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弘毅は重苦しい思いと共に目が覚めた。
弘毅は大きな溜息を吐きながら
『さっきの出来事はなんだったんだろう?』
不意に辺りを見渡した。
弘毅のベットの横にナースの奈津は無言のまま、
弘毅のことを見下ろしながら、鋭いナイフを弘毅に
突き立てるように立ち尽くしていた。
弘毅は殺気を向けたナースの奈津に恐怖を覚え
「ど、どうしたのですか? 看護婦さん?」
と尋ねるとナースの奈津は狂気の目で
「死ね!……」
と一言、言うとベットに寝ている弘毅に目掛けて、
持っていたナイフを振り下ろした。
「危ない!……」
そう思った弘毅は素早く身を逸らし、ナースの奈津が
振り下ろしたナイフから逃げた。
ナースの奈津は怖い顔でベットの下に転げ落ちた
弘毅を睨みつけながら
「ちぃ。しくじったか…… 今度は外さないわ!」
ゆっくりと弘毅の方に近付いてきた。
だが、弘毅はさっき、ナースの奈津が飲ました薬のせいか、
体が思うように動かなかった。
『何とか、逃げないと……』
弘毅は最後の力を振り絞り、ナースの奈津の横をすり抜け、
病室から逃げ出した。
弘毅が飛び出した病院の廊下は普通の病院の廊下とは
違っていた。
そこは奈津と連れて来られた”ギャラクシア”の
建物内の廊下と似ていた。
「ここは?……」
弘毅が目の前に広がっている光景に途惑っていると
弘毅がいた病室からナースの奈津が鋭いナイフを
持ったまま、
「待ちなさい!……」
もの凄い形相で弘毅のことを追いかけてきた。
「や、やばい!」
弘毅はとりあえず、ナースの奈津を振り切るように
その場から走り去った。
『どこを逃げたら良いんだ?』
弘毅は自分が何処を逃げて良いのか、わからなかった。
だが、弘毅は止まることなく、迷路のような廊下を
走り続けた。
そんなとき…… 弘毅の頭が強く痛み出し、
『こ、こっちよ!……』
弘毅の頭の中に女性の声が聞こえてきた。
「え? これは一度、経験したことがあるぞ?」
弘毅はそう思いながら、その場に立ち止まり、
頭を押さえた。
途端に弘毅の目の前が空間が歪み始めた。
『だ、ダメだ!』
弘毅がそう思い、諦めかけたとき、
「だ、大丈夫だから…… 私がいるから……」
弘毅の頭の中に直接、病室内で聞こえた
女性の声が聞こえてきた。
「だ、誰だ?俺を呼ぶのは?……」
弘毅は顔を上げ、自分に話しかける女性の声を探した。
だが、何処にも弘毅に話しかけた声の主はいなかった。
次の瞬間、弘毅の周囲の空間が深く歪み、
まるで動かないアンドロイドの彩香と駿一が
寄り添っている光景が見えた。
だが、すぐにその光景は消え、迷路のような廊下の
場所へと戻った。
『い、今のはなんだったのだ?』
弘毅が今、自分が見た不可思議な光景に途惑っていると
弘毅の後ろの方からカツカツと弘毅へと迫る足音があった。
「いかん…… 逃げないと……」
弘毅は重い自分の体を引き摺るようにその場から
再び、逃げ出した。




