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 ブーン……


 という音と共に弘毅達がいる部屋の電気が消えた。


 次の瞬間、

 「サブ電源に切り替えます!」

 機械の声と共に弘毅達がいる部屋の電気が再び、灯った。

 「何だったんだ?……」

 弘毅が今、起こった現象に不思議がっていると

 「マスターコンピューターが自分で活動のための

電力を確保しただけよ…… 問題は次よ!」

 彩香は弘毅たちにそう言い、サブ電源装置がある部屋へと

弘毅たちを案内した。

 そこには見張りの男達はおらず、弘毅達はすんなり、

サブ電源装置があるところまで進めた。

 「さあ。電源を落とそう!」

 弘毅が二つある、サブ電源装置を壊そうとすると機械の声がし、

 「やめなさい!…… 弘毅」

 弘毅を呼ぶ声が聞こえてきた。

 『だ、だれだ?……』

 弘毅はいきなり、聞こえてきた声の主を探し、

辺りをきょろきょろと見廻した。

 「ダメでしょう。坊や! こっちにいらっしゃい!」

 そんな声と共に弘毅の前に加奈子が突然、現れた。

 「さあ。こちらにいらっしゃい。 駿一。帰るわよ……」

 弘毅に加奈子の瞳を見た途端、弘毅は加奈子に

取り込まれたかのように

 「うん!……」

 差し伸ばされた加奈子の手を掴もうとした。

 「ダメ! それは偽りよ!……」

 彩香は弘毅にそう声をかけたが加奈子によって、

意識を奪われた弘毅には彩香の声は届かなかった。

 『だ、ダメ……』

 彩香は弘毅が加奈子の手に触れようとした瞬間、

弘毅にぶつかり、弘毅を加奈子の前から弾き飛ばした。

 その代償として、彩香が加奈子の手に触れた。

 その途端、彩香に激しい電気が流れた。

 偽物の加奈子から電撃を受けた彩香はその場に倒れ込んだ。

 「だ、大丈夫か?……」

 弘毅は彩香のことを抱きしめ、死んだように

動かない彩香のことを気遣った。

 「……」

 だが、彩香は動かない。


 その間も偽物の加奈子は弘毅達がマスターコンピューターの

電源を壊さないように次の手を打った。

 偽物の加奈子は奈津の方を向き、怪しく目を赤く光らせると

 「さあ。こっちにおいで…… 我が、娘よ!」

 と奈津に言った。

 偽物の加奈子の赤く光る目と声を聞いた途端、

奈津はまるで催眠術に掛かったように

 「ママ、今行くよ!……」

 と言い、偽物の加奈子の方へと歩き出した。

 奈津が偽物の加奈子のもとに来ると偽物の加奈子は

 「良い子だね…… さあ。一緒に悪者を倒しましょう?」

 優しく、奈津に話しかけた。

 「はい! ママ……」

 奈津は小さく頷くとまるで操られた人形のように

弘毅の方を向いた。

 「どうしたんだ? 奈津……」

 弘毅は奈津の名前を読んだが奈津から返事は無かった。

 やっと、気が付いた彩香は弘毅の手を掴みながら

 「に、逃げて!…… ここは私が何とかするから……」

 力ない声で言った。

 偽物の加奈子は奈津にナイフを手渡すと

 「さあ。我が、娘よ!…… 一思いに殺しなさい!」

 奈津に囁いた。

 弘毅は突然、自分に敵を露にする奈津を見ながら

 「一旦、ここから退こう!」

 彩香を連れて、サブ電源装置がある部屋を後にした。

 近くの部屋に逃げ込んだ弘毅は彩香のことを

優しく労わりながら

 「どうしよう? 他の方法はもう無いのか?」

 と彩香に訊いた。

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