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夜なのに街は昼間のように明るく、男も女も
無防備な格好で歩いている。
弘毅がいた時代の夜の新宿では考えられないことだった。
『どうして、こんなに懐かしいのだろう?』
弘毅には不思議だった。
夜の新宿を彷徨ううちに弘毅はふと、奈津に似た女性と
手を繋ぎ、楽しげに歩く光景が浮かんだ。
いや、奈津じゃない…… どちらかと言えば、この時代に
来るときに乗ったギャラクシアの中で逢った
あの彩香に似ていた。
でも、弘毅にはこの街にいるのがなんだか、間違えに思えた。
立ち止まった弘毅の横を人々は楽しげに通り過ぎて行く……
公園に戻った弘毅は奈津と別れたベンチに腰を下ろした。
華やかな街とは違って、夜の公園はまるで時間が
止まったかのようにシーンと静まり返っていた。
弘毅は夜の公園のベンチに座り、奈津が来るのを待った。
真っ暗な夜の公園の中で弘毅は今まで自分に起きた
不可思議な出来事を思い出し、考えていた。
なぜ、、未来行きのチケットを握り締め、駅のホームに
佇【たたず】んでいたのだろう?……
それにギャラクシアという未来行きの新幹線の中で
出逢った女の子は誰なのだろう?……
私のことを知っているのか?
弘毅にはまるでわからなかった。
考えれば考えるほど、弘毅は深い迷宮の中に
引きずり込まれるようで怖かった。
とにかく、弘毅はこの場から逃げ出したかった。
でも、弘毅は奈津が言った
『大丈夫! 私が付いているから……』
という言葉が頭から離れなく、その場から逃げ出すことが
出来なかった。
弘毅が公園のベンチに座り、そんなことを考えているうちに
いつの間にか、夜が明けていた。
死んだように静まり返っていた公園が途端に
ジョギングする人や犬を散歩する人達で騒がしくなった。
「さて。眠気でも覚ますか!……」
近くの自動販売機で珈琲を買って、眠気を覚まそうと
弘毅はベンチから立ち上がった。
「お待たせ!……」
弘毅が声がした方を振り向くとそこには奈津がにっこりと
微笑んで立っていた。
奈津は昨日の夜、弘毅と別れた時とは違って、Tシャツに
ジーパンというラフな格好だった。
「さあ、行きましょう!……」
奈津は弘毅の手を引き、公園の外へと歩き出した。
「ちょ、ちょっと待ってよ!…… 何処に行くの?」
弘毅は奈津の手を引っ張り、振り解くと奈津に訊いた。
「何を言っているの!・・・・昨日、見せてくれた
写真の場所を一緒に探しに行くのでしょ?……
さあ、行くわよ!」
奈津はそう言うと再び、弘毅の手を引っ張り、
公園の外へと歩き出した。
弘毅より弘毅のことを探そうと一生懸命な奈津に
弘毅は圧倒され、負けそうだった。
「さあ、車に乗ってぇ!……」
奈津にそう言うと公園の前に止めている車に乗せようと
車のドアを開けた。




