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第44話:審問会の結末と、次なる戦舞台

いつも熱い応援とたくさんの評価をいただき、本当にありがとうございます!

第44話をお届けします。


クリスティア王女の電撃乱入によって完全にひっくり返った白銀の円卓議事堂。

ついに第一王子ラインハルトによって、特務隊とアレンへの最終裁定が下されます。


ハメたはずの罠で、逆に自分たちの利権や裏の繋がりを洗われる羽目になった四大貴族どもの、屈辱にまみれた絶望の顔をお楽しみください!


審問会が終わり、アレンを巡るヒロインたちの可愛い大騒動が勃発する一方で、敗北した老害貴族たちは次なる暗殺の舞台を【魔法学園】へと移そうと画策し始め――。

激動の王宮審問会編、堂々の結末です!

「――静粛に。これ以上の見苦しい言い争いは、この円卓議事堂の格式を汚すのみだ」

第一王子ラインハルトの冷徹な一言が、騒然とする議事堂を瞬時に静まり返らせた。 ラインハルトは、最上段の席から円卓の中央、 立ち尽くす四大貴族の当主たちを冷徹な青い瞳で見下ろす。

「ボルテール侯爵。貴殿らは、特務隊が帝国の商人を虐殺し、国難を招いたと主張したな。だが、アレン局長が提示した証拠はあまりにも明確だ。バルトス子爵領で行われていたのは、商人との取引などではない。帝国の密偵『黒鉄衆』への、王国の防衛情報の売却……明白な売国行為だ」

「そ、それは……! しかし、手続きを経ぬ独断での粛清など――」

なおも食い下がろうとするグスタフ・ヴァン・ボルテール侯爵を、ラインハルトは厳しい一瞥で黙らせた。

「忘れたか、グスタフ侯爵。特務隊は先の謁見において、父上(国王陛下)が直々に『王宮直轄』を認められた特務機関だ。王国の安全を脅かす密偵を、その刃を以て即座に排除することこそが、彼らに与えられた正当な任務である。アレン局長の行動に、いささかの不法も、罪もない」

「な……ッ!?」

グスタフの顔が絶望に白く染まる。 フロストハイム公爵アルベールは忌々しげに目を細め、ウインザード侯爵ギルバートは「やれやれ」と肩をすくめた。精神の底を見透かされたオルタニア伯爵バルトロだけが、仮面の奥でアレンをじっと睨みつけている。

「よって、本審問会の裁定を下す。特務隊局長アレン、ならびに特務隊への疑いはすべて不問(無罪)とする。――むしろ、特務隊が暴いたバルトス子爵領の物流不正、および黒鉄衆との繋がりについては、背後関係を含め、我が近衛騎士団の手で徹底的に捜査をさせてもらう。……異論はあるか?」

ラインハルトの放つ圧倒的な覇気に、四大貴族の当主たちは誰一人として声を上げられなかった。 ハメたはずの罠で、逆に自分たちの利権や裏の繋がりを洗われる羽目になったのだ。彼らは屈辱にまみれ、奥歯を噛み締めるしかなかった。

「素晴らしい裁定ですわ、お兄様!」

ぱちぱちと可憐に手を叩いたのは、クリスティア王女だった。 彼女は嬉しそうにドレスの裾を揺らすと、トコトコとアレンの前まで歩み寄り、その白髪プラチナブロンドを揺らして上目遣いにアレンを見つめた。

「アレン局長。私、今日のあなたの一歩も引かない堂々としたお姿を見て、確信いたしましたわ。やはり、あなたは私の目に狂いのなかった、本物の英傑です。近いうちに、あの浅葱色の羽織が集うという特務隊の屯所スラムへ、お仕事の視察に伺わせていただきますね?」

「……は?」

アレンは思わず、素の声を漏らして眉を寄せた。 王宮のドブネズミを拝みに来たお転婆姫かと思えば、まさかのスラム訪問宣言である。

その時、王女のすぐ後ろに控えていた「お忍びの護衛」のフードの隙間から、見覚えのある金髪――セレナが顔を覗かせた。

アレンの無事な姿を目にした瞬間、セレナはパッと幼い少女のように表情を輝かせ、胸の前で小さくガッツポーズを作ってみせる。だが、すぐに周囲の目を思い出して「コホン!」と上品に咳払いをし、必死に毅然とした公爵令嬢の表情を取り繕って一歩前に出た。

「クリスティア様。スラムは先のバルトス領の件もあり、未だ治安が完全に安定しているとは言えません。王女殿下が軽々しく足を運ばれるのは、あまりにも危険にございます」

「あら、セレナ。だからこそ、世界を震撼させた特務隊の皆様が、私の警護をしてくださるのでしょう? それに、あなたがお師匠様アレンのことを毎日楽しそうにお話しするから、私も行きたくなってしまったのですわ」

「な、何をおっしゃるのですかクリスティア様……!? 私はそのような、個人的な情を職務に持ち込んでなど……っ!」

普段は誰に対しても凛とした態度を崩さない最高位貴族の令嬢が、王女の容赦ない暴露によって一瞬で顔を真っ赤にし、余裕をなくして慌てふためく。

その様子を円卓の席から眺めていたガラルド・ド・グランヴェルは、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべて喉を鳴らしていた。

(ハハハ! 審問会をひっくり返したと思えば、今度は王女殿下と我が娘を同時に狂わせるか。本当に、退屈させない男だ、アレンは)

