35話
『本当に!すみませんでした!』
全員で見事な土下座を披露する。
対象はなんとか一命を取り留めた受付嬢の…リーシアさん。
…いや、まさかパーティメンバー全員が特殊職程度で心臓麻痺するとは思わなかったし…
「確かに、勇者、魔王、精霊王、聖王、夜王が現れたとは聞きましたが…」
「…」
「一般人から見たらおかしいことだらけなんですよ…普通の人のイメージは聖王、勇者対魔王、夜王で、精霊王は森の奥で…言うなれば、引きこもりというイメージを持たれてるので…まぁ、時の旅人さんたちならおかしくはないか。」
そうだ。NPCと関わる機会が無さすぎて忘れていたけど、僕たちプレイヤーはプレイヤーと呼ばれるんだったな。
「ちなみに、聖王と夜王は私たち現地人の中からは長らく出ていなかったのです。聖王と夜王はどうやら個人の資質が他の俊王、焔王、壌王、潤王と比べて大きく影響するそうで。また、その四つの王…《《四行王》》はすでに現地人にいるため、やはりなるのは難しいでしょう。…他の特別な職…賢者や大賢者、賢王、剣豪や剣聖、剣王、探偵…色々ありますね。一説ではダンジョンマスターも特殊職の一つだとも言われています。」
「色々あるんだ…」
「質問なんだけど」
とよっぴーが言う。
「精霊王は僕だ。けど、街の図書館の本で《精霊女王》なる存在がいると言う文献があったんだ。」
「精霊女王ですか…あの方は今、精霊の森で眠りについておられます。…詳しくはちょっと…」
「いや、ありがとう。」
「…お詫びとして…勇者の方はここからさらに東の次の街、王都へ、聖王の方は西の…ウォーリアから7つ目の聖都ルーティンへ、精霊王の方はウォーリアの南側にあると言われている精霊の森へ、魔王と夜王の方は北の大山脈にあると言われるとある場所へいけば何かあるでしょう。単独行動の方がおすすめです。魔の方は聖都や王都に入れませんので。」
「何から何までありがとうございます……あ、すみません、クランホームを借りたいんですけど、ギルドで借りれますか?」
「ええ。ただ、一戸建ての方がいいと思いますよ。一戸建ての場合は建築家さんにお願いしないといけないので。50万Gが建築費、30万Gが土地代に必要です…あ、もしかして後30万稼ぐだけなんですか?」
「…みんな、それでもいい?」
「…半額をクラン予算にして、残りを5等分した方がいいと思う」
「あ、確かに。」
…そして各々で別行動することになった。
「じゃあまたあと…」
と言いかけた時、視界にウィンドウが開く。
《現在街にいる時の旅人達は15分後、空を見上げよ》
…イベントか?




