第千十話
「ダンジョン潜った方が早えわ!」
そういいつつモンスターを殴り飛ばす清磨。
身長八メートルくらいの鉄製ゴーレムだが、清磨がワンパンするとゴーレムの腹に大きな穴が開いた。
再生能力があったのか、穴が開いた部分がバチバチなっているが、すぐに収まって動かなくなる。
その後、換金用の宝石に変わった。
「うーん……敦美。これって何ポイントになるんだ?」
「6000ポイントといったところでしょうね」
「あれ、半日で10000が一般的だったよな」
「あのゴーレムはソロで討伐することを前提としていませんからね」
「あ、なるほど」
圧倒的な実力者なのだろう。
清磨はどこかズレがあるが、敦美の指摘ですぐにうなずいた。
「しっかしまぁ。まさか店を作ったのに、こっちで潜るほうが早えとはな」
「導入して一年もないシステムです。人数も限られていますし、我々のような質の高い人材の物量作戦など想定していないでしょう」
「そーか」
「ただ、かなりのコストがかかっていることに変わりはありません」
「ん?」
「朝森秀星の神器から生み出されたのがセフィコットです。それ以上のサービスを設置することそのものがなかなか難易度が高いものになっています」
「だよな。しかし、俺たちがこうして色々出していても、価格を変えてこないのは自信があるってことか?」
「いえ……自信というよりは、そもそものコンセプトがゲームのようにも見えてきます」
「ゲーム?」
「RPGで売られているゲームは、プレイヤーがどのような裏技を使ったとしても価格が変わらないでしょう」
「あー……確かに。錬金術とかよくやってたな」
絶対に価格変動が行われない。かつ、定期的なアップデートで何かしら新アイテムが手に入るゲームの場合。良く起こりえるのは『錬金術』だ。
わかりやすい例を出すと、ほぼノーコストで『二つ以上のアイテムを合体して新しいアイテムを作るシステム』が使用できるゲームで、『5円と5円で買えるアイテムを合体させて、11円以上で売れるアイテムを作る』というもの。
これを手持ちの限界数まで購入→合体→売却→購入→……と繰り返すことで、モンスターを1体も倒さずとも資金を増やせるのだ。
セフィコットシステムで価格が変動しない場合、オンラインゲームで無調整というに等しい。
「まだそういうものが見つかってないから問題にしてないのかね?」
「あくまでも、この学校は優秀な魔戦士を輩出する学校ですから、そこに反しない限りは問題ないとする可能性はあります」
「だよなぁ」
購買部を作っても文句を言われない辺り、問題だと思っていない可能性は十分にある。
「まっ、とりあえず静観するってところらしいな。今のうちにいろいろやりますかね」
「そうですね。より効率的にチケットを稼げないものか……会議でも議題にしておきましょう」
「よろしく」
スキルは強いがあまり頭はよくない清磨。
稼ぎ方に関しては丸投げである。会長なのに……。




