27
迷路のような廊下を逃げ回った弘毅は
やはり、迷ってしまった。
そんなとき、また弘毅の頭が激しく痛み出し、
弘毅はその場に蹲ってしまった。
その時、弘毅の頭の中にまた女性の声が
聞こえてきた。
「だ、大丈夫だから……」
その女性の声と共に弘毅の周囲の景色は
歪み、動かないアンドロイド彩香と駿一のいる部屋へと変わった。
弘毅は動かないアンドロイドの彩香を
見詰めながら、
「お、お願いだ!助けてくれ!……」
と思わず、叫んだ。
完全に機能を停止しているはずのアンドロイドの
彩香の目が弘毅の声に反応したかのように急に開いた。
彩香は完全に機能が回復しない身体を必死に
動かし、目の前にいるアンドロイドの駿一のキスをした。
彩香と同様に完全に機能を停止していたはずの
アンドロイドの駿一は彩香がキスしたことで機能が回復した。
彩香と駿一はぎこちない動きながら、徐々に本来の機能を
回復していった。
駿一より先に完全に機能を回復した彩香は駿一を見ながら
「さあ、駿一…… 一緒に奴を倒しに行きましょう?」
駿一に優しく、手を差し延べた。
まだ、完全に機能が回復しない駿一も彩香の手を掴み、
「ああぁ…… 奴を倒して全てを終らせよ!」
彩香と共に部屋を出て行った。
彩香と駿一と前に現れたマスターコンピューターが
差し向けたハンター達を襲ってきた。
駿一は彩香の前の立ち塞がるとマスターコンピューターが
差し向けたハンター達を次々と薙ぎ倒していった。
まだ、機能が完全に回復をしない駿一はハンター達を
全て薙ぎ倒した後、彩香の前に疲れたようにその場に
崩れ落ちた。
彩香は駿一の後ろから優しく、駿一の背中に
手を差し延べながら
「だ、大丈夫?……」
と声をかけた。
駿一は後ろを振り返り、彩香ににっこりと微笑みながら
「ああぁ。大丈夫だ!…… 早く、奴を倒しに行こう!」
と彩香に言った。
彩香と駿一はマスターコンピューターの部屋へと行く間、
施設内を壊し始めた。
「や、やめろ!……」
自分に対して、反乱を起こしたことに戸惑いながら、
マスターコンピューターは叫んだ。
だが、彩香と駿一は攻撃をやめなかった。
彩香と駿一が施設内を壊せば壊すほど、空間が歪み、
弘毅が今、いる空間と繋がろうとしていた。
そんな弘毅の身体は少し楽になった。
その時…… 弘毅の頭は酷く痛み出し、
身体を揺さぶられるように感覚に襲われた。
次に気が付くと弘毅はあの強化ガラスでできた円錐の
中にいる狭間と加奈子の前に舞い戻っていた。
「や、奴らのせいで……」
狭間が目の前の弘毅が覚醒し始めていることに
酷く激怒すると施設全体が大きく揺れ、狭間が入っている
強化ガラスで出来た円錐にひびが入り始めた。
でも、まだ空間が安定しなかったので弘毅は
すぐにさっき、いた場所へと引き戻された。
「さっきのは何だったのだろうか?」
弘毅がさっき体験したことに混乱していると
再び、激しく頭が痛み出した。




