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 弘毅は拘束されていた部屋から何とか、抜け出した。

 弘毅が出たのは病院の廊下を思わせるような入り組んだ

薄暗い廊下だった。

 「た、助けてぇ……」

 弘毅は怖かったが微かに聞こえる奈津の声を頼りに

声がする方に走った。

 だが、直ぐに弘毅が部屋から抜け出したことを何かで

知った研究者らしき白衣を着た男達、数人が

 「ま、待ちなさい!」

 弘毅の前に立ち塞がった。

 弘毅は男達の言葉に従わずに走っていたスピードを

まるで緩めることなく、俊敏な動きで男達を一撃で倒し、

先を急いだ。

 「助けてぇ……」

 奈津の微かな声を辿り、弘毅は一つの手術室らしき

部屋の前に着いた。

 弘毅が勢いよく、その部屋に入ると今、まさに奈津が

手術服を着た怪しげな男らに何かの手術されるところだった。

 「お前ら、その人に何をする気だ!」

 弘毅が手術服の男らに訊くと手術服の男らは手術道具を

持ったまま、

 「うるさい! 失敗作が……」

 弘毅に襲い掛かった。

 弘毅は俊敏な動きで手術室のような部屋にいた

手術服の男達を倒した。

 「だ、大丈夫だった?」

 弘毅は手術台の上で拘束されて、奈津を助け出した。

 怖さで身体を震わせ、泣いている奈津は

 「なんなの? ここは?……」

 弘毅に訊いた。

 「さあ。 わからない…… でも、ここは危ない。

逃げよう!……」

 弘毅は奈津の手を握り、この怪しげな建物から

逃げ出そうと走り出したがこの怪しげな建物は広く、

中々出口は見付からなかった。

 「ねぇ。少し休まない?……」

 少し歩き疲れた奈津は弘毅にそう言うと

その場に立ち止まった。

 弘毅は疲れた顔の奈津を見ながら、

 「そうだな……」

 というと弘毅もその場に立ち止まった。

 だが、弘毅はさっきから誰から見られている

違和感を感じを感じていた。

 「だ、誰だ?……」

 弘毅は後ろからの視線を感じ、振り返った。

 そこには弘毅とそっくりな男・駿一の姿があった。

 「わ、私はあなた(クローン)のオリジナル!」

 駿一はそう言うと弘毅の方にゆっくりと近付いてきた。

 『俺がクローン?……』

 弘毅がびっくりして戸惑っていると暗闇から現れた

駿一の姿を見て、奈津は

 「なに? この人?……」

 駿一のことを指差した。


 駿一は人じゃなかった。

 駿一の首から下が全て、機械仕掛けだった。


 怖くなった弘毅は

 「な、なんだ? こいつ……」

 弘毅は駿一から逃げるように後退りをした。

 「逃げても無駄だ! この私の秘密の研究施設・

ギャラクシアからは……」

 駿一はゆっくりと弘毅のことを追いかけた。

 『ギャラクシア?……』

 弘毅はその名前に聞き覚えがあった。

 「う、ウソだ!……」

 弘毅は奈津と共に駿一から逃げるように走り出した。

 弘毅たちが走っても走っても、建物内から

抜け出すことは出来なかった。

 まるで建物自体が生きていて、弘毅たちを建物内から

出したくなくて、閉じ込めているようだった。

 『もう、ダメだ!……』

 弘毅が諦めかけた時、長く長く続く通路の端から彩香が

 「こ、こっち……」

 弘毅たちのことを手招きをした。

 弘毅は一瞬、怪しいと思ったが

 「は、はやく…… 大丈夫だから……」

 彩香の言葉に弘毅たちは一先ず、彩香の方に向かった。

 彩香は弘毅たちを駿一も知らない部屋へと連れて行った。

 その部屋に彩香は弘毅たちに

 「ここなら、大丈夫だから……」

 優しく微笑んだ。

 「あ、ありがとう…… 一体、ここは何処なんだ?」

 弘毅は彩香にここの建物のことを訊いた。

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