18
立ち尽くしている弘毅に奈津は
「どうしたの?……」
と弘毅に訊いたが
「うんん…… 何でもないよ! もう良いの?」
弘毅は持っていた新聞を慌てて、もとに戻した。
「うん!」
「じゃあ。行こうか?……」
弘毅はそう言うと奈津と共に車に戻った。
弘毅は車の中に戻った途端、
『何か、変だ?……』
車の中の異変を感じ取った。
中々、車を発進させない弘毅に奈津は
「どうしたの? 出発しないの?」
と話し掛けてきた。
弘毅はハンドルに手を置いたまま、
「何か、この車、変じゃないか?」
奈津に車の異変のことを訊いたが奈津は車の中を
見廻しながら
「そう? 私には何も変わっていないように
思うけど……」
と弘毅に答えた。
何か様子がおかしい弘毅に奈津は
「私が運転をしようか?」
弘毅にそう言ってきた。
「うん!…… 頼むよ!」
弘毅はそう言うと奈津と運転を交代をした。
奈津は出発をしようと車のエンジンをかけた。
その途端…… ボーン!……
という爆発と共に車諸共、弘毅達は吹き飛んだ。
薄れ行く意識の中、弘毅は
『あれ?これは見覚えがあるぞ!』
弘毅はそう思った。
だが、それがいつの事なのか、思い出せない。
でも、確かに一度、経験をしている事は間違いない。
「これはダメだな・・・・」
という男達の声を訊いた。
気が付くと弘毅は知らない駅のプラットホームに
佇んでいた。
弘毅が混乱をしていると弘毅の前に
最新型の新幹線が止まった。
その車内からロボット型の車掌が出てきて、
「この新幹線は間もなく、発車します!……
お乗りの方はお早めに!」
と言ってきた。
そのフレーズも弘毅は確かに訊き覚えがある。
まだ、半信半疑の弘毅だったが目の前に止まっている
新幹線の名前・ギャラクシアを見て、
疑いは確信へと変わった。
間違えなく、時間を繰り返している……
『どうしてだ?……』
弘毅は事情が飲み込めずに混乱をしていた。
「お客さん、乗らないのですか?」
弘毅が車掌に促され、ギャラクシアの新幹線に
乗り込もうとすると何処からともなく、
「助けてぇ!……」
と助けを求める声が聞こえてきた。
『何か、違う!』
弘毅がギャラクシアの新幹線に乗るのをやめ、
その場に留まった途端、弘毅の周辺の空間が歪み、
崩れ始め、現実の世界へと切り替わった。
弘毅が気が付くと薄暗い部屋の中の
診療所にあるようなベットに寝かされていた。
『何だ? ここ?……』
弘毅が自分が置かれている状況が飲み込めずに
混乱をしていると何処から
「助けてぇ!……」
微かな女性の叫び声が聞こえてきた。
『何だ?……』
弘毅はその声に聞き覚えがあった。
「た、助けてぇ!……」
しばらくして、弘毅はその声が誰か、思い出した。
その声は奈津だった。
『彼女を助けないと……』
弘毅は奈津と助けようと寝かされているベットから
起き上がろうとした。
だが、弘毅の身体はしっかりとベルトのようなモノで
拘束されていた。
「な、何だ? これ?……」
弘毅は何とか起き上がろうとベットの上でもがき暴れた。
何度か、もがき暴れるうちに弘毅を拘束していた
ベルトのようなモノが緩み、弘毅はベットから
抜け出す事が出来た。