アレンは、和泉守兼定の柄からそっと手を離し、小さくため息をついた。兼定の下げ緒には、あの夜、リナがずたぼろの手のひらで限界まで付与魔法を込めてくれた不器用な「手作りのお守り」が今もしっかりと結ばれている。指先でそのお守りに触れながら、アレンは苦笑した。

(やれやれ……。お上の腰抜けどもを黙らせたと思ったら、今度はとんでもねえ厄介ごとの種を抱え込んじまったな。屯所で待ってるリナや、シオンたちにこれを知られたら、また一騒ぎ起きるぞ。特にリナの奴、また無理して泥臭い特訓を始めなきゃいいがな……)

こうして、保守派貴族が仕掛けた「特務隊解体」の陰謀は、アレンの圧倒的な論理と、グランヴェル家・王族の連携によって完全な自滅という形で幕を閉じた。

――しかし、四大貴族の執念は、これで潰えたわけではなかった。

審問会の閉会後。 王宮の薄暗い回廊の片隅で、四大貴族の当主たちが不気味な気配を漂わせて集う。 特に、息子レナードの雪辱を果たせず、逆に窮地に追い込まれたグスタフ侯爵の顔は、怒りと屈辱で般若のように歪んでいた。

「おのれガラルド……おのれ平民のドブネズミ風情が……! 我ら五家連合の面目を、ここまで泥に塗ってただで済むと思うなよ……!」

「落ち着け、グスタフ。王宮内では、ラインハルト殿下とガラルドが目を光らせている。これ以上の不手際は我らの破滅を招く」

ウインザード侯爵ギルバートが冷酷に嗜めるが、その緑の瞳にも暗い殺意が宿っていた。 フロストハイム公爵アルベールが、冷徹な声でそれに続く。

「……王宮で動かせぬなら、別の場所で叩き潰すまでだ。近々、あの平民のガキは、ド・グランヴェル家の『秘書』として、ルシアンたちと共に【聖アイビス国立魔法学園】へ出入りするようになると聞いている」

その言葉に、仮面の奥で目を光らせていたオルタニア伯爵バルトロが、クククと不気味に喉を鳴らした。

「なるほど、学園か。あそこは王宮の騎士団の手が届かぬ、若き魔法師たちの治外法権。我が子クロード、そしてお前たちの子供であるエレナ、アルベルト、レナードもいる……」

「フン、我が息子レナードには、すでにボルテール家秘伝の『禁忌の魔導具』を買い与えてある。次こそあの平民を、骨も残さず消し去ってくれるわ!」

グスタフが邪悪な笑みを浮かべる。 親たちの怨念と、政治的な保身。それらのすべてが、次世代の「跡取りたち」へと託される。 アレンを抹殺し、特務隊の権威を失墜させるための次なる舞台――それは、貴族の子弟、そしてアレンの隣に立つため独学で「魔法×近接」を極めようとするリナたちが集う【魔法学園】へと移ろうとしていた。

何も知らぬまま、王宮の長い階段を下りていくアレンは、ふと、北の空を見上げた。 浅葱色の羽織が、王宮の風に激しく翻る。

(どこで仕掛けてこようが構わねえ。俺の、俺たちの居場所(誠)を脅かす奴は、誰であれその牙で噛み殺すだけだ)

アレン(土方歳三)の黒い瞳に、次なる修羅場を見据えた、冷徹な闘志の炎が静かに灯っていた。


第44話をご覧いただき、ありがとうございました!


王宮審問会、これ以上ないほどの大・大・大勝利で幕を閉じました!

ラインハルト殿下の直轄機関としての正当な裁定、最高にスカッとしましたね。ハメようとした老害貴族たちが逆に近衛騎士団に洗われる羽目になる自滅っぷりは、まさに因果応報です。


そして、アレンを巡る王宮のラブコメ(?)前兆も最高にニヤニヤしてしまいました。

堂々とスラム訪問を宣言するお転婆なクリスティア王女と、アレンへの情を暴露されて顔を真っ赤にして慌てるセレナお嬢様が可愛すぎます。ガラルド公爵じゃなくてもニヤニヤが止まりません(笑)。

屯所で待つリナの手作りお守りに触れながら、「厄介ごとの種を抱え込んじまった」と苦笑するアレンですが、これを知ったリナがどんな反応をするのか今から楽しみでなりません。


ですが……やはり四大貴族の執念は死んでいませんでした。

舞台は、貴族の子弟たちが集う王宮の騎士団の手が届かない治外法権、**【聖アイビス国立魔法学園】**へ!

親たちの怨念を背負った次世代の跡取りたち(エレナ、アルベルト、クロード、そして禁忌の魔導具を持たされたレナード)がアレンを待ち受けます。


迎え撃つアレンの隣には、独学で「魔法×近接」という独自の泥臭い新境地を切り拓こうとするリナたち特務隊の姿も。

学園という新たな戦場で、浅葱色の羽織がどんな嵐を巻き起こすのか。

鬼の副長の次なる修羅場に、どうぞご期待ください!


【作者からのお願い】

「老害貴族たちの自滅ざまぁが最高すぎた!」「慌てるセレナお嬢様が可愛すぎる!」「次章の魔法学園編が気になって夜も眠れない!」と思ってくださった方は、ぜひ作品への応援をお願いします!


皆様からいただく★5とブックマークが、アレン(土方)が学園の特権階級どもをまとめて叩き潰す最大のエネルギーになります!


なろう読者様:下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に染めて熱い応援を!


カクヨム読者様:【★で称える】ボタンや【フォロー】のワンタップをぜひお願いいたします!

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