第千二十一話
「すみません!風香先輩!あのゲーマードラゴンの攻略法を教えてください!」
清磨は風香のところに突撃して、そのまま頭を九十度下げてお願いしていた。
「……なんで私に聞きに来たの?」
「一番火力が高そうなので」
「一番高いのは秀星君だと思うよ」
「参考にならないランキング殿堂入りじゃないですか!」
確かに。
「なるほど。火力かぁ。確かに、あのドラゴンって防御力凄いもんね」
「それを突破する方法を知りたいんだ。だって……もともと強さのバランスおかしいでしょ!」
「確かにそうだけど……でも、こういう時はもっと柔軟に考えないとね」
「柔軟に?」
「そう、グレイはね。『野生』に存在するモンスターじゃなくて、『ダンジョン』に存在するモンスターだってこと。だから、ダンジョンに設けられていそうなルールにのっとってその強さが設定されてるってこと」
「ふむふむ」
「要するに、『ダンジョンのボス部屋以外の場所に何かがある』ってことだよ。素材にしても、アイテムにしてもね」
「なるほど!……あれ、ほかのダンジョンってそんな感じになってたっけ?」
「知らないの?」
「だって……普段は宝箱すら開けないから。魔石だけ手に入れてる。アイテムってかさばるし」
「……そっか」
普段の清磨は、『社員総出で魔石を手に入れる』→『その魔石を本社に集める』→『清磨がすべての魔石に対してマキシマムシフトォォォ!』→『それらを一気に売却!』という流れで、新興の魔石販売会社としては異例の利益をたたき出している。
ただ、これを効率化する場合、魔石以外のものがあるとダルいのだ。
「だからとりあえず、ボスに回る前にダンジョンを一周してみるといいよ。確かにダンジョンはラスボスを倒して大団円って感じだけど、ダンジョンはいろいろなところを回ったほうが楽しいからね」
「はあ……」
「まあ、結構運任せで遭遇できるレアアイテムとかもあるんだけどね」
なんてRTA泣かせなダンジョンなのだろう。いや、あの人たちは効率を求める変態だからそっちのほうが喜ぶか。
「アドバイスありがとうございます!それでは!」
清磨が元気よく去っていった。
回避と命中は何とかなったが、肝心の火力がどうにもならなかったのだ。
「ダンジョンを回ればいいんだな。えーと、だれか地図作ってないかな……」
ダンジョンの奥深くでさんざん行動しているので、誰かがマップを作っている可能性がある。
「えーと……えっ」
致命的なことに気が付いた。
チケットダンジョンも普通のダンジョンも、一階から地下に潜っていくものになっている。
で、どっちも……『ピラミッド型』なのだ。
下に行くほど広くなる!
「チキショオメエエエエエ!」
叫んだ清磨。
……そう、『最下層を探索すりゃいいじゃん!』となったうえでこの仕様である。
「もう、こんな罠が隠されているとは……」
ラスボスにゾンビアタックを繰り返す馬鹿が何を言ってるんだ。
「ぐぬぬぅ……仕方がない。人海戦術だ!だって実力者が百五十人いるんだからな!」
……好きにしてくれ。




