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弘毅は不思議そうな顔をしながら
「でも、どうして国の施設がこういうことに……?」
というと彩香は
「さあ…… 私も詳しいことはしらないわ……
マスターコンピューターによると外部から来た
ウイルスによって、この施設内のモノはすべて感染し、
おかしくなったと書かれていたわ……」
と答えた。
「ウイルス?」
「そう…… そのウイルスは始めは誰も
気付かなかったけど…… いつしか、そのウイルスは
全ての中に入り込んで感染したの……」
「……」
弘毅は彩香が話した話に固まった。
「でも、どうやって、そのウイルスはこの施設内に
入り込んだのだ?」
「さあ。それがわからないの?……」
彩香は頭を傾げた。
「さて。これからどうしよう?」
弘毅も頭を抱えていると彩香は突然、
「そ、そうだ!……」
と言い、走り出した。
「ど、どうしたんだ?……」
弘毅も慌てて、彩香の後を追いかけると彩香は
マスターコンピューターがある部屋の反対の部屋へとやって来た。
彩香はそこの部屋のドアをこじ開けると弘毅を待たずに
自分ひとりでさっさとその部屋の中に入っていった。
弘毅が彩香の後を追いかけ、その部屋の中に
入ると薄暗い電気が灯った。
その部屋の中にあったのはまるで動かない
最後のアンドロイドの駿一だった。
彩香はそのアンドロイドの駿一を見ながら
「ほ、本物はこれだわ!……」
と呟いた。
弘毅は彩香の横に立ち、動かないアンドロイドの駿一を
見詰めながら
「こ、壊れているのか?これ?……」
と聞くと彩香は哀しげな顔で動かないアンドロイドの
駿一を見詰め、
「ち、違うの…… こ、これは……」
と全てのことを語り始めた。
彩香は哀しげな顔をしながら
「こ、これは…… 駿一そのモノなの。」
と弘毅に言った。
「え? ど、どういうこと?……」
弘毅は驚いた顔で彩香に聞き返すと彩香は部屋の中央にいる
目を瞑ったまま、動かない駿一にゆっくりと近付きながら
「ここに連れて来られた私らは隙を見て、駿一と共に
ここから抜け出そうとした…… この施設の事を
何も知らなかった私らはこの広い施設内で迷い、
捕まってしまった…… 駿一は私の命と引き換えに
彼と取引をしたの……」
「……」
弘毅は黙って、彩香の話を聞いた。
「私は駿一のおかけでこんな体になったけど
助かったの…… その代わりに駿一は……」
彩香がそう言うとゆっくりと駿一の目が開き、
「そう。僕は君の命を助ける為に彼の
サブコンピューターになったのだ……」
いきなり話し始めた。
「ご、ごめんなさい……」
彩香は哀しげな顔をし、目の前のアンドロイドの
駿一から顔を背けた。
弘毅は少し困った顔をしながら
「取り込んでいるところ、すまないのだが……
急がないと……」
彩香のことを急かした。
ハッと我に返った彩香は辛そうな顔でアンドロイドの
駿一の事を見詰めながら
「ねぇ。駿一、マスターコンピューターの機能を止めて!」
と言った。
アンドロイドの駿一は変わらない表情のまま、
「それはできない…… わたしは彼を
助けるモノだから……」
と言った。
彩香は駿一の一言に悲しみ、崩れるようにその場に
座り込んだ。
弘毅はそんな彩香のことを見ながら
「しょうがないなぁ…… 壊さないと……」
目の前のアンドロイドの駿一に襲い掛かろうとした。
「だ、ダメ!……」
突然、彩香が弘毅の前に立ちはだかり、アンドロイドの
駿一の事を庇った。




