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「きみ、大丈夫かね?…… 家まで送ろうか?
……きみの家は?」
警察官は優しく、弘毅に話し掛けてきた。
本当のことを言えない弘毅は
「だ、大丈夫です…… 一人でかえれますから!」
というと逃げるように公園のベンチから立ち去った。
公園を出て、弘毅は高層ビルが立ち並ぶ東京の街を見上げた。
『ここは何処なんだ?……』
自分が今、何処にいるのか弘毅にはさっぱり、わからなかった。
行き交う人並みの中を彷徨ううちに弘毅は今、自分が
東京の新宿辺りにいることだけは何となく、わかった。
『ここは新宿か?…… 一体、俺はなぜ、こんな所に
いるんだ?…… 確か、俺はギャラクシアという列車に
乗っていたのじゃないのか?……』
弘毅がそんなことを考えていると頭の中がズキンと痛くなった。
『大丈夫だから!…… 私が付いているから……』
弘毅の頭の中に彩香の微かに言った声が木霊のように
聴こえていた。
あまりの頭の痛さに弘毅はその場に蹲【うずくま】ると突然、
「だ、大丈夫ですか?……」
若い女の子の声が聴こえてきた。
弘毅が顔を少し上げると弘毅の目の前には20歳過ぎの
丸顔で優しそうな女性・奈津がその場に蹲っている弘毅の顔を
心配そうに覗き込んでいた。
俺は最近、この女性・奈津と何処かで会った気がする。
ごく最近に……
何処だろう?…… 思い出せない!
「大丈夫ですか?…… 救急車でも呼びましょうか?……」
奈津は心配そうに弘毅に優しく、声を掛けた。
「だ、大丈夫だから…… 気にしないで……
ちょっと、気分が悪いだけだから……」
弘毅は奈津の顔を良く見て、驚いた。
奈津は弘毅がギャラクシアの車両内で出会った彩香に
そっくりだったのだ。
でも、彩香とはどこか、雰囲気が違っている気がする。
「本当に大丈夫ですか?…… 顔色が悪いですよ?……」
心配そうに奈津は更に弘毅に話しかけた。
「ねぇ!奈津。 どうしたの?…… 早く行こうよ!」
遠くの方で奈津と同じ位の女性・祐子が奈津を急かすように
呼んだ。
「うん! すぐ行く!……」
奈津は祐子にそう返事をしたが弘毅のことが気になり、
すぐにはその場を離れることが出来なかった。
「ぼ、僕なら大丈夫だから……」
心配している奈津に弘毅は明るく微笑んだ。




