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弘毅の頭の中に浮かんできたのは……
弘毅と同じ顔立ちの駿一が拳銃を持っている映像だった。
『え? なんだ。 この映像は……』
弘毅がそう思った途端、弘毅の頭の痛みが消え、
弘毅の頭の中から駿一の映像も消えた。
『今の映像は何だったのだ?』
弘毅がそんな事を思いながら、無意識に駿一の使っていた
机の引き出しを開けると拳銃が整頓されて置かれていた。
『え?……』
弘毅はびっくりして、慌てて開けた引き出しを閉じた。
『え? 今のなんだ?…… 拳銃だったよな』
弘毅がそう思いながら、恐る恐る駿一の机の引き出しを
再び、開けるとそこにはやはり、整頓された拳銃が
いくつも置かれてあった。
『え?……』
弘毅はびっくりし、引き出しを再び、閉じた。
そんな時、弘毅は狭間の診療所の前の茂みの中を
怪しげに動く人影達を感じ取った。
弘毅は狭間の家で夕食を取っている間も狭間の家を
窺っている怪しげな人の気配を感じていた。
『なんだ?あいつ等……』
弘毅がそう思い、外にいる怪しげな人の気配を
警戒をしていたが結局、その怪しげな人の気配は
狭間の家に侵入してくることはなく、朝には
その気配は何処にもなかった。
『一体、何だったんだ。あいつ等?……』
弘毅はそんな事を思いながら、加奈子の
作った朝食を食べた。
弘毅が朝食を終えて、昨日、森で拾ってきた子犬と
遊んでいると
「駿一、どこ?……」
大きな声は叫びながら、狭間の家に奈津と同じ位の
若い女の子・愛華が慌てて、入ってきた。
愛華は弘毅の事を見るなり、
「もう!何処に行っていたのよ? 駿一。
……おかえり!」
弘毅にいきなり、抱きついた。
弘毅の横にいる昨日、森で拾ってきた子犬はいきなり、
弘毅に抱きついた愛華に怖い顔をし、
今にも襲い掛かろうとしていた。
「うるさい! バカ犬……」
愛華は弘毅のそばで怖い顔で自分のことを
睨んでいる子犬と向かい合い、真剣に睨み合った。
弘毅は子犬と真剣に睨み合っている愛華に
「ど、どちら様ですか?」
と言った。
愛華はびっくりした表情で
「な、何を言っているの? 駿一。」
診療所の方から
「おーい! 愛華ちゃんの声がしたけど?……
愛華ちゃんが来ているのか?」
白衣姿のまま、狭間がやって来た。
愛華は狭間を見るなり、
「ねぇ、おじさん…… 駿一がおかしいの?」
と言ってきた。
狭間は弘毅のことを見詰めながら
「ああぁ…… 愛華ちゃん。 この人は駿一と
似ているけど、別人なんだ……」
と愛華に言った。
「え? こんなに駿一とそっくりじゃないの……」
愛華は馴れ馴れしく、弘毅に抱きつき、弘毅の顔を
引っ張った。
狭間が愛華に弘毅のことを説明すると……
「へぇー。そうなんだ…… この人、駿一じゃないんだ。
がっかり……」
がっかりした表情で愛華はソファに座った。
「ご、ごめんなさい!」
弘毅は申し訳なさそうに狭間の家のソファに
馴れ馴れしく、座り込んでいる愛華に謝った。
愛華は弘毅の顔を見ながら
「本当にアンタって、駿一に似ているよね?……
本当に駿一じゃないの?」
弘毅に聞いてきた。
「ええぇ…… 違うんですよ!」
弘毅が愛華にそう答えると
「こんにちは!……」
狭間の診療所の方から奈津の声が
聴こえてきた。
「あれ? また、君にお客さんみたいだ!」
狭間はそう言うと診療所の方へと
戻った。




