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弘毅が子犬と共に茂みに隠れていると音がした茂みから
全身黒い服装の怪しげな男らが飛び出してきた。
「アイツ、何処にいった?」
その男らは辺りを見廻し、弘毅の事を探していた。
だが、何処にも弘毅の姿がいないとわかると
「逃げられたか?……」
怪しげな男らはその場から立ち去った。
弘毅は怪しげな男らが立ち去った後で茂みから
出て、男らが立ち去った方を見詰めながら
「何だったのだ? あいつら……」
と呟いた。
さっき、出逢った子犬も怖い顔で怪しげな男らが
立ち去った方を睨みつけていた。
弘毅は訳が判らなかったがとりあえず、子犬と共に
狭間の診療所へと戻った。
「おかえりなさい!……」
狭間の奥さん・加奈子は優しく、弘毅のことを
迎えた。
「ただいま!……」
弘毅は優しく、加奈子に微笑んだが何処かで
自分のことを見張られている気がしていた。
加奈子は弘毅の懐にいる子犬を見ながら
「あら? 駿一。 その子犬、どうしたの?」
弘毅に子犬のことを訊いた。
弘毅は今にも加奈子に飛びかかろうとしている子犬を
優しく宥めながら
「森で出逢ったのだけど…… 暫く、ここで飼って
良いかな?……」
加奈子に訊いた。
加奈子が困った顔をしていると診療所の奥から
狭間が出てきて、
「しょうがない奴だな…… 自分で面倒を見るんだぞ!」
まるで弘毅を自分達の一人息子のように接してくれた。
弘毅も両親に甘えるかのように
「わかったよ! それよりご飯はまだ?」
加奈子にそう言った。
「はいはい…… すぐ、ご飯の用意しますね!」
加奈子はそう言うと自宅を兼ねた診療所の中へと
入っていった。
久しぶりに弘毅は温かい食卓で食事をした。
「ああぁ…… お腹、いっぱいだ!」
弘毅はお腹を押さえながら、満足そうにリビングの
ソファに倒れ込んだ。
狭間はビールを飲みながら
「コラぁ! そこで横にならずに自分の部屋に
行きなさい!」
まるで自分の一人息子のように怒った。
「はーい!……」
弘毅はそう言うと、狭間らの一人息子・駿一が
使っていた部屋へと移動した。
そこは駿一が使っていた時のままの状態だった。
弘毅はその駿一の部屋に入った途端、
『何か、変だぞ? この部屋……』
咄嗟に感じ取った。
だが、一見してはその駿一の部屋は何処にでもある
ごく普通の男の子の部屋だった。
しかし、その部屋からは殺気に似た気配があった。
だが、弘毅にそれが何なのか、わからなかった。
その時、また弘毅は激しい頭の痛みに襲われた。




