見られないようになっており、まあちょっと見つけるまでが面倒だが、それでも『見ようと思えばいつでも見られる』というものになっている。
「秀星君は動画を見たの?」
「いや、興味がないから全く見てないよ」
「そ、そうなんだ……」
呆れたような表情になる風香だが、まあ……興味がないのは風香も同じである。
「……フォルノスさんは神祖だから、とりあえず実力に関しては誰も文句を言わないもんね。あとは、どんな公約を掲げるのかとか、どんな主張があるのかとか、そういうものだし」
「だな。会長になるのが誰なのかはともかく、そもそも現在の生徒会メンバーは優秀な奴が揃ってるから、リーダーがしっかりゴールを見据えて動くことができればそれについていけるだろうし。オマケに、散々神々がかかわっていたからな。ある程度。耐性もあるだろ」
結果的にどのようなことになるのかはともかく、現状としてはだれが当選しても問題はない。
まあその気になれば秀星が引っ掻き回すけどね。
「椿ちゃんってこういう動画を見てるのかな」
「多分見てるんじゃないか?セフィコットが現在手伝ってるみたいだが、しっかりやってるみたいだし」
「ふーん……それにしても、フォルノスさんって結構画期的な感じだね」
「いや、別に画期的というものでもないだろう。動画を投稿するということそのものは別に今の時代なら難しいことじゃないしな。フォルノスがやっていることが画期的なんじゃなくて、そもそも俺たちの方が生徒会っていう組織に対して何の魅力も感じていないから生徒会選挙が盛り上がらなかっただけだろ」
「それもそっか」
生徒会選挙に限らず、多数から票を集めることで支持を得ることで機能する『概念』は数多く存在する。
特にサブカルチャーに近づくほど、ルールがあるとはいっても好き勝手やるものが多いだろう。
「誰がどんな主張をするんだろうね……というか、多分フォルノスさん以外は何も考えていないような、そんな雰囲気があるんだけど」
「だろうな。俺がポイントチケットなんて派手なものを作ってしまったから、そこから新しく何かを作るって言っても、ほぼ根性論くらいしか出せない可能性もあるし」
「迷惑すぎたね」
「反省も後悔もしませんけどね」
面白そうだ。という感想を出したからやった。
別に珍しいことではないのだが、ありとあらゆる技術に精通している秀星だからこそ意味不明なことになる。
それもまた当然のことである。




